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公益社団法人 日本工学アカデミー

日本工学アカデミーは、工学・科学技術全般の発展に寄与する目的で設立された産学官の指導的技術者の団体です

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事業報告(2021年度)

本報告では、1章で、定款第4条5事業に関わる活動概要について総括し、これら5事業を担当する日本工学アカデミー組織である委員会、支部それぞれの、法人運営、公益目的事業に係わる活動について2章、3章で詳細に説明する。

1.2021年度の総括

コロナ禍を、デジタル技術活用、「Engineer the Future」早期実現の好機と捉え、ホームページなどを刷新、さらにオンラインで第4回EAJフォーラム、第5回賛助会員ラウンドテーブル、第1回若手リーダー塾、談話サロン、若手人材を対象としたシンポジウム、新入会員ガイダンス、国際工学アカデミー連合、日米先端工学シンポジウム、STSフォーラム サイドイベント、多様性に関するアンケート、支部講演会・オープンセミナー・レクチャーなどを実施するとともに、英訳したポストコロナ検討委員会、科学技術イノベーション2050委員会成果を国連報告書に掲載するなど、定款第4条5事業活動、会員サービス向上、グローバル化を推進した。特記事項として、特別WGを設置し、緊急提言「博士後期課程大学院生に対する支援の強化にあたって」、「ポストコロナ時代に向けた科学技術・イノベーションの在り方」を発信、大臣に手交、意見交換するとともに、会費制度見直しなど活性化策を理事会に提言し、さらに政策共創推進員会による国会議員との意見交換、対話の会、参議院調査部門との共催ワークショップなどを開催し、立法府・アカデミア間の科学技術情報共有をアカデミア側からアプローチした、ことなどが挙げられる。5事業に関する代表的成果は下記の通りである。

(事業1) 創造的革新技術の萌芽の模索、評価等による、先見性・創造性のある基礎研究の推進のための調査研究、提言等に関する事業 

  1. 政策提言委員会:6回の委員会を開催し、デジタル革命時代の日本のモノづくり、人と機械の共生社会の2つのプロジェクトについて検討内容を政策提言書にまとめ、海洋プラスチック研究、インクルーシヴなSTEM研究環境の構築、アフリカとの STI for SDGs における連携プロジェクトなどを推進中。
  2. 科学技術・イノベーション(STI)2050委員会:STSフォーラム サイドイベントを開催し、2050年に達成すべき将来像と必要な技術を実現するための「科学・技術・イノベーション」のロードマップを示した。
  3. 若手委員会:公開シンポジウム「ネクストイノベーターへ伝える起業・創業の魅力」を11月にオンラインで開催し、655名におよぶ多数の参加者に、次世代の若手、科学技術・イノベーション人材育成等に関して、活発な意見交換、幅広く関心を喚起する機会を提供した。

(事業2) 社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する事業 

  1. 政策提言委員会:ポストコロナ検討委員会と連携し「ポストコロナ時代に向けた科学技術・イノベーションの在り方」に関する報告書を取りまとめ、海洋プラスチック、デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方に関するプロジェクトなどを推進中。
  2. STI2050委員会:スマートな都市、快適で強靭な人間居住の実現持続可能で格差のない水・食料・エネルギーアクセス、エビデンスと多様な価値観の許容に基づくガバナンスの実現について報告書を取り纏めた。
  3. 人材育成委員会/企画推進グループ/緊急提言WG:第1回若手リーダー塾を3日にわたりオンラインで開催するとともに、緊急提言WGとして「博士後期課程大学院生に対する支援の強化」緊急提言を企画、取り纏め、発信した(提言は井上信治内閣府特命担当大臣、萩生田光一文部科学大臣に手交し、意見交換を実施)。さらに第5回賛助会員企業ラウンドテーブルで、人材育成の在り方、男女共同参画や若手人材の育成などについて、問題提起および意見交換を行った。

(事業3) 工学及び科学技術に関連する問題についての普及啓発活動に関する事業 

  1. 広報委員会:「カーボンニュートラル」、「2021プロジェクト」の特集号などのEAJ NEWS を4回発行した。
  2. 政策共創推進委員会:国会議員との意見交換、対話の会、参議院調査部門との共催ワークショップ、国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換会などを開催し、さらに「政策共創プラットフォーム」を設置するなど、立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からアプローチした。
  3. ジェンダー委員会:EAJ会員を対象に多様性に関するアンケートを実施、報告書・提言発行、第5回ジェンダーシンポジウムなどを企画した。

(事業4) 工学及び科学技術の分野における国際交流の推進に関する事業 

  1. 国際委員会:国際工学アカデミー連合CAETS、日米先端工学シンポジウムJAFOE、STSフォーラムをオンラインで開催。
  2. 政策共創推進委員会/ポストコロナ委員会:欧州議会技術評価代表者会議で永野委員長が講演するなど政策共創を推進し、英訳したポストコロナ検討委員会報告書を2021年5月国連報告書として掲載した。
  3. STI2050委員会:CAETS SDG作業部会でCOP26 声明作成に寄与するとともに、委員会成果概要を国連報告書に掲載した。
  4. 財務事務強化委員会/政策提言委員会: 各種報告書を英文化し、国際的発信を強化した。

(事業5) その他本法人の目的を達成するために必要な事業 

  1. 社員総会:オンラインで開催し、監査報告、2020年度事業計画の報告、 2020年度収支決算を可決し、2021年度事業計画の報告などを実施した。
  2. 理事会:5回開催し、経営全般、役員分掌、職務執行状況報告2回、会員入会、委員会・プロジェクト設置、委員長・リーダー選任、提言・報告書、支部長会議、ホームページ刷新、フォーラム・シンポジウム、共催・協賛、などの審議、決議を実施した。
  3. 企画運営会議:8回開催し、5事業関連運営事項 (2021年度事業、予算執行、自己職務執行状況確認、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、正会員・客員会員・賛助会員の入会案、緊急提言・報告書、HP刷新、他) などを審議し、理事会に上程した。
  4. 企画推進グループ:組織基盤安定化(デジタル化、オンライン化)、公益目的事業活動 (賀詞交歓会、談話サロン、新入会員ガイダンス、特別WG)などの企画・推進(運営支援)を実施した。
  5. 財務・事務機能強化委員会:累積月次報告を執行部と定期的に共有することで、コロナ禍での財務健全化、追加支出要請への柔軟な対応を行い、円滑な公益活動を支援するとともに、事務業務の平準化と効率化を図った。
  6. 広報委員会:ビッグメニューやアニメーションの採用などにより、より見やすく、より分かりやすいホームページを目指し、大幅なリニューアルを実施した。
  7. 会員強化委員会/会員選考委員会:連携を密に多様な会員増強を実施した。(正会員:年度初814名→年度末834名、客員会員:年度初43名→年度末56名、賛助会員:年度初53社・団体→年度末52社・団体)
  8. 選挙管理委員会:22年度~23年度理事・監事選出に向け、選挙管理委員会を発足し、選挙を実施した
  9. 支部:本部・支部長会議、企画運営会議・理事会で支部活動総合報告(シンポジウム、レクチャー、セミナーなど)などを持ち回りで実施、情報共有、連携強化を図った。
  10. 第4回EAJフォーラムWG:第4回EAJフォーラムをオンラインで開催し、正会員98名、客員2名、非会員17名(マスコミ関係) 等120名の参加があり、活発な意見交換が行われた。
  11. 新常態下でのEAJ活性化WG:会員アクティビティ・メリット向上策、産業界からの会員増員・活性化策、等について4回議論し、会費制度見直しなど活性化策を理事会に提言した。
  12. 新旧企画運営会議メンバー意見交換会:緊急提言を提案できる仕組み、中国・四国支部設立案などについて意見交換を行い、提言を活動活性化に反映した。

2.法人運営に係わる活動

2-1 企画推進活動

1)社員総会 
2021年度はコロナ禍のため、会員が一堂に会する形での総会開催が困難となり、採択については議決権行使を基本とする、第9回(通算第25回)定時社員総会を2021年6月1日(火)に開催した。定款第15 条の規定により小林喜光会長が議長を務めた。議長はWEB会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることを確認して、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要議案の審議に入った。当日在籍正会員 815 名中、 委任状・議決権行使書提出者を含む出席 正会員 476 名が確認され、定款第17条が規定する総正会員の過半数408名に達しており、総会は成立している旨報告があった。引き続き、定款第19条2項が規定する議事録署名人として、議長に加え、議長提案の嘉門雅史理事、中島義和理事が異議なく選出された。議事は下記の通りである。
第1号議案、2020年度(自令和2年4月1日至令和3年3月31日)事業報告について説明があり、出席正会員476名 、賛476名 、否0名、無効0名 により、承認、可決した。続いて、第2号議案2020年度(自令和2年4月1日至令和3年3月31日)収支決算についての説明と、監事を代表して谷口功監事から、業務及び会計が適正に処理されている旨の監査報告があり、出席正会員476名 、賛476名 、否0名、無効0名 により、承認、可決した。最後に報告案件として、2021年度事業計画と収支予算についての報告があり、本年総会はすべての議事を終了して閉会となった。以上の総会議事は議事録にまとめられ、議長及び議事録署名人に署名、押印された (事業1~5)。

2)理事会 
通常理事会を5回(2021年5月13日(木)、2021年6月1日(火)、2021年7月21日(水)、2021年11月16日(火)、2022年2月8日(火))開催し、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項について審議・議決した。役員は下記の通りである。
2021年度の主な議決事項は、賀詞交歓会・分野別交流会での提案で取り纏められた緊急提言「博士後期課程大学院生に対する支援の強化にあたって」、ポストコロナ検討委員会報告「ポストコロナ時代に向けた科学技術・イノベーションの在り方」、2021年度定時社員総会における決議案(2020年度事業報告、収支決算、監査報告)、コロナ禍で変更を迫られた諸事業の対応策、コロナ禍での2021年度事業計画と収支予算、グローバル化・デジタル化対応策、役員分掌、会長候補者推薦、特定費用準備資金、正会員・客員会員・賛助会員の入会、次期理事・監事改選方針/候補者名簿案および選挙管理員会設置、新常態下でのEAJ 活性化策、STS Forum参加方針、委員会委員の選任、支部長会議議案、重要行事企画案、理事会議事録、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、プロジェクトなどの活動報告書、2022年度展望・活動方針・予算案、2022年6月定時社員総会開催要領などである。
主な報告事項は、自己職務執行状況、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、予算執行状況、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告、ホームページ刷新などデジタル化・グローバル化状況、他団体主催行事に対する協賛・後援依頼等である。なお、5月および11月理事会で、会長、副会長、専務理事および常務理事による自己職務執行状況報告がなされた(事業1~5)。

会長: 小林喜光
副会長(会長代理): 嘉門雅史
副会長: 久間和生、原山優子、菱田公一
専務理事: 城石芳博
常務理事: 森本浩一、睦 哲也(常勤)
理事: 天野玲子、石川憲一、江村克己、岡田益男、笠原博徳、神本正行、北村隆行、倉持隆雄、小山珠美、佐伯 浩、坂田東一、平 朝彦、高松 洋、田中敏宏、辻 篤子、辻 佳子、中島義和、橋本正洋、馬場直志、林 秀樹、平尾明子、村上雅人、八重樫 武久、安浦寛人、安永裕幸
監事: 谷口 功、日野光兀

3)企画運営会議 
2021年度内に、8回(2021年4月14日(水)、2021年6月16日(水)、2021年7月14日(水)、2021年9月15日(水)、2021年11月10日(水)、2021年12月14日(火)、2022年2月2日(水)、2022年3月16日(水))開催し、その都度、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項・課題の審議、確認を行った。2021年度の委員は下記の通りである。
主な審議案件は、2021年度事業報告、予算執行状況確認、コロナ禍で変更を迫られた諸事業の対応策案、EAJ活性化・グローバル化・デジタル化対応案、役員分掌案、会長候補者推薦案、次期理事・監事改選方針/候補者名簿案および選挙管理員会設置案、特定費用準備資金案、正会員・客員会員・賛助会員の入会案、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、委員会委員選任案、支部長会議議案、重要行事企画案、理事会議事録案、プロジェクトなどの活動報告書案、2022年度展望・活動方針・予算案、2022年6月定時社員総会開催要領案などである。
また併せて、自己職務執行状況、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、予算執行状況、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告、ホームページ刷新などデジタル化・グローバル化状況、他団体主催行事に対する協賛・後援依頼等の報告事項の確認、新旧企画運営会議メンバーによる意見交換会(緊急提言を提案できる仕組み、中国・四国支部設立案などについて議論)などを実施し、審議案件と併せて理事会に上程した(事業1~5)。

委員長: 小林喜光
委員長代理: 城石芳博
委員: 嘉門雅史、久間和生、原山優子、菱田公一、睦 哲也、森本浩一、中島義和、林 秀樹

4)企画推進グループ 
コロナ禍、さらに役員新体制の2年度目の活動として、以下の通り、(A)法人運営に係る活動では、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会と連携し、組織基盤安定化の企画・推進を支援、(B)公益目的事業に係る活動では、EAJ内の各事業間、産学官の連携強化を促進することで、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの活動の企画・推進を実施した(事業1~5)。

(A)法人運営に係る活動

組織基盤安定化による共創活動の活性化をめざし、以下の活動を行った。

  1. 多様な会員による共創活動活性化をめざし、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会などと連携し、新分野での新規会員・賛助会員などの計画的な増強活動を支援(事業5)。
  2. コロナ禍での活動活性化をめざし、広報委員会と連携し、EAJ運営のデジタル化、オンライン化を支援(事業5)。

(B)公益目的事業に係る活動

EAJ内の各事業間、産学官の連携強化を促進することで、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの以下の活動の企画・推進。

  1. EAJ活性化WGの企画、運営を支援。会員サービス/一体感/充実感の一層の向上、会費改定、謝金・会議費規定改定、賛助会員幹部などで構成される十人委員会設置、戦略的国際対応などで活性化を図る提案を取りまとめ、企画運営会議、理事会に上程 (事業5)。
  2. EAJの更なる活性化に向けた、理事・監事・委員長などの任期の在り方、改選の進め方などに関する提案策定を支援 (事業5)。
  3. 2022年1月賀詞交歓会・分野別交流会の企画、運営を支援、会員の問題意識把握、EAJ事業の活性化に反映 (事業2) (事業5)。
  4. 賀詞交歓会・分野別交流会で提案のあった、「博士後期課程大学院生に対する支援の強化にあたって」の緊急提言WG(リーダ:永野博顧問)などの発足、取り纏め活動、提言の井上信治内閣府特命担当大臣、萩生田光一文部科学大臣手交・意見交換などを支援 (事業2)。
  5. 「未来社会を見据えた科学技術イノベーションと高度工学人材育成」、「女性の科学技術・工学への進出」、「新常態に向けた新たな活動に向けて」、に関するオンライン談話サロンを企画、人材育成委員会、ジェンダー委員会、研究・イノベーション学会 女性エンジニア活生分科会JWSE、政策共創推進委員会、会員強化委員会、財務機能強化委員会と連携し、計3回実施 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
  6. 第2回、第3回新入会員ガイダンスを企画、会員選考員会、会員強化委員会、財務機能強化委員会などと連携して実施、自己紹介・アンケートなどで会員間連携・活性化促進など支援 (事業5)。
  7. コロナ禍で延期となっていた第4回、第5回EAJフォーラム、第1回若手リーダー塾および第4 回EAJ 賛助会員企業ラウンドテーブルなどのEAJ主催活動の企画・推進を支援 (事業2) (事業3) (事業5)。
  8. グローバル活動の強化をめざし、諸資料英文化などを企画、財務機能強化委員会、広報委員会、政策提言員会、事務局などと連携し推進を支援 (事業4)。
  9. 広報委員会と連携し、ホームページ抜本的刷新、会員間連携強化・グローバル化対応の仕組み構築などを支援 (事業3) (事業4) (事業5)。
  10. ジェンダー委員会と連携し、多様性に関する意識調査などを支援 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
リーダー: 城石芳博
委員: 長期ビジョン・事業計画担当:城石芳博
プロジェクト担当:中山智弘、藤田豊久、城石芳博
人材育成担当:橋本正洋
行事企画担当:小田俊理、長瀬公一、大江田 憲治
アドバイザー: 中村道治

2-2 組織基盤増強活動

1)会員選考委員会 
新型コロナ禍の影響の下、2020年度に引き続きメール審議ならびにZOOMによるオンライン会議を実施した。本年度は都合4回のオンライン会議を開催し、会員候補者の入会審査を実施することができた。正会員数は、2021年度当初の814名に対して、候補者推薦の増員に努めたが、年度中にご逝去や退会による会員数の増減で、2021年度末には834名(2022年3月31日現在)となった。国内に活動基盤を持つ外国籍の客員会員は2021年度当初の43名から、56名(2022年3月31日現在)に及んでいる。
EAJ活動の活性化に資するために、正会員の専門分野や所属組織、年齢構成、男女差等の改善等に努めた。

<2021年度の会員推移>

委員長: 嘉門雅史
幹事: 長我部信行、菱田公一
第1分野主査: 岸本喜久雄
 委員: 河原源太、小菅一弘、福山満由美、光石衛
第2分野主査: 臼田誠次郎
 委員: 伊藤順司、北村守、喜連川優、長谷山美紀、横山直樹
第3分野主査: 西嶋昭生
 委員: 佐伯とも子、月橋文孝、堤康央、古原忠、村上秀之
第4分野主査: 道奥康治
 委員: 天野玲子、小泉秀樹、塚原健一、西谷章
第5分野主査: 大久保泰邦
 委員: 坂西欣也、瀬川浩司、本島修
第6分野主査: 桑原裕
 委員: 伊藤聡、小林直人
第7分野主査: 長棟輝行
 委員: 河野美由紀、関実、橋本せつ子、安井正人、養王田正文
第8分野主査: 田辺孝二
 委員: 倉持隆雄、小山珠美、坂田一郎、安永裕幸

2)会員強化委員会 
会員強化委員会は会員選考委員会に連動させた日程で、(通算)第5回:2021年5月27日、第6回:9月14日、第7回:12月28日、第8回:2022年3月9日に開催した。委員会では、個人会員と賛助会員の入会状況と推薦状況の把握にもとづいて、会員発掘と推薦活動の進め方について議論を進めた。なお、論点は、会員の分野や業界の拡大、若手会員・女性会員・企業会員の拡大、会費制度の改善点、会員へのEAJ活動の情報提供の重要性、客員会員のあり方など、会員強化、ダイバーシティ拡大に関する諸課題である。

委員長: 石原直
幹事: 大江田憲治
アドバイザー: 中村道治
委員: 睦哲也、辻佳子、関谷毅、馬場直志、太田光一、田中敏宏、高松洋、藤野陽三、近藤玲子、伊藤裕子、柚原義久、森本浩一、城石芳博

 

3)財務・事務機能強化委員会 
常に新常態継続を念頭に置き、全体の事業活動が円滑に推進される様関係先と連携を図りながら支援を行った。
その基礎として、各委員会・支部単位で予実対比を可視化し、累積月次報告を執行部と定期に共有した。その結果、時間軸を意識したアクション啓発への道筋をつけることが出来た。併せて、全体支出状況を俯瞰しつつ個別事業の戦略性にも着目し、追加支出要請にも可能な範囲で柔軟に応じた。それにより、新常態下においても円滑に公益活動を推進する基盤が組織内に定着することとなった。
収入面においては、個人会費、賛助会費共に予算を達成し、安定した財政基盤を維持することが出来た。また、財務諸表面でも、課題であった流動資産の未収入金の整理やコロナ禍によって計画変更を余儀なくされた特定費用準備資金(二国間連携)の見直しについても関係者間にて緊密な連携を取りながら対応することで、ほぼ所期の目的を達した。
その他、事務局定例や個別打合せを通じ、事業全般に関する実務的な問題点の把握や共有に努め、事務局内チームワークをベースに改善に取り組み、業務の平準化と効率化の実現を心掛け活動を行った。(事業5)

委員長: 睦 哲也
委員: 城石芳博、森本浩一、井上幸太郎
顧問: 中村道治、永野 博

3.公益目的事業に係わる活動

3-1 委員会活動

1)政策提言委員会  
ほぼ隔月で年度内に6回の委員会を開催し、科学技術動向や社会課題などを勘案しながら候補テーマの体系化を図り、EAJが取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討とプロジェクトの探索を行った。
政策提言活動としては、以下2つの政策提言プロジェクト、デジタル革命時代の日本のモノづくり(リーダー:佐々木 直哉、幹事:善本哲夫、古川英光、中谷光男)および人と機械の共生のあり方(PL;萩田紀博、副 PL:淺間 一、PO:橋下隆子、野中洋一)について検討内容を政策提言書にまとめた。
以下、7つのプロジェクトについては政策提言等にまとめるべく、引き続き内容を検討する。海洋プラスチック研究プロジェクト(PL:橋本正洋)、インクルーシヴな STEM 研究環境の構築(PL:牧原 出、副 PL:熊谷 晋一郎、PO:⻑井 寿)、アフリカとの STI for SDGs における連携(PL:米倉 誠一郎、副 PL:安永裕幸、PO:中村道治)、政策提言とその法制化(PL:TBD、PO:⻑井 寿)、デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方(P:遠藤哲郎、PO:中村道治)、5G/6G 時代の AI 利活用戦略(PL:森 健策、副PL:淺間 一、幹事:杉野貴明、PO:城石芳博、中島義和、中村道治、森本浩一)、および理数系人材の確保と育成システムの構築(PL:TBD、PO:中島義和、中村道治、森本浩一)。
また、各支部および他委員会との活動の連携も進めている。科学技術・イノベーション(STI)2050委員会所掌の提言書の査読を担当した。また、九州支部、東北支部、ジェンダー委員会、若手委員会ならびにSTI2050委員会からの推薦を受けて委員会委員の拡充を図った。

担当理事: 菱田公一
委員長: 中島義和
幹事: 長井 寿、永野 博、中村道治、中山智弘
委員: 淺間 一、長谷部 信行、小泉英明、小林信一、佐藤正明、城石芳博、塚原健一、永野智己、原山優子、森本浩一、安浦寛人、安永裕幸
委員会開催日: 2021/4/27, 6/11, 7/12, 9/9, 10/18, 2022/1/21(いずれもオンライン開催)

2)科学技術イノベーション2050委員会 
2019年度の議論を受け、解決すべきテーマや課題を特定するとともに、そのために必要な技術に対し、実現に向けたパスウェイを議論するためのワークショップを開催する。技術が支える社会イノベーションのロードマップならびに、 持続可能な社会を実現するためのアクションプランを作成する。
2020年度内に、10回の全体委員会を開き、8月5日には2019年度に決めた3つの課題に対して国内ワークショップを開いた。また、2020年12月よりロードマップ等の作成作業を加速させるため、3つの課題に対して分科会形式で議論を展開し、12月より毎月1回分科会を開き、合計3回ずつ、各課題の分科会を開いている。
2021年度においては、2020年度に提示した3つの課題の将来像やロードマップをベースとして、国際WSを開催し、国内外の専門家と議論を交わし、日本の考え方を示した。また、賛助会員や政治家に向けたレクチャーの開催を行い、報告書を作成し、啓蒙活動を実施した。さらに、2022年度以降において、常設委員会になることから、将来的に分科会、プロジェクトという階層型委員会として活動できるよう、新しいメンバーの募集を含めた準備を行った。
2021年度の具体的な成果を以下に記す。

[全体委員会]

2021年5月6日Department of economic and social affairs of United NationsのSTIフォーラムにてサイドイベントを開くとともに、ロードマップおよび報告書の作成に向けた議論を行い、定めた3つの課題を中心として、報告書ならびにロードマップを公開した。

課題1: スマートな都市、快適で強靭な人間居住の実現に向けた課題
課題2: 持続可能で格差のない水・食料・エネルギーアクセスの実現
課題3: エビデンスと多様な価値観の許容に基づくガバナンスの実現

〇 STIフォーラム サイドイベント

5月6日の国内ワークショップでは、スマートな都市課題に対して、関連する研究を行っている外部講師も招き、講演を行った後、パネルディスカッションを行った。以下に簡単な講演概要を示す。

冒頭、沖委員長から、本イベントの主催者である日本工学アカデミー「2050年 科学技術・イノベーション(STI2050)委員会」の紹介と、2050年に向けた技術の棚卸しを含めた現状把握に基づき、2050年に達成すべき将来像と必要な技術を実現するための「科学技術・イノベーション」のロードマップを描くというミッションが示された。
そして、COVID-19の流行や気候変動などの地球規模の問題に直面している中で、将来の都市デザインを構想する際に意識すべきいくつかのキーコンセプトやキーテクノロジーを明らかにするという、本イベントのアジェンダと目標を述べた。
最後に、パンデミック、洪水、交通渋滞、通信障害などの様々なアウトブレイクの共通点を明らかにし、リスク管理のための準備の冗長性と効率性のジレンマをどのように妥協するかについてアイデアを交換することで、アウトブレイクのリスク管理に関する新しい学問を開発するという新しいアイデアについて簡単に説明された。

発表者の概要は下記:

Prof. Dr. Daniel Karthe :  
モンゴルのウランバートルでは、急速な都市成長により、インフラ整備が断片的になっている。都市周辺のゲル地区(モンゴルの伝統的なテントや簡素な家に住む人々)における水やエネルギーの供給不足と、特に都市の中心部における交通渋滞の悪化が相まって、環境の質の低下(大気、水、土壌の汚染、生物圏における汚染物質の蓄積)を招いている。このような環境汚染と心身の健康への悪影響を総合的に考慮して、今後のインフラ整備を計画する必要がある。

Prof. Mikiko Ishikawa :  
グリーンインフラは、人類が危機に直面したときに作られました。グリーンインフラは、自然環境の保護、生物多様性の豊かさ、文化的景観の尊重を基本とした、地球環境の持続可能性のための戦略的計画によって作られた社会的共通資本である。したがって、グリーンインフラは、気候変動の緩和・適応政策を適用することで、自然災害から安全な環境を提供し、市民の生活の質を向上させることに貢献する。

Ms. Guzel Ishkineeva :  
日本のスマートシティの取り組みが紹介された。日露関係の背景や、2016年に安倍晋三元首相が提唱した「8項目の協力プラン」に言及しながら、ロシアの2都市でのスマートシティプロジェクトの実施について議論した。特に、ヴォロネジとウラジオストクにおけるスマート交通信号システム「ARTEMIS」の導入効率、ロシアの都市や都市インフラのニーズ、現代のロシアの都市が抱える問題、日本のスマートシティソリューションの実現可能性などが紹介された。

Prof. Yoshikazu Nakajima :
マルチAIシステムは、人間の快適性と適切な生活水準を確保することで、感染リスクを最小限に抑えることができる。このシステムには、a)スマートフォンの個体座標を検出する技術、b)バイタルデータから自分の心身の状態を推定する技術、c)IoT技術を用いて日常の表情から快適性を推定する技術が含まれる。このマルチモーダルAIの開発には多くの課題もあるが、都市部の多様な入力データを連携させるマルチモーダルAIの開発にこそ、未来の都市システムを実現する鍵があると考えている。

最後に、以下のメッセージとアイデアが共有された。

  • グリーンインフラは新しい概念と思われることもあるが、都市設計においては何千年もの長い歴史を持っている。
  • グリーンインフラはエコシステムサービスの最大化を目的とする。
  • スマートシティを導入する目的や動機はさまざまであるが、最終的な目標は、最新の情報通信技術によって、エネルギー消費や廃棄物などの環境負荷を低減し、交通渋滞や大気汚染、不本意な労働などの苦痛から人々を解放することで、幸福度を向上させることである。
  • 技術的な解決策は、特定の環境に適したものでなければならない。発展途上国では、ハイテクによる解決策は、コストを削減し、効率を高める可能性がありますが、それを適切に運用し、維持し、廃棄する現地の能力を超える可能性もある。
  • 技術やインフラの進歩と社会経済の発展は、相互に影響し合い、地域発展の好循環を生み出し、維持することができる。
  • 未来の都市デザインを考える際には、未来の都市が、どのように誰も取り残さず、社会の持続可能性の発展をサポートするかを考慮する必要がある。

〇 国内講演会ならびに報告書の公開

2021年8月23日に政策共創推進委員会のイベントとして参議院にてSTI2050委員会としての勉強会を実施、2021年12月17日に報告書の披露を目的として、STI2050委員会が主催の公開シンポジウムを実施した。また、報告書ならびにロードマップに関して公開した。

委員長: 沖大幹
委員: 有川太郎(幹事)、*亀井未穂(幹事)、*平川祥子(幹事)、有本建男、江藤 学、大江田 憲治、*大竹暁、日下晴彦、倉持隆雄、小泉英明、*小林孝明、城石芳博、杉山郁夫、中島義和、永野博、藤野陽三、*森尚樹、*安岡善文、安永裕幸、中村道治
(*非会員)

3)国際委員会 
引き続きCOVID-19の影響を受ける中、国際委員会の三原則に基づき活動を展開した。個別事業毎に定められた委員長・実行委員長のもと、活動を展開した。具体的には、下記の個別事業を広範なEAJ会員のご協力の下に推進した。

【アカデミー間連携】

  1. 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
    2021年は、アルゼンチンの工学アカデミー(The National Academy of Engineering of Argentina)が主催。コロナ禍において、「Engineering a Better World – The Future of Energy」と題して、9月21~24日にオンラインで年次総会を開催。31の工学アカデミーから約500人が参加。EAJからは、小泉英明顧問(CAETS理事)、原山優子副会長(国際委員長)、森本浩一常務理事(CAETS実行委員長)が参加した。
    再生可能エネルギーの技術セッション3において、東京大学の山田教授及び杉山教授が講演。また、CAETS Engineering for SDGs Working Groupにおいて、沖 大幹STI2050委員会委員長が講演。
    理事会では、アカデミー活動の戦略が議論され、今後のCAETS総会について、2022: Paris, France – 2023:Zagreb、2024:Helsinki開催が了承された。
  2. 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA-RTM実行委員会
    2021年の東アジア工学アカデミー円卓会議・シンポジウムは2021年10月24日にMEMS技術をテーマとして、CAEの担当により開催された。CAEとNAEKはそれぞれの会場に集まって、EAJからは完全オンラインのいわゆるハイブリッド方式で実施された。日本からは京都大学土屋先生、産総研竹下様、九州大学野上先生の3名に話題提供をお願いした。
    2022年開催のEA-RTMについては、2021年11月、2022年2月と2回の準備委員会を遠隔にて開催し、九州支部、九州大学との共催とするものと、九州大学を会場として“防災・減災技術”をトピックとして11月10日に行うことに決定した。
  3. 欧州交流委員会
    2021年4月29日に開催された欧州議会テクノロジーアセスメント関係所長会議(European Parliamentary Technology Assessment, Directors’ Meeting)において、“How to link the Parliament and Academia”と題して、EAJの実施している国会議員との政策対話の活動状況を報告し、意見交換を行った。

【国際人材育成】

  1. 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
    2021年6月24日~26日、朝6:00~10:00の時間帯で日米先端工学シンポジウムをオンライン開催した。但し日本側はコアメンバー数名がKKR東京に集まるハイブリッドの形をとった。本会議の後、日本側では独自に11:00~13:00位までオンラインで追加の勉強会を行い、会議の理解、相互交流を深める場とした。また、2022年1月14日にハイブリッドで工学アカデミーメンバーを対象にしたJAFOE報告会を開催した。
    次回は2023年7月18日~20日、所千晴運営委員長のもと都内で開催する予定である。
  2. 日豪次世代リーダー育成:ERLEP実行委員会
    ERLEP Trans-disciplinary Forumは2021年度に開催することを目指していたが、豪州側の国際担当が新陣容となったこともあり、討論テーマの選定など企画の具体化に遅れが生じていた。2022年3月11日に再度、双方の事務局・幹事間でリモート会議を行い、2022年末の開催を目指して企画を進めることとした。

【その他】

  1. 工学アカデミー会長会議(AEPM)
    2021年10月1日、STSフォーラム年次総会の枠内でAEPMをオンラインで開催。8カ国の工学アカデミー会長等が参加(原山副会長がFacilitatorを務める)。
    冒頭、小林会長から、開会挨拶(録画収録)。国際情勢が急速に変化している中で、科学技術コミュニティが直面している課題、とりわけ新型コロナウイルスの感染拡大により、科学技術・イノベーション政策に大きな影響が及ぼされ、世界の経済社会情勢が変容している状況について、意見交換。各国から、現状認識と将来展望についてプレゼンテーションを行い、意見交換を行った。
委員長: 原山優子
担当理事: 中島義和(情報)、辻篤子(広報)
委員: <個別委員会>森本浩一(CAETS、AEPM)、三島望(EA-RTM)、永野博(欧州)、村上秀之・古川英光(JAFOE)、長井寿・大橋俊朗(ERLEP)
<会員>金谷一朗、伊藤一秀、杉山正和、中島義和
顧問: 小泉英明(栄誉フェロー)、岸輝雄、中村道治

4)人材育成委員会 
産学官の連携による総合的な視野と中長期的な視点をもって戦略的に工学人材を育成すべく、以下の活動などを実施した。

  1. 2020年度に企画し、コロナ禍で延期となっていた「第1回若手リーダー塾」を、2021年4月8日、15日、22日の3日間オンラインで開催した。テーマは「デジタル化社会をどのようにデザインしリードしていくか」で、参加者は産官学の若手研究者・技術者等44名にのぼり、うち、3日間の日程をすべて修了した42名には修了認定書を発行した。EAJならではの講師陣から示唆に富んだご講演を頂くとともに、短い時間ながらも充実した討議ができ、産・学・官の多様な分野・立場の若手リーダーが、各界のトップを交え、「急速な変革の渦中にあって、未来社会をどうデザインしていくか」 について議論を行い、自ら考え、今後のグローカルな行動の規範を構築する場を提供できた。現在、同窓会の開催、また対面での第2回EAJ若手リーダー塾の開催を検討中である。
  2. 「人材育成」をテーマとし、2021年7月30日に開催され、16社の賛助会員企業など37名の参加を頂いた第5回賛助会員企業ラウンドテーブルにおいて、「未来社会を見据えた科学技術イノベーションと高度工学系人材の育成」プロジェクトの概要を紹介、続く「人材育成」をテーマとしたパネルディスカッションでは、人材育成の在り方、男女共同参画や若手人材の育成などについて、深い問題提起および意見交換を行った。
委員長: 橋本正洋
幹事: 城石芳博、横山直樹、中島義和、岸本喜久雄、石原直、金谷一朗、村上秀之、小林信一、松見芳男、*島田昌、中村道治
委員: 瀬戸口剛、長坂徹也、染谷隆夫、水谷法美、大嶋正裕、馬場口 登、狩野裕、久枝良雄、*小豆畑茂、大江田憲治、榊原裕二、坂田東一、安永裕幸、犬塚隆志、上野晴樹、高山誠
(*非会員)

5)若手委員会 
急速に進展するデジタルトランスフォーメーション、ポストコロナ・ウィズコロナ時代における社会及びこれからの工学の在り方について、多方面と連携し、若手目線から議論を深めてきた。本委員会メンバーよりさらなる若手世代(10-30歳代)への環境整備を重視し、その実現へ向けた検討を進めた。特に今年度は、Webinarによる公開シンポジウム「ネクストイノベーターへ伝える起業・創業の魅力」を開催した。シンポジウムでは、イノベーションを実践している気鋭の起業家・工学者8名の登壇を得て、二日間にわたるオンライン・ライブ配信の形式で開催した。研究開発成果の社会・経済的付加価値化や、起業・創業経験、次世代人材への期待と希望を語るイベントとして、655名におよぶ多数の参加があり、次世代の若手・科学技術・イノベーション人材育成等に関して活発な議論とともに幅広く関心を喚起する機会となった。
2022年度は、上記シンポジウムの内容や参加者アンケート結果からの抽出を報告書に取りまとめ、産学へ広くメッセージとして発信するものとして公開する。また、わが国におけるイノベーション・エコシステム形成をさらに喚起すべく、関連の公開セミナーを企画開催する。

委員長: 関谷毅
副委員長: 永野智己
委員: 伊藤一秀、川原圭博、*永谷圭、古川英光、松尾豊、*保田淑子、*竹内雄一郞、*松塚貴英、*成瀬彰
(*非会員)

6)ジェンダー委員会 
委員会体制を委員13名、アドバイザー14名、学生委員5名と強化し、日本の工学活性化のために女性参画による効果についてエビデンスベースで議論し、その改善策を提案・実施するための議論を行った。具体的には、(1)EAJ会員を対象とする「多様性に関するアンケート」を企画し、EAJの意義、イノベーションに必要なもの等の項目に対してアンケートを実施し、解析結果を報告書としてまとめ公開(2/8)、(2)アンケート報告書を元に、EAJ内組織の長(支部長・委員会委員長)との意見交換会を実施した(3/23)。また、(3)九州大学との共催で第5回EAJジェンダーシンポジウム「イノベーションと多様性」を計画し、5月6日にオンラインにて開催する。

委員長: 渡辺美代子
副委員長: 城石芳博、辻佳子
幹事: 森田純恵
委員: 大倉典子、川村みどり、玉田薫、陳迎、鳥居塚 崇、中島義和、中村淳、行木陽子、平尾明子、森田純恵
アドバイザー: 阿尻雅文、天野玲子、石原、伊藤一秀、大野英男、大橋俊朗、小宮山宏、長井寿、長坂徹也、中西友子、永野博、原山優子、丸山一平、森勇介
学生委員: 秋山茉莉子、堀内榛香、峯村梓、依田みなみ、Jin Yi

7)広報委員会 

  • ネット配信を行っているEAJの季刊誌 「EAJ NEWS」 の発行を行った。4回の内2回は、「カーボンニュートラル」と「2021プロジェクト」の特集号とした。
  • ホームページについて、ビッグメニューやアニメーションの採用などにより、より見やすく、より分かりやすいホームページを目指し、大幅なリニューアルを行った。
  • 3か月に1回の頻度で広報委員会を開催し、一般向け、会員向け広報活動の活性化に向け活発な議論を行った。
委員長: 林秀樹
副委員長: 大江田憲治
委員: 内田麻理香、岡田益男、小野由理、城石芳博、菅博明、高原淳、田中敏宏、辻篤子、辻佳子、原邦彦、安永裕幸

8)政策共創推進委員会 
わが国におけるミッシングリンクである立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からのアプローチによって少しでも現実化することにより、日本の政策立案が、ますます複雑化しつつある社会の問題により適切に対処でき、国民からも信頼されるものとなることに寄与するため、2021年度は、2020年11月13日理事会で承認された活動方針に基づき、①国会議員との意見交換、対話の会(第3回2021.06.23)、②参議院調査部門との共催ワークショップ(第2回2021.08.23)、③国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換(第2回 2021.08.18)を開催した。また、④若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの実施要領を定めた。それに基づき3名の候補者を選定し、このうち1名がインタビューを実施した(2022.01.13)。委員会は、第3回(2021.05.28)を開催し、これらの計画案の審議、実施結果の情報共有、総合的な意見交換などを行った。これらの実施結果などについては、ニュースレターやHPで順次公表している。活動に対する注目が高まり、講演依頼、マスメディア取材、インタビューなどを受けている。
また、新たに「政策共創プラットフォーム」を設置(2021.7.21理事会)し、科学技術に関係する横断的な活動を行っている組織(学協会、民間団体等)の事業に主導的に携わっている個人を委員に迎え、活動を開始した(第1回 2021.12.2)。
米国におけるアカデミー、科学助言システム、米国科学振興協会の実施する議会フェローシップ制度の運用状況などについて、米国での現地調査を計画したが、新コロナ禍で実施できなかった。

委員長: 永野博
副委員長: 長井寿
委員: 今村努、江村克己、大倉典子、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、城石芳博、関谷 毅、高木真人、辻篤子、坪井裕、中島義和、細野光章、牧原出、*松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)、睦哲也、森本浩一、安永裕幸
アドバイザー: *角南篤(政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、*城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター長)
(*非会員)

3-2 支部活動

1)支部長会議 
9月17日第4回支部長会議をオンライン形式にて開催した。各支部長及び支部幹部、会長代理、副会長、専務理事、常務理事、陪席を含め、23名の参加を得た。
各支部の活動報告に加え、支部間、本部委員会支部間の更なる連携及び共創に向けて活発な意見交換がなされた。それにより、支部からの政策提言委員会への参画や国際委員会活動の具体化(EA-RTM)等につながった。また、各支部の特徴的な活動の共有は、全体の活性化への啓発となった。

2)北海道 
39名(正38、客1)/本年度入会4名

  • 2021年04月26日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『超臨界水が誘起する新たな反応・モノづくりの世界』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2021年06月09日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『次世代モビリティ実証実験からの未来地域まちづくりモデル』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2021年07月28日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『コンピュータ化学が産業に巻き起こす新たな潮流』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2021年09月15日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『ギリシャ経済危機の教訓と東北』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2021年11月19日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『未来の産業を担う三次元積層半導体(3D-IC)の現況と今後の展開』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2022年01月7~15日 支部理事会(メール審議)を開催。
  • 2022年02月08日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『エナジー・ハーベスタが拓く超小型無給電センサネットワークの世界』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 2022年03月17日 東北支部セミナー『再生可能エネルギーが拓くカーボンニュートラルな未来社会とはー水素エネルギー利用の新たな展開ー』を共催で開催。
  • 2022年03月23日 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナー
    『進化するロボット・AI技術が切り拓く未来社会とは』を東北支部とともに協賛で開催。
  • 北海道支部便りを年度内に電子メールにて10回発送した。
支部長: 佐伯浩
副支部長: 岸浪建史、鈴木聡一郎、瀬戸口剛
専務理事: 馬場直志

3)東北支部 
107名(正101、客6) /2021年12月15日以降入会3名、1名退会

  • 2021年8月3日 支部理事会 (於)メール審議
  • 東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)
    「未来科学オープンセミナー」協賛 (於)東北大学 下記の7回
    2021年:4月26日、6月9日、7月28日、9月15日、11月19日、
    2022年:2月8日、3月23日
  • 2022年3 月17 日 支部理事会 (於)オンライン会議
    東北支部講演会主催(於)オンライン講演会:「再生可能エネルギーが拓くカーボンニュートラルな未来社会とはー水素エネルギー利用の新たな展開ー」
  • ホームページのリニューアル依頼中
支部長: 神本正行
副支部長: 猪岡光
専務理事: 岡田益男

4)中部支部 
74名(正71、客3) /2021年度入会1名(正1)

以下の2回のEAJ中部レクチャーを実施。
  • 「知の巨人が縦横無尽に語り尽くす ロボットの明日、日本の未来」(11月6日 名城大学・福田敏男教授,富山県立大学・下山 勲学長)
  • 「脱炭素社会実現を加速する次世代太陽電池への期待」(3月18日 名古屋大学・宇佐美 徳隆教授)

これら2回のEAJ中部レクチャーを通じて非会員の出席も得ながら工学分野の社会一般への周知に努めた。昨年度に引き続き、コロナ禍の関係でオンラインでの開催としたが、関西支部の協賛も得ながら支部を超えて参加いただくことができ、今後もオンラインも併用したハイブリッド開催も検討したい。さらに、複数の講演会の後援・協賛も行った。また、中部レクチャーの開催日には、中部支部運営委員会を開催し、支部活動の活性化などの議論も継続的に行っている。特に、昨年度立ち上げた企画推進部会を中心に井戸端会議を3回実施し、現状での課題などのフリーディスカッションを行って、その場での議論を今後の支部活動に活かすべく活動を継続している。さらにEAJ中部通信を発刊し、支部会員に活動内容の発信にも努めており今年度は3回発刊した。

支部長: 林良嗣
副支部長: 原邦彦、岩井善郎、太田光一
専務理事: 水谷法美

5)関西支部 
112名(正106、客6)/2021年度入会8名(正6、客2)

運営委員会を以下のように3回開催した。
  • 2021年7月16日、11月19日(メール審議)、2022年3月11日
講演会を以下のように2回開催した。
  • 7月16日:日本工学アカデミー関西支部 第6回 講演会
    「未来の工学教育の在り方~ポストコロナ時代を迎えて~」オンライン講演会(発信拠点・神戸大学大学院工学研究科)
  • 3月14日:日本工学アカデミー関西支部2021年度下半期講演会
    「SDGs:関西から持続可能な社会を工学する」オンライン講演会(発信拠点・大阪大学)
支部長: 田中敏宏
委員: 尾上孝雄、大村直人、嘉門雅史、和田成生、河原克己、石田明、堤和彦、石出孝、小田一郎
委員(幹事): 椹木哲夫、馬場口登、小池淳司

6)九州支部 
45名(正41、客4) /2021年度入会5名(正3、客2)

以下のように講演会を2回主催した。
  • 2021年11月5日:2021年度EAJ九州支部講演会(オンライン開催)
    講師:矢部彰 氏、辻健 氏
  • 2022年1月19日:高等専門学校出張講演会「ICT・AI技術の現状と将来の展望」
    (久留米工業高等専門学校1・2年生を対象とした遠隔講義形式)
    講師:米良恵介 氏、井上昂治 氏
以下のように共催・後援シンポジウム等を3回開催した。
  • 九州工学教育協会との共催シンポジウム(オンライン開催)
    – 2021年7月13日 第11回 九州工学教育協会シンポジウム
    「コロナで変わった教育・仕事・事業 ~アクティブラーニングへの契機~」
    – 2022年2月1日 第12回 九州工学教育協会シンポジウム
    「企業連携教育とDX」
  • インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラムとの後援イベント(福岡国際会議場及びオンライン配信)
    – 2021年10月26日 第5回ピッチイベント
    「インフラDXが創り出す安全・安心・豊かな未来社会」
支部長: 山田淳
副支部長: 髙松洋、谷口功、日野伸一
ほか、理事及び名誉理事、名誉顧問

7)その他
その他の地域においても、地区講演会の開催などを通じて、地域の活性化の基盤と会員の増強に努める。なお、引き続き会員ゼロの県をなくす努力を継続する。

組織・運営

組織図2021

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