第15回 通常総会における会長挨拶

 2011年度は、東日本大震災が当会の活動にも深く影響を与えました。
 春から夏の期間に予定していたイベントが悉く秋以降に延期される中、日米先端工学(JAFOE)シンポジウムを当初計画どおり6月
に開催できたのは、悲愴の中の光明でした。また理事会の下に原発事故・エネルギー問題検討会を設置し報告書をまとめ公開シンポジウムにて広く議論を深めることもできました。
 秋以降はイベントの開催が増え、当会でも談話サロンや公開シンポジウムを多く開催することができました。特に9月には九州支部設立記念式典を福岡市で開催し、当会初の支部設立を祝いました。今後も順次、北海道・東北地区、関西地区、中部地区での支部設立を進めて参ります。
 国際交流の面ではJAFOEに加えて、日豪若手研究者交流促進事業(ERLEP)が第二ラウンドに進み、2月末に新たに第二期8名の研究者を豪州に2週間派遣いたしました。JAFOEでは日米各30名(総勢60名)が二日半の合宿で4テーマを全体で討議する形式ですが、 ERLEPでは日豪各8名がそれぞれ相手国の関連する研究機関や大学を2週間で巡り研究連携のパートナー探しをする取り組みです。さらには日韓では大学生のインターンシップ交換を進めています。それぞれ形式が異なりますが、共通するのは「若手研究者・技術者」の交流である点です。当会では、これらに参加する若手の集まるYoung Academyの創設を支援いたします。
 2011年度は、管理事務費の削減もあり単年度での赤字体質から脱却しました。今後はより実践的なテーマを展開し、プラチナ構想ネットワークなど関係先との連携を強めて参ります。
 2012年度は、公益法人化を目指して定款の変更など、当会の在り方にまで遡った議論を踏まえ、新しい組織に生まれ変わりたいと思います。また9月には福岡市で東アジア工学アカデミー円卓会議(EA-RTM)を主催いたします。全国からのご支援をよろしくお願い申し上げます。

2012年 5月17日

(社)日本工学アカデミー 会長

小宮山 宏