事業報告(2017年度)

1.全体概要 - 創立30周年を迎えて

 1987年4月に創立した公益社団法人日本工学アカデミー(当時は任意団体、1998年に社団法人、2013年に公益社団法人に移行、以下「EAJ」という。)は2017年に30周年を迎えたことから、「創立30周年記念事業企画委員会」を設置し記念事業を展開した。
 2017. 5. 11緊急提言「わが国の工学と科学技術力の凋落をくい止めるために」を発表し、鶴保庸介内閣府特命担当大臣(科学技術政策)、石原宏高副大臣、林芳正文部科学大臣、松山政司内閣府特命担当大臣(科学技術政策)等を訪問して説明し、政策としての実現を求めた。
 2018. 1. 19に創立30周年記念式典、記念講演会を開催し、「30年史」を発刊した。また、今後の社会を展望し、長期構想「これからの日本工学アカデミーの役割」(2017. 11. 22)をとりまとめた。

1-1 社員総会
 2017.5.25にホテルJALシティ田町「鳳凰の間」にて第5回(通算第21回)定時社員総会を開催した。正会員数672名のうち426名(当日出席42名、表決委任384名)の出席によって、2016年度事業報告・収支決算書提案、2017年度事業計画・収支予算書報告を決議した。

1-2 理事会
 年4回の通常理事会を開催し、本アカデミーの運営にかかわる重要事項について審議・決定した。2017年度の主な議決事項は、総会議案の承認(2016年度事業報告と収支決算の提案、2017年度事業計画と収支予算の報告)、2018年度事業計画と収支予算の決定、正会員の入会の承認、賛助会員の入会の承認、会員選考委員の承認、提言発表の承認、委員長交代の承認、特別委員会・プロジェクトの新設・延長の承認などであった。
 報告事項として、各委員会、プロジェクト、支部・地区活動などの報告、他団体主催行事に対する協賛・後援依頼承認などの報告がなされた。また代表理事(会長)と業務執行理事(常務理事)の業務報告が8月、11月、2月に実施された。

1-3 創立30周年記念事業企画委員会
 2018.1.19に、創立30周年記念式典、記念講演会を、来賓、正会員、賛助会員の参加のもと盛況裡に開催した。
  式典出席 (来賓43名 会員90名 計133名)
  講演会  (来賓41名 会員93名 計134名)
  祝賀会  (来賓43名 会員86名 計129名)
 また、30年史を刊行し、創立から今日までの足跡をたどるとともに、新しい長期ビジョン『これからの日本工学アカデミーの役割』を取りまとめた。これらを通じて、次の30年に向けた日本工学アカデミーの使命を共有した。

 委員長: 中村道治  
 アドバイザー: 池田駿介  
 支部企画委員: 安斎浩一、林 良嗣、日野光兀、水谷法美、山田 淳  
 記念式典担当副委員長: 野城智也  
 記念式典担当委員: 天野玲子、依田照彦  
 30年史担当委員: 林 秀樹、村上秀之  
 長期ビジョン担当委員: 岸本喜久雄、坂田東一、長井 寿、光石 衛、*國井秀子 *非会員 

2.事業運営全般に係わる活動

諸委員会等において、事業の戦略的な推進と円滑な運営を図った。

2-1 会員増強
 総括責任者:松本洋一郎副会長
 EAJの組織的基盤となる会員の増強とバランスのとれた構成および多様性の確保を目指す。

1)会員選考委員会
 理事会の開催時期に合わせて、委員会を年4回開催し会員の入会審査を行った。2017年度は正会員115名の入会、1名の復会、客員会員1名の入会を得た。10名が退会し、12名が逝去された(2018.2.14現在)。2017年度当初の会員数636名に対して、2017年度末正会員数は、730名(2018.2.15現在)までに増えた。新たに若手会員、女性会員、外国籍会員のあり方について委員会内にワーキンググループ(WG)を設置して検討を行い、若手についてはEAJ内の若手会員強化体制の整備、女性会員についてはジェンダー委員会の設置・活動開始、外国籍会員については、客員会員候補者の選考内規の改正に至った。また、会員向けの「会員候補者推薦の手順書」について、推薦の考え方や記入要領の現行化、EAJ規則類との整合性などの観点から全面的な改訂を行い、直ちに会員推薦手順書として運用に供している。

委員長: 松本洋一郎(→2017.8.24嘉門雅史)  
幹事: 石原 直、亀井信一  
第1分野主査: 松本洋一郎  
    委員: 内山 勝、久保司郎、菱田公一、松本洋一郎、光石 衛(2017.8.24新任)、
岡本一雄(2017.5.11退任)、白鳥正樹(2017. 5. 11退任)
 
第2分野主査: 尾形仁士(→2017.5.11長我部信行)  
    委員: 石原 直、臼田誠次郎、尾形仁士、長我部信行、保立和夫、
横山直樹(2017.8.24新任)
 
第3分野主査: 小関敏彦  
    委員: 月橋文孝、西嶋昭生、佐伯とも子(2017.5.11新任)、
友田 陽(2017.5.11新任)、玖野峰也(2017.5.11退任)
 
第4分野主査: 小松利光(→2017.5.11 野城智也)  
    委員: 嘉門雅史、道奥康治(2017.8.24新任)、小嶋勝衛(2017.5.11退任)、
小松利光(2017.11.22退任)
 
第5分野主査: 木下幹康  
    委員: 大久保泰邦、神本正行、辰巳 敬  
第6分野主査: 桑原 裕  
    委員: 今井秀孝、小玉喜三郎  
第7分野主査: 長棟輝行  
    委員: 小堀洋美、関 実、中西友子  
第8分野主査: 永野 博(→2017.5.11小林信一)  
    委員: 亀井信一、小林信一、永野 博、橋本正洋、松見芳男、
田辺孝二(2017. 8. 24新任)
 

2)法人会員強化委員会
 賛助会員の拡大に向けた継続的な活動によって収入予算を達成し、財政の健全化に貢献することができた。また、賛助会員企業の幹部および担当の方々とのコミュニケーションの場として、「日本工学アカデミー・賛助会員ラウンドテーブル」、「日本工学アカデミー・賛助会員企業連絡会」をそれぞれ開催し、これらの場で出された人材育成や産学連携の在り方等に関する貴重な意見を、日ごろの活動に反映してきた。並行して、企業所属または企業出身の正会員の推薦活動を強化した結果、新規会員の1/3を占めるようになった。

委員長: 中村道治  
委員: 石原 直、上田新次郎、松見芳男、小山珠美  

3)若手部会
 第185回談話サロン(落合陽一氏)、5th Dialogue for Global Innovation、Medical IoT、SDGs医療部門、JAFOE OB会、ERLEPフォーラム、FOSTE(非公式に若手部会が参加運営)、STEAM アンカンファレンス(3月開催)の運営および運営補助を行った。

リーダー: 中島義和、金谷一朗  
専門委員: *宮加奈子  *非会員

2-2 事業企画推進
 総括責任者:永野博専務理事
 EAJ全般に係わる事業の推進のための企画、調整を行い、計画に基づき実施した。

1)企画・運営委員会
 8回の委員会を開催し、その都度重要課題の審議を行い、理事会審議・報告案件を上程した。

委員長: 阿部博之  
委員長代理: 永野 博  
委員: 有川節夫、池田駿介、亀井信一、小泉英明、田中秀雄、中村道治、長井 寿、
林 秀樹、松本洋一郎(→2017. 9. 7嘉門雅史)
 

 本委員会の下に、以下の政策提言小委員会、企画推進グループがその事業を推進した。

1)-1 政策提言小委員会
 月次で会合を持ち、EAJが取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討とプロジェクトの探索、構成の検討を行い、あわせてプロジェクトの進捗確認を行うとともに、成果物のとりまとめのための審査・助言を行った。その結果を企画・運営委員会に報告した。なお、本小委員会は、企画推進グループおよびEAJ事務局と一体となって検討を進めることを旨としているので、月次で開催した委員会には両者の関係者をオブザーバーとして迎えて活動した。

主査: 亀井信一  
委員: 大石善啓、大澤隆男、金田千穂子、小林信一、永野 博、安永裕幸  

1)-2 企画推進グループ
 企画運営委員会、政策提言小委員会、事務局との連携を密に、事業企画推進、提言・提案、情報発信・普及啓発事業などに関して、具体的計画の企画・調整など幅広く支援を行った。企画立案にあたっては、会員意見アンケートを2回実施し、プロジェクト候補リスト、談話サロンなどの行事年間計画をまとめた。その結果、賛助会員を含め多くの会員、非会員が参加する談話サロンを4回、その外EAJ-JAMSTEC共催海洋シンポジウムなどの開催、次世代コンピューティング、海洋研究の戦略的推進プロジェクトなどの発足に繋がり、EAJの活性化に貢献した。

リーダー: 城石芳博  
長期ビジョン・事業計画担当: 横山直樹  
プロジ ェクト担当: 城石芳博、中山智弘、藤田豊久  
人材育成担当: 橋本正洋  
行事企 画担当: 小田俊理、長瀬公一、大江田憲治  
顧問: 中村道治  

2)人材育成委員会
 委員会の活動を本格化し、3回の委員会を開催した。

(1) 第1回 2017.6.9 八大学工学部長会議による「大学における工学系教育の在り方について(本年6月、中間まとめ)」について石原前東大教授に講義いただき、阿部会長、中村理事ほか、委員、八大学工学部長会議メンバーにより議論を展開した。  
(2) 第2回 2017.9.7 文部科学省大臣官房審議官(高等教育局担当)松尾泰樹氏を迎え、文科省報告書「大学における工学系教育の在り方について」について議論を行った。  
(3) 第3回 2017.12.13 吉川弘之先生より、「分割された知識の回復を目指す新しいエンジニア」と題するご講演をいただき、討論を進めた。  
委員長: 橋本正洋  
幹事: 城石芳博、横山直樹、中島義和、岸本喜久雄、石原 直、金谷一朗、村上秀之、
小林信一、松見芳男、*島田 昌
 
委員: 北森武彦、滝澤博胤、大久保達也、新美智秀、北村隆行、田中敏宏、高松 洋、
*小豆畑茂、大江田憲治、榊原裕二、柘植綾夫、坂田東一、安永裕幸、犬塚隆志、
上野晴樹、高山 誠
 
  *非会員  

3)ジェンダー委員会(2017年11月理事会で設置)
 2017年11月にジェンダー委員会を立ち上げた。2017.3.31にはシンポジウムを開催し、EAJ会員及び工学関係者間でジェンダーの視点の重要性と課題を共有した。

委員長: 渡辺美代子  
副委員長: 辻 佳子、山口栄一  
委員: 中西友子、永野 博、長井 寿、原山優子、平尾明子  

4)安全知と安全学委員会
 日本メーカー製品の品質低下による事故や製品性能データねつ造問題などが明らかになっている。近い将来、製品使用者への安全問題に帰着することが懸念されることから、現状の理解と、製造者・学識経験者が今後とるべきアクションについて取りまとめるために、談話サロン(安全工学フォーラム)を以下の要領で開催した。

開催日: 2018.3.16  
場所: 御茶ノ水トライエッジカンファレンス  
テーマ: 日本メーカー製品の品質低下による事故や製品性能データ捏造問題  
講師: 中嶋洋介(品質と安全文化フォーラム代表理事)、南波裕樹(大成建設)  
委員長: 向殿政男  
副委員長: 松岡 猛、*新井 充  
幹事: *高橋 聖、*鳥居塚崇、*吉村健志  
委員: 柴田 碧、*池田博康、*坂井修一、*畑中綾子、*藤本 滋    
  *非会員  

2-3 工学プレゼンス向上
 総括責任者:中西友子副会長
 外部との双方向の意見交換活動を通じて、工学のプレゼンスの向上を図った。

1)会長アドバイザリー委員会
 本年は委員会開催に至らなかったが、賛助会員として産業界の参画が増え下地作りができた。

委員長: 阿部博之  

2)産業技術館設置準備委員会
 工学の在り方を深め、日本のみならず世界との交流センターとするべく「産業技術館(仮称)」設置の準備活動として意見交換を実施した。

委員長: 小宮山宏  
専門部会長: 永野博  

3.分野別事業

3-1 提言・提案事業
 総括責任者:長井寿常務理事
 我が国が直面している問題について、広範な会員および専門家を結集し、情報共有、意思疎通を図ることによって、問題解決への方向性を見出し、提言発信に結び付ける活動を展開した。新規プロジェクトの立案を奨励し、年間10テーマ以上が常時活動することを目指した。
 また、『自然エネルギーのガバナンス』、『アジアバイオマス』の最終報告書を公開した。

1)新コアチーム
 2016年度に公開した「EAJメッセージ(暫定版)」をもとに、政策提言、最終報告書のとりまとめに向けた活動を進めた。(統括リーダー:長井 寿)

(1)材料プロジェクト
 2016年度とりまとめの「EAJメッセージ暫定版」の肉付けを図り、EAJ内外から多分野の意見を集約するために、チームメンバーを増強し、報告書案をとりまとめた。さらに2018.2.9にJSTとの共催ワークショップを提言とりまとめのための意見交換会として開催した(27名参加)。

リーダー: 加藤隆史    
プログラム・オフィサー(PO): 長井 寿  
メンバー: *真崎仁詩、*吉田 勝、*村上進亮、*高島義徳、
*津本浩平、*大槻主税、足立義隆
 
アドバイザー: 山本 尚  
  *非会員  

(2)基盤工学プロジェクト
 国土交通省等インフラメンテナンスに関する各機関の動向について情報収集を行い、とりまとめに向けての作業を行った。また、活動の一環として、国立国会図書館科学技術に関する調査(分析型A):国土のインフラ老朽対策と維持管理技術へ企画書を提案した(ヒアリングまで進んだが採択には至らず)。

リーダー: 塚原健一、谷口栄一  
プログラム・オフィサー(PO): 池田駿介、嘉門雅史  

(3)ロボット・AIプロジェクト
 産学から幅広い多分野の会員の意見をまとめ、先見的なメッセージを発信すべく、ロボット・AIプロジェクトとして会合を持つとともにメールでの頻繁な審議を行って、テレイグジスタンス(telexistence)による労働サービスのグランドデザインなどの検討を行った。その結果を"テレイグジスタンスが拓く超スマート社会"として整理し、EAJメッセージ P-2017-03としてまとめ、情報発信を開始した。また、5/25に開催されたEAJ総会で活動内容を報告し、その後、11/13には政策提言小委員会にて"テレイグジスタンスが拓く超スマート社会"について報告し、2/2、2/20拡大プロジェクトチームで報告書・提言書作成に向けた議論を行なった。さらに、産業界などからメンバーに加わっていただき、報告書案についてご意見を伺い、それらの活動を報告書・提言として取りまとめた。

リーダー: 舘 暲  
プログラム・オフィサー(PO): 松本洋一郎  
メンバー: *西田豊明、*大場光太郎、福永 泰、*高橋 誠、
城石芳博、*西村信治
 
アドバイザー: 中村道治  
  *非会員  

(4)バイオ・医療プロジェクト
 高度な医療技術を日本の医療保健制度のサステイナビリティを担保した上で国民の健康に資するものとするための工学の立場からの寄与についてワーキンググループで検討を行い、12/11に政策提言小委員会で報告書骨子、ワークショップ開催について報告し、報告書・提言書作成に向けた議論を行なった。また、12/28にプロジェクト全体会合を開催して報告書、ワークショップ開催に関して議論を行い、2/24に産学官の関係者を集めてワークショップを開催した。さらに、それらの活動を報告書・提言として取りまとめた。

リーダー: 片岡一則  
プログラム・オフィサー(PO): 中西友子  
メンバー: *東 隆、*安西智弘、上坂 充、*酒井康行、*高木 周、
*西山伸宏
 
  *非会員  

(5)コミュニケーション科学プロジェクト
 STEAM教育拡充へ向けた具体的なアイデア発信および政策提言の取りまとめを目指して、若手エンジニア・デザイナ・科学者・アーティストからなる会合を4回行った。またSNSで継続的な議論を続けている。成果は3月中に報告書として公開する。

リーダー: 金谷一朗  
プログラム・オフィサー(PO): 亀井信一  
メンバー: 中島義和、*宮加奈子  
  *非会員  

2)ボトムアップチーム
 会員からの新しい提案を積極的に推奨し、提言発信に結び付ける活動を展開した。

(1)生産技術と教育法(2016-2017)
 プロジェクトの目的や手法は、周辺領域(デザイン・アート・AI・数学)を含めて検討する必要がある。そこで(1)企業でのイノベーションにとって、アートの持つ意味は何かに関する国際シンポジウム(於:オーストリア大使館)(2017年9月)(2)JAFOEからSTEAMへの進化の試みに関するシンポジューム(タイで実施:2017年11月)の2つを試みた。9月のシンポジウムでは、AIがデザイナーの思考支援に大いに役立つという「人間中心の考え方」に議論が集中した。国内は、マツダ、日産自動車等、海外から、日立ヨーロッパ(英国)、ams社等が参加した。タイのシンポジウムでは、アートが中心に議論され、若手エンジニア・研究者に大いに刺激・勉強になったようである。また、元ある大企業の技術研修所の所長と議論し(1)新時代に向けて、新しい産業を生み出す原動力になる人材育成(2)グローバル・イノベーションの創出をする人材育成(3)工学が社会に貢献する次世代の人材育成が、最重要課題であることを、確認した。2017.9.7に談話サロン「デザインとエンジニアリング」を開催した。

リーダー: 桑原 裕  
メンバー: 原田靖裕、弘岡正明  
オブザーバー: 玖野峰也    

(2)SDGsにおける科学技術イノベーションの役割(2017-2018)
 第1回プロジェクト全体会議(4/3 於 国連大学)を開催し、学(国連大、東大等)官(内閣府、外務省等)、産(住化、金融機関等)からなる委員で、最終報告書骨子案(政府への提言書)、今後の方針を決定した。2017.6.29日本リアルオプション学会と共同で特別研究会「SDGsにおけるSTIの役割」を開催、SDGsにおける金融の重要性と今後の協力体制を確認した。第1回SDGsオープンフォーラム(2017.7.21 阪大)を開催し都市開発業界、電機業界をはじめとする産業界、WHO、日本政府の講演者からSDGsの取組みの現状を報告し、阪大との、特にインフラ分野での協力関係を構築した。第2回プロジェクト全体会議(2017.10.31国連大学)を開催し、最終報告書の各章に記述すべき項目、調査・検討すべき事項を検討した。日本リアルオプション学会と共同で金融SDGs研究会を創設し第1回会合(2018.1.10 青山学院大学)を開催し、金融庁、日銀、外務省、環境省、経産省、文科省等の官庁、日証協、投信協、野村アセット、Quick等の金融関係機関、青学、慶応、早大等の大学、日立等の事業会社が出席しSDGs視点からの企業評価、金融指標のあり方を議論した。この間、9月にJST、多摩5大学、10月にJST、東北大、11月に文科省、経産省、NEDO、12月にJEITAにてSDGsに関する講演をリーダーが実施し、本プロジェクトの紹介と、関係機関との連携を図った。
 年度末に向け、第2回SDGsオープンフォーラム(2018.1.28 国際大学)にて、国際大の外国政府・企業からの派遣学生(55カ国)と「SDGsにより国と国とをつなげる」を主旨として開催した。

リーダー: 武田晴夫  
プログラム・オフィサー(PO): 中村道治  
サブリーダー: 藤田豊久  
メンバー: 有本建男、河本光明、中島義和、林 良嗣、藤野陽三、
*岩間剛一、*江藤 学、沖 大幹、*蟹江憲史、
*角南 篤、*藤村武宏、*安岡善文

 
  *非会員  

(3)次世代コンピューティング技術(2017年6月立ち上げ)
 2回の全体会議とアンケート調査による委員からの意見集約および個別企業へのヒアリングを通じて、戦略を検討した。有望技術を持つ企業が中心となる自律的な国際的多機関連携により、現場近くで課題を即時的確に処理できる計算機技術を確立し、これを世界展開する方向を提言した。

リーダー: 金山敏彦  
プログラム・オフィサー(PO): 中村道治  
メンバー: 安浦寛人、*松井俊浩、*黒田忠広、*青木孝文、
*竹内 健、*桜井貴康、遠藤哲郎、*加藤真平、
*笠原博徳、*佐橋政司、*石川 裕、*土井美和子、
*日高秀人、木村康則、内山邦男、*水野弘之、
*石内秀美、*服部健一
 
  *非会員  

(4)立法府と工学アカデミー(2017年7月立ち上げ)
 国立国会図書館より「科学技術に関する調査プロジェクトに係る委託調査(討論型「政策決定と科学的リテラシー」)を受託した。本調査は、立法府が科学的事実に基づく政策形成を進めていくためのアカデミアとの連携方策を明らかにすることを目的としている。わが国におけるこれまでの動き、諸外国・地域の事例を調査し、わが国への参考となる論点を抽出したうえで、立法府、アカデミアへの提言をとりまとめた報告書「科学的リテラシーの立法府による活用のために」を国立国会図書館に提出した。

リーダー: 永野 博  
メンバー: 小林信一、伊藤裕子、小泉英明、渡辺美代子、太田光一、長井 寿、田中秀雄  

(5)海洋研究の戦略的推進(2017年9月立ち上げ)
 2017.12.25にキックオフ会合を実施、今後、参画機関より提案を持ち寄り、提言の方向性を議論していくこととした。年度末に向け、2~3回の全体会合を行い、提言の柱をまとめた。

リーダー: 藤井輝夫  
メンバー: *遠藤 久、*大谷雅実、*川上哲太朗、*神田穣太、*北澤大輔、
*篠崎資志、*竹内真幸、*中原裕幸、*中屋新二、*保坂直紀、
*道田 豊、森本浩一、宇都正太郎
 
顧 問: *寺島紘士  
  *非会員   

3-2 情報発信・普及啓発事業
 総括責任者:谷口功副会長
 EAJの存在価値を広く社会へ発信するため、30周年の機会を十二分に活かし、社会でのEAJの認知度を高め、影響力を広げていくための広報活動の強化を図った。同時にEAJ内部での迅速な情報共有度を高めるための方策を検討した。

1)編集会議
 EAJ内部のコミュニケーションの活発化を目指した内部向け広報活動としては、『EAJ NEWS』を理事会の開催頻度に合わせて年4回発行し、さらに会長の年頭挨拶を会員に届けるため新年特別号を発行した。また『活動報告2016/2017』を発行するとともに、ホームページのリニューアルを実施し、その内容の充実を図るとともに、頻繁なアップデートを実施した。会員間の迅速な情報共有・情報交換のためのメールマガジンの発行に関しては、メーリングリストの整備等、発行に向けての準備を完了した。
 主査:林 秀樹
 委員:舘 暲、田中秀雄、中西友子、茂木美智子

2)講演会等の開催
 下記の講演会、談話サロンを開催した。各委員会・プロジェクトの企画を得て多様な開催となった。

(1) 総会特別講演
 開催日:2017.5.25(木)
 場 所:ホテルJALシティ田町
 テーマ:「破壊的イノベーションを目指して」
 講 演:山本 尚氏
 対 象:会員・賛助会員・招待者(42名)

(2) SDGsにおける科学技術イノベーションの役割プロジェクト主催オープンフォーラム
 開催日:2017.7.21(金)
 場 所:大阪大学吹田キャンパス
 テーマ:「SDGsへの産業界の包摂」
 講 演:土井健司、貝崎勝、河本光明、荻原定彦、杉浦哲郎、倉持隆雄、茅野龍馬、小林孝明各氏
 対 象:会員・賛助会員・学生・一般(70名)

(3) 第184回談話サロン
 開催日:2017.8.9(水)
 場 所:御茶ノ水トライエッジカンファレンス
 テーマ:「次世代コンピューティング技術」
 講 演:木村康則、中村宏、黒田忠広、丸山宏、馬路徹、内山邦男各氏
 対 象:会員・賛助会員・学生・一般(37名)

(4) 第185回談話サロン
 開催日:2017.9.22(金)
 場 所:御茶ノ水トライエッジカンファレンス
 テーマ:「技術と芸術の接点」
 講 演:落合陽一、伊藤恵理、金谷一朗各氏
 対 象:会員・賛助会員・学生・一般(26名)

(5) 第186回談話サロン
 開催日:2017.10.23(月)
 場 所:御茶ノ水トライエッジカンファレンス
 テーマ:「新たな市民科学がもたらすイノベーション:科学、教育、社会課題解決のためのアプローチ」
 公 演:小堀洋美、阿部恭二、岩井 聖、中島義和各氏
 対 象:会員・賛助会員・学生・一般(21名)

(6) EAJシンポジウム-第13回安全工学フォーラム-
 開催日:2018.3.16(金)
 場 所:弘済会館
 テーマ:「日本メーカー製品の品質低下による事故や製品性能データ捏造問題」
 講 演:中嶋洋介、南波裕樹各氏
 対 象:会員・賛助会員・一般(31名)

(7) 第1回EAJジェンダーシンポジウム
 開催日:2018.3.31(土)
 場 所:東京大学本郷キャンパス情報学環・福武ホール(地下2階 福武ラーニングシアター)
 テーマ:「女性参画で工学が変わる、工学を変える-活躍する女性-」
 基調講演:阿部玲子氏(オリエンタルコンサルタンツインド現地法人社長)
 話題提供:辻佳子会員
 パネリスト:加藤一実氏、小安重夫氏、ファシリテーター 辻篤子会員
 対 象:会員・賛助会員・一般・学生(80名) 

3-3 国勢連携事業
 統括責任者:小泉英明上級副会長
 2016年度に確認した、「(1) 担当副会長をトップとして総合的に推進、(2) EAJの国際連携は、各国の工学アカデミーとの組織的連携を前提とする、(3) 限られた資源の配分のガイドラインを確認して、今後の関連活動を進める」の原則に基づいて推進した。アカデミー間連携事業にはEAJの代表団を派遣するとともに、専門性が問われるイベントに対応して積極的に若手人材の派遣を検討した。若手人材育成交流事業については、継続性と同時に発展性が求められており、相手方アカデミーおよび共催機関との連携を密接にして進めた。

1)アカデミー間連携

(1) 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
 2017年CAETS大会は、2017.11.3-2017.11.16の会期で、スペインマドリードにて開催された。この大会までの任期であるCAETS理事小泉上級副会長と長井常務理事が代表参加した。小泉上級副会長は評議会パネルで「A Compass for Engineering Ethics:The critical role of world academies」と題する特別講演を行い、大きな反響を得た。また、会期中にactech、ATSEなどとアカデミー間の会合を持ち、両者間の今後の協働について意見交換した。
 ・委員長:長井 寿

(2) 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA-RTM実行委員会
 第20回東アジア工学アカデミー円卓会議および併催シンポジウムが2017.9.27-2017.9.28に韓国釜山市Hyatt Chosun HotelにおいてNAEKがホストとなって開催された。テーマは“Smart City”であり、都市生活のSmart化に関わる様々なテーマについて話題提供、議論が行われた。今回はシンポジウム、円卓会議を初日に集中させ、2日目は韓国海洋大学をはじめとした見学に充分な時間をかけた点が特徴だった。
 ・委員長:三島 望

(3) 欧州交流委員会
 国立国会図書館からの受託調査を実施する過程の中で、スウェーデン王立工学アカデミー(IVA)および欧州議会科学技術選択評価委員会の代表を招き、立法府とアカデミアの交流のあるべき姿について意見交換した。またCAETSの機会を利用して、ドイツ工学アカデミー(acatech)、英国王立工学アカデミー(RAEng)、IVAなどと連携の発展方策を検討した。
 ・委員長:永野 博

2)人材育成

(1) 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
 2018年日本開催の準備を全米工学アカデミー(NAE)、科学技術振興機構(JST)と連絡を密にして進めた結果、2018.6.17-2018.6.20に茨城県つくば国際会議場で行うこととした。また、古川英光運営委員長(山形大学、正会員)のもと運営委員会体制が構築され、プログラム、参加者の選定等が円滑に進むように支援した。
 ・委員長:村上秀之
  委員:金谷一朗、中島義和

(2) 日豪若手研究者交流促進事業:ERLEP実行委員会
 日豪若手研究者交流促進事業(ERLEP)に参加した日豪若手先端研究者を運営主体とし、「ERLEP toward the Next Big Step会議」および「日豪若手先端研究者による環学的新学術フォーラム2017」を2017.12.4-2017.12.6に福岡で開催した。「会議」では、ATSE-EAJ FUKUOKA STATEMENTをまとめ、「フォーラム2017」では、日豪若手先端研究者が討議によって、持続的な組織化の基本方針をまとめ、日豪の関連政府機関等を対象とした国際的・社会的な提言として、グローバルな学術的連携推進事業や、科学研究費助成事業などにおける「新学術の複合領域」の提案をまとめた。なお、開催のために若手が中心となり日本学術振興会からの受託、東京倶楽部、関科学財団からの助成金を得て実施した。
 ・委員長:長井 寿

3)その他
 2017.10.2 第7回AEPM(Academy of Engineering President’s Meeting) at STS forum 2017を実施し、工学教育をテーマに各国の実情を紹介し合った。EAJからは、阿部会長、小泉上級副会長、永野専務理事、田中(秀)常務理事兼事務局長、田中(美)事務局長補佐が出席した。海外からは、独、スウェーデン、仏、スイス、豪、韓国、タイ、香港のアカデミーから参加があった。

3-4 支部・地区事業
 総括責任者:宮城光信副会長
 支部・地区での特徴ある活動を中心に、広く事業を展開した。支部・地区発の提言・提案プロジェクトの掘り起こしも進めた。

1)北海道・東北支部
 支部長:宮城光信

(1) 2017.5.24 福島県環境創造センター(三春町)
 講演:佐々木一男氏「福島県内に生息する野生鳥獣の放射性セシウム濃度について」
    大町仁志氏「放射性セシウムの動きを知り予測する-森林・ダム・河川を中心に」
    大場 真氏「環境に配慮した地域創生研究:福島県新地町、三島町における例」

(2) 2017.7.21 岩手大学理工学部(盛岡市)
 講演:岩渕 明氏「岩手大学の目指す姿」
    越谷 信氏「岩手大学地域防災研究センターのこれまでの取り組み」

(3) 2017.9.22 北海道大学(札幌市)
 講演:増田隆夫氏「化学資源としてのバイオマス利用の可能性」
    金子俊一氏「ロバストな画像パタン計測の実産業応用」

(4) 2017.11.6 山形大学工学部(米沢市)
 講演:小野寺忠司氏「人材育成」
    伊藤浩志氏「高分子・有機材料の成形加工最前線~新規ポリマーブレンド、高熱伝導性樹脂からマルチマテリアル化~」

2)中部支部
 支部長:林良嗣
 中部レクチャーを3回実施し(第4回は予定)、引き続き交流会を実施した。また、EAJ中部通信No.1を発行した。

(1) 2017.7.4 第2回EAJ中部レクチャー
 豊橋技術科学大学 附属図書館マルチプラザ(豊橋市)
 「ミニマルファブリケーションと未来社会」
 講演:原 史朗氏「産業がIndividualになる超小型デバイス生産システムミニマルファブ」
    澤田和明氏「ミニマルファブで作る最先端センシングデバイス」

(2) 2017.10.3 第3回EAJ中部レクチャー
 名古屋大学減災連携研究センター 減災ホール(名古屋市)
 講演:堀 勝氏「プラズマが牽引する医療革命・農業革命・水産革命」

(3) 2018.2. 第4回EAJ中部レクチャー
 中部大学リサーチセンター(春日井市)
 講演:石川憲一氏「金沢工業大学における教育改革~自ら考え行動する技術者の育成~」

3)関西支部(準備)
 関西支部設立を目指し、準備会を4回開催し、関西地区会員の把握と新会員の入会勧誘、地域企業との連携を進め、支部体制の準備検討を進めた。

4)九州支部
 支部長:梶山千里

(1) 2017.8.23 九州大学 稲盛財団記念館(福岡市)
 「社会情報基盤がもたらす光と影」
 講演:谷口倫一郎氏「サイバーフィジカルシステムに基づく社会サービスの構築について」
    岩崎和人氏「産業界におけるサイバーセキュリティの現状と未来」
    安浦寛人氏「社会情報基盤の今後と課題」

(2) 2018.2.9 佐世保工業高等専門学校(佐世保市)
 「身近な情報技術の現状と将来」
 講演:稲永俊介氏「アルゴリズムのチカラ:大規模データ処理からAIまで」
    興 雄司氏「光技術とIT技術を利用したIoTで世界を測る」

4.事務局

 総括責任者:田中秀雄常務理事
 情報伝達・連絡などの支援としてHPの活用が進んできた。新HPになり、アクセス数が従来の100件/月から5,000件/月に増え、定着を見せている。

収支決算

【全体概況】
 従来通り収支計算書に準拠し、全体像をまとめると下表のようになる。


【事業活動収入】
 2017年度収支決算においては、業務受託および正会員、賛助会員の増加があり、事業活動収入は22,984千円の増となった。

【事業活動支出】
 業務受託費、国際活動費、広報出版費、ホームページの拡大等により、当初予算より3,230千円の増となった。

【収支差額】
 以上の結果、事業活動収支は予算対比で19,754千円の増加となり、予備費を支出しなかったことからも、収支差額は20,144千円の大幅増をなった。

【繰越収支差額】
 以上から、次期繰越収支差額は予算対比で20,144千円の改善となり、37,419千円となった。