
本事業報告では、1.で、定款第4条の5事業に関わる活動概要について総括し、これら5事業を担当する公益社団法人日本工学アカデミー(以下、「EAJ」という。)の組織(事業報告最終ページに記載)それぞれに、2.で法人運営に係わる活動に関し企画推進活動、組織基盤増強活動等について、3.で公益目的事業に係わる活動に関し委員会活動及び支部活動について、詳細に報告する。
1.2025年度の総括
2025年度は、厳しい予算事情の下で、本部、委員会、支部が効率的な事業運営に努めた。定款第4条の5事業活動に関する、これら代表的な成果は下記の通りである。
(事業1) 創造的革新技術の萌芽の模索、評価等による、先見性・創造性のある基礎研究の推進のための調査研究、提言等に関する事業
- 政策提言委員会:先見性・創造性のある基礎研究の推進のための、「来たるべき未来の工学倫理と工学教育に関する調査研究」(新技術振興渡辺記念会調査研究受託)報告書発行、「女性エンジニアの現状とこれからに関する調査研究」および「「地球」と「次世代」を当事者とする工学倫理教育の方法論の構築に関する調査研究」(いずれも新技術振興渡辺記念会調査研究受託)推進中。
- 科学技術・イノベーション2050委員会/研究力強化委員会:科学技術によって実現される「〇〇からの自由・解放」観点でのロードマップ策定、観念創造型研究など4類型での国際研究力強化について深耕中。
- 若手委員会:第2回若手リーダー塾-フューチャーリーダーズフォーラム”未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座”‐を開催、報告書/提言を公開。
(事業2) 社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する事業
- 政策提言委員会:政策提言委員会プロジェクトシンポジウム~Women into Engineering~「女性エンジニアの現状とこれから」(新技術振興渡辺記念会調査研究受託)、「社会、産業、人々の生活の変容を支える電力システムの在り方」(略称:EAJ電力プロジェクト中間シンポジウム」など開催。
- 国際委員会:「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」(略称:STSフォーラム)年次総会に併せてEAJが主導し、「科学・政策・社会をつなぐ政策対話の強化」に関して工学アカデミー会長会議(AEPM)で趣旨説明、基調講演「政策対話」、意見交換を実施、継続情報共有中
- 賛助会員企業ラウンドテーブル実行委員会:「生成AIをはじめとしたAIによる社会変容とリスクマネジメント」をテーマに第9回賛助会員企業ラウンドテーブル開催。
(事業3) 工学及び科学技術に関連する問題についての普及啓発活動に関する事業
- 広報委員会:EAJ NEWS 4回発行、メールマガジン発行、パンフレット2025作成、会員の声(新入会員の近況)、著作権規程等について取り纏めた。
- 政策共創推進委員会:「政治家と科学者との対話の会」第11回(社会課題解決に向けたアカデミアの取組についての討論による政策共創)、第12回(工学と女性-日本工学アカデミーでの検討と提言)開催。
- ジェンダー委員会:安西会長との意見交換会、第9回EAJジェンダーシンポジウム 「地元(ふるさと)を起点とした理工系女性の多様な道」など実施。
(事業4) 工学及び科学技術の分野における国際交流の推進に関する事業
- 国際委員会:工学アカデミー会長会議(AEPM)主催、東アジア工学アカデミー円卓会議(EA-RTM)開催、日独先端工学シンポジウム(JAGFOE)開催。国際工学アカデミー連合(CAETS)、日米先端工学シンポジウム(JAFOE)参加。
- 政策提言委員会など: 国際会議The 11th International Symposium (DFGI-11) @ Trinity College of Dublin協賛。
- 国際委員会関連/支部など:CAETS Energy Community Sequel Report貢献、第5回NARO食と健康の国際シンポジウム後援。
(事業5) その他本法人の目的を達成するために必要な事業
(公益事業)
- 国際委員会/事務局など:日米先端工学シンポジウム(JAFOE)、日独先端工学プログラム(JAGFOE)で寄附金を募集し、事業活動を支援。
- 企画推進グループ/会員強化委員会など:第201回/200回談話サロン・第11回/10回新入会員ガイダンス実施。
- 支部:全国規模・共創でのフォーラム、シンポジウム等実施、岡山大学での東アジア工学アカデミー円卓会議(EA-RTM)開催支援(中国・四国支部設立準備関連)。
(法人事業)
- 企画運営会議/企画推進グループ/事務局など:社員総会、EAJフォーラム、賀詞交歓会対面開催、理事が選ぶ事業貢献表彰実施。
- 理事会:5回開催、職務執行状況報告2回実施、理事・監事候補、2026年事業計画・収支予算、一般寄附金案内、内規制定・改定などを議決、一般寄附金120万円に繋がった。
- 企画運営会議:8回開催し、月次報告の徹底、持続可能で円滑な公益重要行事企画案作成、2026年度事業計画、2026年度/2027年度収支予算案などを作成、理事会に上程。
- 企画推進グループ:政策提言委員会、研究力強化委員会などの公益目的事業支援、賀詞交歓会、事業貢献表彰等の企画推進支援。
- 会員強化委員会/会員選考委員会:正会員:会員選考委員会4回開催、正会員27名入会、客員会員:会員選考委員会1回開催、2026年4月から6名入会、賛助会員:2025年度初48社・団体→2026年度初38社・団体。
- 理事会・企画運営会議・支部長会議:エンゲージメント向上策、財務状況改善策、本部・委員会・支部連携強化策などについて意見交換、2026年度予算に反映。
- 会長・副会長懇談会:2026年度、2027年度財務状況改善に向け、支出減・収入増策等について審議。
- EAJフォーラム実行委員会:EAJフォーラム2025「米国の大学周りの研究開発力」を企画、開催。
- 内規アップデート等検討ワーキンググループ:委員会等に関する内規、会員選考委員会規程に基づく推薦要領、寄附金取扱規程等の改定等を実施。
2.法人運営に係わる活動
個人会員・賛助会員の拡充、多様化によるEAJ価値創生基盤の一層の強化を図り、定款第4条に定める5事業において、2025年度事業計画に基づき、計画的に法人運営に関わる下記の企画推進、組織基盤増強、事務局活動を円滑かつ効果的に推進した。
2-1 企画推進活動
1)社員総会
2025年6月5日第13回(通算第29回)定時社員総会を、東京ガーデンパレスを拠点にウェビナー会議方式で開催した。なお今回の総会でも、事前の議決権行使の電磁化投票を基本として進め、アドレス登録のない会員については、従来通り書面による議決権行使とした。また総会の様子は当日ウェビナーにて配信し会員の皆様にご視聴いただいた。
定款第15条1項の規定により安西祐一郎会長が議長を務めた。議長はWEB会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることを確認して議案の審議に入った。当日在籍正会員802名中、事前の議決権行使をされた正会員数が554名(電磁的行使449名、書面による行使105名)、事前の議決権を行使せず当日出席した正会員数が2名であり、事務局より総会は成立している旨の報告があり、議事録署名人として、議長に加え、議長提案の岸本喜久雄理事、城石芳博理事、川合眞紀理事が選出された。議事は下記の通りである。
業務及び会計は適正に処理されている旨の独立監査人監査結果の報告のあと辻 篤子監事より、業務及び会計は適正に処理されており、数多くの活動に精力的に取り組んでいること、この活動を持続的なものとすべく長期的な財政基盤の安定化の検討が必要な旨の監査報告があった。続いて、城石芳博専務理事から第1号議案、第2号議案、第3号議案に基づき、議案毎に説明があり、それぞれの議案書の説明の後に議案書に対する議決権行使の集計結果の報告、議案書の採決の順で、議案書の審議が進められ、いずれも承認可決された。最後に、城石芳博専務理事から、社員総会議案書に基づき、2025年度事業計画及び収支予算の報告があり、すべての議事を終了して、閉会となった (事業1〜5)。
なお、総会に併せ、理事が選ぶ事業貢献表彰、カーネギーメロン大学創始者記念全学教授 金出武雄氏から基調講演をいただいた「米国の大学周りの研究開発力」に関するEAJフォーラム2025 (現地で31名、ウェビナーで36名参加)を実施した (事業1〜5)。
2)理事会
通常理事会を5回(2025年5月15日、6月5日、8月21日、11月13日、2026年2月12日)開催し、企画運営会議からの提議を受け、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる重要事項について審議・議決した (事業1〜5)。
2025年度の主な議決事項は、2025年度定時社員総会における決議案(2024年度事業報告・収支報告、監査報告、理事・監事の選任)及び報告案(2025年度事業計画と収支予算)、会長による役員確認・指名・指示、理事・監事候補者案、2026年度選挙管理委員会の設置、エンゲージメント向上・財務基盤強化策、一般寄附金趣意書・募集掲載、新技術振興渡辺記念会調査研究への応募/報告書、正会員・客員会員の入会・休会、委員会委員長・委員などの選任、支部長会議議事、重要行事企画、理事会議事、委員会等に関する内規/会員選考委員会規程に基づく推薦要領/理事及び監事候補者投票内規などの改定、プロジェクトなどの活動報告書、予備投票の実施、2026年度事業計画・収支予算、2026年6月定時社員総会開催要領、理事会等主要行事日程、などである (事業1〜5)。
主な報告事項は、個人会員の退会・逝去、賛助会員状況、会費納入状況、月次予算執行状況、収支見通しなどの報告、EAJフォーラム/若手リーダー塾/事業貢献表彰などのEAJ主催事業報告、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、他団体主催行事に対する協賛・後援・協力依頼などである。なお、2025年5月15日および11月13日の理事会において、会長、副会長、専務理事および常務理事による自己職務執行状況報告が行われた (事業1〜5)。
| 会長: | 安西祐一郎 | |
| 副会長(会長代理): | 岸本喜久雄 | |
| 副会長: | 五十嵐仁一、大島まり、川合眞紀 | |
| 専務理事: | 城石芳博 (常勤) | |
| 常務理事: | 坪井裕、林 秀樹 (常勤) | |
| 理事: | 淺間一、伊藤みほ、岩井善郎、大村直人、沖大幹、川合知二、神崎亮平、楠見晴重、小林信一、塩満典子、関谷毅、瀬戸口剛、田口康、田中真美、谷明人、塚原健一、長坂徹也、中山智弘、行木陽子、久枝良雄、増田隆夫、渡邉政嘉 | |
| 監事: | 辻篤子、亀井信一 |
3)企画運営会議
2025年度内に、8回(2025年4月24日、6月26日、8月7日、9月25日、10月30日、12月18日、2026年2月5日、3月19日)開催し、その都度、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる重要事項・課題の審議、確認を行い、理事会議決・報告案件とした (事業1〜5)。
主な審議案件は、正会員・客員会員入会案、休会案、エンゲージメント向上・財務基盤強化活動案、定時社員総会・理事会・会長・副会長懇談会・支部長会議、および、事業貢献表彰・EAJフォーラム・賀詞交歓会・賛助会員企業ラウンドテーブル・新入会員ガイダンス・談話サロン・ジェンダーシンポジウム・政策提言プロジェクト・EAJパンフレット2025などの重要事業・行事の企画・議事案、2026年度選挙管理委員会の設置案、新技術振興渡辺記念会などの受託調査研究の提案・報告案、一般寄附金趣意書・募集書案、委員会委員長・委員の交代・追加案、理事会等主要行事日程案、委員会等に関する内規/会員選考委員会規程に基づく推薦要領/理事及び監事候補者投票内規などの改定案、支部担当理事の指名案、予備投票の実施案、2025年度事業報告・収支決算案、2026年度事業計画・収支予算案、共催依頼案、などである (事業1〜5)。
また併せて、会長・副会長・専務理事及び常務理事の自己職務執行状況報告案、個人会員の退会・逝去、会費納入状況、月次予算執行状況、収支見通し、賛助会員状況などの報告、EAJ主催事業/委員会/実行委員会/グループ/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、独立監査人監査・監事監査報告、協賛・後援・協力依頼等の名義使用の確認などを実施し、審議案件と併せて理事会に提議した (事業1〜5)。
なお2025年10月9日に会長・副会長懇談会を開催し2025年財務状況、見通しと財務状況改善対策の現状、2026年度事業計画・予算策定方針(案)と予算案(例)などについて意見交換を行い、2026年度事業計画・収支予算案に反映した (事業1〜5)。
| 委員長: | 安西祐一郎 | |
| 委員長代理: | 城石芳博 | |
| 委員: | 岸本喜久雄、五十嵐仁一、川合眞紀、大島まり、坪井裕、林秀樹、倉持隆雄、原山優子、安永裕幸、中山智弘 |
- 企画推進グループ
2025年度は、(A)法人運営に係る活動では、会員強化委員会、広報委員会などと連携した組織基盤安定化の企画・推進の支援活動を、(B)公益目的事業に係る活動では、個人会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの活動の企画・推進を実施した (事業1〜5)。(A)法人運営に係る活動組織基盤安定化による共創活動の一層の活性化をめざし、以下の活動を行った。
- 事業貢献表彰などの企画・運営支援を行い、エンゲージメントの向上、事業活性化を支援した (事業5)。
- 広報委員会と連携し、EAJパンフレット2025の作成などを支援した (事業5)。
(B)公益目的事業に係る活動各事業間、産学官などの連携強化の促進に努め、以下の活動の企画・推進を行った。
- 会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、2026年1月賀詞交歓会・EAJフォーラムなどの企画、運営を支援した (事業2、事業5)。
- 第10回、第11回新入会員ガイダンスを企画・開催、会員選考委員会、会員強化委員会などと連携して実施、事業内容の紹介、自己紹介・アンケート、EAJ活動への参画の呼びかけなどを通じて、会員間連携・活性化促進など支援した (事業5)。
- 第10回、第11回新入会員ガイダンスと連携した、第200回、第201回談話サロンを企画、実施した (事業1〜3、事業5)。
リーダー: 中山智弘 委員: 大江田憲治、小田俊理、城石芳博、橋本正洋、藤田豊久 アドバイザー: 中村道治 - 賛助会員企業ラウンドテーブル実行委員会
賛助会員企業を対象に、2025年7月25日に、開会挨拶、活動状況報告、安西祐一郎会長による基調講演「AIの現状と将来展望」、”生成AIをはじめとしたAIによる社会変容とリスクマネジメント”をテーマとするパネル討論、閉会挨拶とからなる第9回賛助会員企業ラウンドテーブルをオンラインで開催した。基調講演では、AIの種類、それぞれの特徴と発展の歴史が紹介されAIの国家安全保障への影響、経済的な位置づけ、社会的な問題(少子高齢化対策、教育改革など)に留意すべきなどの指摘がなされた。パネル討論では、自己紹介も交えたポジショントークに続き、研究開発事業や利活用現場の事例などが紹介された。質疑応答では、AI利活用に関する教育、AIツールを使いこなせる若い世代、デジタル・ネイティブ世代と、それに対応できる組織への変革、旧世代の意識改革のあり方などについての問題提起や議論がなされた (事業2、事業3、事業5)。委員長: 五十嵐仁一 委員: 伊藤みほ、専務理事、両常務理事 - 若手リーダー塾実行委員会
次世代の産学官を担う若手人材の育成を目的として、第2回若手リーダー塾を2025年4月23日・24日の2日間にわたり、大阪大学中之島センターおよびオンラインによるハイブリッド形式で開催した。今回のリーダー塾では、「未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座」を全体テーマに掲げ、”EAJフューチャーリーダーズフォーラム”として構成した。特に今回は、より多様で実践的な意見交換の場を設け、国際社会で活躍するために求められる視座、行動力、課題解決力の育成を目指し、初日と2日目の冒頭は広く一般に公開されたシンポジウムとして5件の講演およびパネルディスカッションを公開型で実施し、2日目の講演会後は対面参加者限定とし、少人数のグループディスカッションと総合討論を参加型で行う二部構成とした。2日間で延べ268名が参加し、リーダーとしての視座、他者との協働、そして国際的視野の重要性を再確認する場となった。参加者からは「視野が広がった」「多様なバックグラウンドとの対話が刺激的だった」といった前向きな声が多く寄せられた。これらの結果は提言と共に報告書にとりまとめ、広く一般にも公開した (事業1、事業3、事業5)。委員長: 川合眞紀 副委員長: 大島まり、辻佳子、関谷毅 委員: 田中真美、伊藤みほ、渡邉政嘉、石原直、神崎亮平、永野智己、専務理事、両常務理事 - EAJフォーラム実行委員会
EAJフォーラム2025「米国の大学周りの研究開発力」を、東京ガーデンパレスにおいて、6月5日第13回(通算第29回)定時社員総会、”理事が選ぶ事業貢献表彰”式典に併せ、ハイブリッド方式で辻篤子会員の総合司会により開催した。現地で31名、ウェビナーで36名の参加があった。フォーラムでは、カーネギーメロン大学創始者記念全学教授 金出武雄氏による基調講演「米国の大学周りの研究開発力」があり、よい研究とは、現実の問題に対応するものであり、「良い科学は細部に宿り、世の中にインパクトを与える」としたうえで、イノベーションは問題から出発して社会的・経済的価値の創生に結びつくものであり、基礎研究、理論研究もまた、将来に与える影響、実用性を予測してシナリオを描くことが重要との指摘があった。会場やウェビナー参加者から多数の質問と意見交換とがあり、会場ではフォーラム終了後も、金出氏を囲んだ和やかで熱い議論が続いた。フォーラム後に実施したアンケートでも、工学研究に対するきわめて本質的な議論、大きな方向付けがなされた、などの意見を多数いただくなど、我が国の研究力、産業競争力の強化に向けて新たな一歩を踏み出す上などでの多様な観点で、EAJならではの活気あふれる会となった (事業2、事業3、事業5)。委員長: 岸本喜久雄 委員: 中山智弘、谷明人 - 内規アップデート等検討ワーキンググループ
内規アップデート等検討ワーキンググループは、定款の事業の実施に必要な内規等の整合性が確保されることを目的に設置され、2025年度に23回の会合を開催した。ワーキンググループでは、委員会等に関する内規、会員選考委員会規程に基づく推薦要領、寄附金取扱規程、理事及び監事候補者選定手続き関係内規等の見直し、客員会員入会後確認の進め方等の検討や、今後のEAJ内部向けの提言・提案等の検討進捗状況報告のあり方のとりまとめ等を進め、2つの内規の理事会制定、のべ9つの内規の理事会改定等の結果に結びつけた (事業5)。リーダー: 坪井裕 委員: 信濃正範、常務理事 (林秀樹)、事務局長 (吉田雅彦) アドバイザー: 永野博、長井寿、大江田憲治、柚原義久(2025年9月30日まで)
2-2 組織基盤増強活動
1)会員選考委員会
年4回(2025年4月17日、7月24日、10月23日、2026年1月22日)の委員会によって会員候補者の入会審査を行なった。26名が新たに正会員となり、復会1名を加えた2025年度の入会者は27名であった。また、専門分野や所属組織、年齢構成、男女差等の多様化を推進した。客員会員については、2023年度より開始した客員会員の選考を年1回で行うことを継続した。客員会員候補者選定ワーキンググループ を開催して事前審議を行い、候補者の審査を実施した結果、2026年4月には6名が入会することとなった。客員会員は2025年度初66名(海外16名、国内50名) から、2025年度中の退会1名も考慮すると、2026年度初には71名(海外17名、国内54名)となる (事業5)。
| 委員長: | 岸本喜久雄 | |
| 副委員長: | ⻑我部信⾏、菱⽥公⼀ | |
| 幹事: | 北村守 | |
| 委員: | ||
| 第1分野 | 岩附信⾏ (主査)、河原源太、⼩菅⼀弘、髙松洋 | |
| 第2分野 | 喜連川優 (主査)、伊藤順司、北村守、寒川哲⾂、⻑⾕⼭美紀 | |
| 第3分野 | 堤康央 (主査)、伊藤素⾏、古原忠、御手洗容子、村上晃⼀、村上秀之 | |
| 第4分野 | ⼭村真司 (主査)、伊藤一秀、⼤原美保、小野潔、塚原健⼀、丸⼭⼀平 | |
| 第5分野 | 瀬川浩司 (主査)、伊原学、坂⻄欣也、武藤敬 | |
| 第6分野 | 伊藤 聡 (主査)、福谷克之、矢野和男、渡辺美代⼦ | |
| 第7分野 | 養王⽥正⽂ (主査)、河野美由紀、⾼⽊昌宏、津本浩平、安井正⼈ | |
| 第8分野 | 倉持隆雄 (主査)、江上美芽、⼩⼭珠美、坂⽥⼀郎、⾼⽊真⼈、安永裕幸 |
2)会員強化委員会
2025年度の会員強化委員会は、会員選考委員会開催日の約5週間前の日程にて、2025年6月18日(第21回)、9月27日(第22回)、12月8日(第23回)、2026年3月10日(第24回)の4回開催した(うち、第22回はハイブリッド、他の3回はオンライン)。委員会では、EAJの各種活動の状況、正会員(4回/年)と客員会員(1回/年)の推薦/加入/退会の状況、賛助会員の現状などの状況把握にもとづいて、会員の発掘/推薦活動の活発化について議論を進めた。論点は、会員の分野や業界の拡大、若手会員・女性会員・企業所属会員の拡大方策、会員/会費制度の改善点、正会員/賛助会員向けEAJ活動情報の提供の進め方など、会員の強化とダイバーシティ拡大に向けた諸課題や方策である。なお、委員会活動を通じて2025年度は、総数26名の新規正会員の入会につながる推薦に貢献した (事業5)。
| 委員長: | 石原直 | |
| 副委員長: | 大江田憲治 | |
| 担当理事: | 坪井裕、道奥康治(2025年6月から) | |
| 委員: | 近藤玲子、小林信一、塩満典子、城石芳博、関谷毅、田中敏宏、辻佳子、坪井裕、長坂徹也、馬場直志、山本元司、藤野陽三、道奥康治、柚原義久、林秀樹 | |
| アドバイザー: | 中村道治 |
3)会長候補者推薦委員会
会長候補者推薦委員会設置要綱に基づき設置されている会長候補者推薦委員会を2026年2月17日に開催し、2026年度~2027年度の会長候補に相応しい正会員について検討し、会長に推薦した (事業5)。
| 委員長: | 小林喜光 | |
| 委員: | 中村道治、中西友子、永野博、城石芳博 |
4)選挙管理委員会
理事及び監事候補者投票内規に則り、社員総会開催の3か月以上前の理事会にて選挙管理委員会を設置し、定款第21条第1項「理事及び監事は、社員総会の決議により選任する」に基づき、理事会が社員総会に提案する「理事及び監事候補者」に関する正会員の意向を把握するために行う投票(予備投票)に関する以下の手続きを進めた。
2026年度選挙管理委員会を設置し(2025年8月21日理事会承認)、委員会を1回開催(2025年11月17日@オンライン)するとともに、事務局と連携して、2026年2月26日に2026年度~2027年度理事・監事候補者選出のための予備投票を3月24日締切日に設定して開始した (事業5)。
| 委員長: | 永野博 | |
| 副委員長: | 森本浩一 | |
| 委員: | 小山珠美、中島義和 |
2-3 事務局
共創基盤の更なる高度化を図ると共に、それらを活用した事務局業務の円滑、効率的、効果的な推進に努め、法人運営に係る活動、および公益目的事業に係る活動を支援し、事業運営の活性化を図った (事業5)。
| 事務局長: | 吉田雅彦 | |
| 局員: | 笹間由布子、米野かおり、小林香代 |
3.公益目的事業に係わる活動
定款第4条に定める5事業を円滑かつ効果的に推進するため、下記の通り、これまで拡充を進めてきた共創基盤を活用し、工学による社会・環境・経済課題のバランスの良い解決と価値創造、その早期社会実装をめざし、政策提言活動、人材育成活動、支部活動、国際活動、広報活動などの一層の強化を図るべく、文理を超えたEAJの「総合知」を活かし、実践的な委員会、支部の協働活動を推進した。
3-1 委員会活動
1)政策提言委員会
2025年度内に委員会4回、幹事会8回、勉強会2回を開催し、社会・科学技術潮流や個人会員・賛助会員のご意見などを勘案しながら候補テーマの体系化を図り、EAJ が取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討、推進と、トップダウン、ボトムアップ型のプロジェクトの探索を行った。
政策提言活動として次の5件のプロジェクトが進行中である。
- 海洋プラスチック研究(リーダー: 橋本正洋)
- デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方プロジェクト(リーダー: 遠藤哲郎)
- 人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育プロジェクト(リーダー:(正) 小泉英明、(副) 長井寿)
- 社会、産業、人々の生活の変容を支える電力システムの在り方プロジェクト (リーダー: 荻本和彦)
- 女性エンジニアの現状とこれからに関する調査研究(リーダー:吉祥瑞枝)
これらのうち、1.については報告書とりまとめに向けセミナーを開催(2025 年 11 月18日)し、3.についてはサブテーマ「来たるべき未来の工学倫理と工学教育に関する調査研究」の成果報告書をとりまとめ公表(2025年8月21日)するとともに、サブテーマ「「地球」と「次世代」を当事者とする工学倫理教育の方法論の構築に関する調査研究」のシンポジウムを開催(2025年5月27日)し、4.については中間シンポジウム (2025年4月15日) と5回の会合(通算10回)を開催し、取りまとめに向け2026年4月23日に最終シンポジウムを開催する予定で、5.についてはシンポジウムを開催(2025年12月6日)するとともにアンケート調査などを実施中である。なお3.と5.は一般財団法人 新技術振興渡辺記念会の科学技術調査研究助成を受けている(3.については2件)。
さらに、新たに次の1件のプロジェクトを開始した。
- 循環型社会とエコシステム(リーダー:小山珠美)
支部活動から新たな政策提言プロジェクトを立ち上げるための議論を進めた。また、上記のプロジェクト活動に加えて、デュアルユース技術に関する勉強会を2回開催し、結果を「政策提言委員会の受け止め」としてとりまとめた (事業1〜5)。
| 委員長: | 倉持隆雄 | |
| 副委員長: | 谷明人 | |
| 担当理事: | 淺間一、伊藤みほ、立川康人(2025年6月から)、塚原健一、長坂徹也、増田隆夫 | |
| 幹事: | 信濃正範 | |
| 委員: | 淺間一、長我部信行、小泉英明、小林信一、小山珠美、久田真、高木真人、塚原健一、永野智己、原山優子、坪井裕、安浦寛人、安永裕幸 | |
| アドバイザー: | 石原直、神﨑亮平、城石芳博、長井寿、永野博、中村道治、中山智弘 |
2)政策共創推進委員会
わが国におけるミッシングリンクである立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からのアプローチによって少しでも現実化することにより、日本の政策立案が、ますます複雑化しつつある社会の問題により適切に対処でき、国民からも信頼されるものとなることに寄与するため、2025年度は、2020年11月13日理事会で承認された活動方針に基づき、以下を実施した。
- 国会議員との意見交換、対話の会(第11回2025年6月16日、第12回2026年3月3日)
- 参議院調査部門との共催ワークショップ(第6回2026年2月9日)
- 国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換(2025年度はなし)
- 横断的な活動を行う公的団体と情報共有を行う「政策共創プラットフォーム」の委員を新規団体からの参加により10団体に拡充するとともに、委員会を開催し(第6回2025年10月27日、第7回2026年2月19日)政策共創推進委員会の活動に対する助言や提案を受けた。
- 若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの第6回目を実施した(2025年4月18日)。
- 委員会は、1名の新委員の加入、1名の退会があった。第10回委員会を2026年4月に開催し,2026年度事業計画、2025年度活動報告案等に基づく総合的な意見交換を行う予定である。これらの結果などについては、EAJニュースレターやHPで順次公表している。活動に対する注目度が高まり、マスメディア取材、インタビューなどを受けている。
- 本委員会は自己総括に基づき2024年2月にとりまとめた、報告書「三年間の自己総括&日本工学アカデミーへの提言」に基づき、活動内容のフォローアップを年度ごとに実施している。
| 委員長: | 永野博 | |
| 副委員長: | 長井寿 | |
| 担当理事: | 川合知二、谷明人 | |
| 委員: | 今村努、江村克己、大倉典子、加藤ジェーン、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、信濃正範、庄司裕子、城石芳博、関谷毅、高木真人、辻篤子、坪井裕、冨山哲男、中島義和、中野義彦、菱田公一、細野光章、牧原出、*松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)、森本浩一、安永裕幸 | |
| アドバイザー: | *角南篤(政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、*城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター長) (*非会員) |
3)研究力強化委員会
2025年度は委員会を4回開催し、我が国の研究開発システムの在り方を俯瞰的に考察し、その再設計と研究力の強化に関して、解決志向型研究、社会変革型研究、探究型基礎研究、観念創造型研究の4類型について検討を行い、今後の学術の将来を拓くものでありうる観念創造型研究、およびその評価方法のあり方を取り上げて議論を深めた。今後、研究力の強化に繋げる提言として取りまとめを行う (事業1〜5)。
| 委員長: | 杉山正和 | |
| 担当理事: | 神崎亮平 | |
| 幹事: | *武見綾子 | |
| 委員: | 石田哲也、岡野栄之、川合眞紀、小林傳司、関谷毅、関村直人、豊田長康、永野博、中村道治、波多野睦子、松本洋一郎、山口栄一 (*非会員) |
4)科学技術・イノベーション2050委員会
2050年に目指すべき将来社会像の実現に向け、「科学技術・イノベーション」のロードマップを描くことを目的として、2025年度内に公開シンポジウムおよび全体委員会(3回)を開催した。これらの会合では、科学技術により実現される「生きがい」や「○○からの自由・解放」について議論した。
さらに、2025年度の議論内容をまとめた報告書を作成することとし、その具体的な作業内容およびスケジュールについて整理・検討した。
- 公開シンポジウム
・「挑め、工学! ―“IKIGAI”ある2050年に向けて―」(2025年5月2日、室蘭工業大学・対面開催)
講演およびパネルディスカッションを通じて、2050年に向けた持続可能で生きがいのある社会の実現に必要な技術の開発・社会実装の方向性について議論した。基調講演では、京都大学の原田博司教授、総務省総合通信基盤局電波部移動通信課の小川裕之課長、EAJから藤野陽三会員がそれぞれ講演を行った。パネルディスカッションでは、基調講演者とともに、EAJから行木陽子会員、北島正章会員、董冕雄客員会員をパネリストに迎えて、沖委員長がファシリテーターを務めた。 - 全体委員会
・第1回(2025年5月2日、室蘭工業大学・ハイブリッド)
講演「幸福度を学術的に研究できるのか?」(沖委員長)を踏まえ、幸福度の概念や測定方法を共有するとともに、報告書の方向性について議論した。
・第2回(2025年7月8日、東京大学・ハイブリッド)
科学技術によって実現される「○○からの自由・解放」を主題として、社会的・技術的課題や将来の技術ロードマップの在り方について幅広く議論した。
・第3回(2025年9月22日、東京大学・ハイブリッド)
これまでの議論を踏まえた報告書の叩き台について検討を行うとともに、報告書作成の進め方およびスケジュールについて協議した。
| 委員長: | 沖大幹 | |
| 副委員長: | 有川太郎 | |
| 担当理事: | 沖大幹 | |
| 幹事: | 太田香、北島正章 | |
| 委員: | 有本建男、*伊藤栄作、大竹暁、大土井智、日下晴彦、城石芳博、玉城絵美、中島義和、永野博、行木陽子、*矢部彰 | |
| アドバイザー: | 川合真紀、中村道治、藤野陽三、松本洋一郎、安永裕幸 | |
| オブサーバー: | *小林治、*平川祥子 (*非会員) |
5)国際委員会
2025年度は下記の事業を実施した。
- 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
2025年度は、2025年9月にオーストラリア・ブリスベンで開催されたCAETS年次総会および併設シンポジウム(CAETS2025)への参加を中心に活動を展開した。EAJからは原山優子国際委員長および田口康理事が出席し、理事会・評議会において予算、会費、ローテーションスケジュール、新理事会体制等の重要事項が承認された。会合では各国アカデミーとの二国間協議も活発に行われ、若手研究者交流や国際連携強化の可能性が議論された。併催シンポジウムでは「今後50年を見据えた持続可能な未来」をテーマに、AI、エネルギー、食料安全保障、気候変動等の地球規模課題について多角的議論が行われた。また、日本開催については2030年代以降への調整が進められ、今後の対応方針の検討が課題として認識された (事業4)。委員長: 森本浩一 - 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA−RTM実行委員会
2025年度は、第28回EA-RTMをEAJ主催・岡山大学共催により開催し、「高齢化社会における幸福の追求」をテーマとして、日中韓3カ国のアカデミーが参加した。ハイブリッド形式で実施され、AI、DX、医療・介護技術と倫理・制度課題を横断的に扱う3つの技術セッションが行われた。特に、医療データ利用やAIの社会実装に伴う倫理・法的課題、高齢者の社会参加促進、革新的医療技術の適用などについて活発な議論が展開され、共通課題への認識が深化した。円卓会議では各国の活動報告とともに技術協力アンケート結果が共有され、今後の連携強化の方向性が確認された。次回2026年韓国開催に向けた準備と対面開催再開が重要課題として位置付けられた (事業4)。委員長: 三島望 - 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
2025年度は、JAFOE2025の実施に向けた準備・運営活動を中心に展開した。事前勉強会(FoE Japan 2025)では、日本側参加者が最先端テーマに関する研究動向を共有し、国際討議に向けた準備を行った。また、JAFOE本会議(米国開催)および事後報告会を通じて、議論内容の共有とネットワーク強化を図った。JAFOEは日米の若手研究者による分野横断型交流の場として、通常の学会では得難い密度の高い議論と共同研究の萌芽を生み出しており、2025年度も国際協働の基盤形成に大きく寄与した。さらに、寄付募集や参加者選定を通じて持続的運営体制の強化を進め、将来の発展に向けた準備を着実に実施した (事業4、事業5)。委員長: 金谷一朗 委員: 中島義和、古川英光、村上晃一 アドバイザー: 原山優子、森本浩一、村上秀之 - 日豪若手研究者交流促進事業:ERLEP実行委員会
2024年11月に、派遣型とフォーラム型を組み合わせたハイブリッド事業を実施し、公募により選抜された若手研究者がシドニー、ブリスベン等の研究機関を訪問し、現地研究者との交流を深めた後、第4回ERLEPフォーラムをメルボルンにて開催。この交流が契機となって、ロイヤル・メルボルン工科大学(RMIT)との共同研究が進展し、研究成果が国際学術誌に掲載。(論文の謝辞にERLEPによる支援についても記載。)第5回 環学的新学術フォーラム2026については、日本開催の方向で豪州理工学アカデミー(ATSE)と調整を進めてきたが、ATSE側で予算確保が難航しているとの報告を受けた。なお、ERLEP派遣事業(2009年度〜2016年度実施)のAlumniは、累計で日本側32名、オーストラリア側32名の計64名であり、この貴重な研究者ネットワークを財産化していく方向で、ATSE側と議論を重ねた (事業4、事業5)。委員長: 大橋俊朗 委員: 伊藤一秀 アドバイザー: 長井 寿 - 日独先端工学プログラム:JAGFOE実行委員会
2025年度は、日独先端工学プログラム(JAGFOE)の本格始動の年として、初回シンポジウム開催に向けた準備および実施を行った。日独双方の研究機関との連携体制を構築し、事前勉強会を通じて参加者の相互理解と議論の質向上を図った上で、2025年11月に東京にて第1回シンポジウムを開催した。テーマは「持続可能な社会のための先端材料とシステム」とし、産学官の若手研究者が分野横断的に参加し、講演、パネル討議、ポスターセッション等を通じて活発な議論を展開した。また、企業・助成機関の参画により資金基盤と産業連携を強化し、将来的な共同研究創出に向けた具体的な議論が進展した。日欧連携の新たな柱として着実に基盤を構築した (事業4、事業5)。委員長: 原山優子 副委員長: 細田奈麻絵 アドバイザー: 永野博 委員: 磯谷桂介、高橋真木子、田口康、森本浩一 - 工学アカデミー会長会議(AEPM)
2025年度は、2025年10月にSTSフォーラムの一環としてAEPMを開催し、「科学・政策・社会をつなぐ政策対話の強化」を主題に議論を行った。6カ国の工学アカデミー会長等が参加し、科学者と政策決定者の対話の重要性、科学外交の役割、市民参加の促進などについて多角的に意見交換が行われた。各国からは、アカデミーによる政策助言の実践例や、議会・政府との連携の仕組み、若手人材育成の取り組みが紹介され、国際的な知見共有が進んだ。また、AI等の急速な技術進展を背景に、社会的信頼の確保と政策との整合性確保の必要性が強調された。今後、本会議を国際的な政策対話促進の場として、他の委員会との連携を強化していくこととした (事業5)。
| 国際委員会 | ||
| 委員長: | 原山優子(栄誉フェロー) | |
| 副委員長: | 森本浩一 | |
| 担当理事: | 田口康 | |
| 実行委員会委員長: | 森本浩一(CAETS)、三島望(EA-RTM)、金谷一朗(JAFOE)、大橋俊朗(ERLEP)、原山優子(JAGFOE) | |
| アドバイザー: | 小泉英明、岸輝雄、長井寿、永野博、中村道治 | |
| 委員: | 伊藤一秀、杉山正和、田口康、辻佳子、中島義和、古川英光、村上晃一、村上秀之 |
6)人材育成委員会
2025年度の特記事項として、若手リーダー塾実行委員会、若手委員会と連携して、第2回若手リーダー塾としてフューチャーリーダーズフォーラム“国際人材へ成長する新たな視座”を、2025年4月23日・24日の2日間にわたり、大阪大学中之島センターおよびオンラインによるハイブリッド形式で開催した (事業5)。
一方、世界情勢、企業体制の変化などにより、我が国における工学の在り方、工学への期待が急速に変化してきている。このような状況の中にあって、今後の活動の更なる活性化に向け、当該委員会においては、人材育成の視点で原点に戻って工学分野の課題を抽出し、EAJとして取り組む課題を定めることが急務であるとの結論に至り、検討を開始した (事業1、事業5)。
| 委員長: | 辻佳子 | |
| 副委員長: | 大村直人 | |
| 担当理事: | 渡邉政嘉 | |
| 委員: | *小豆畑茂、犬塚隆志、上野晴樹、大江田憲治、大嶋正裕、坂田東一、瀬戸口剛、染谷隆夫、高山 誠、長坂徹也、久枝良雄、水谷法美、安永裕幸 | |
| アドバイザー: | 石原 直、大島まり、金谷一朗、岸本喜久雄、小林信一、城石芳博、中島義和、中村道治、村上秀之、横山直樹 (*非会員) |
7)若手委員会
2025年度は、若手委員会として、次代を担う若手研究者・技術者・実務家が、産学官の枠を越えて学び合い、将来の社会像や人材育成の在り方を主体的に議論する場の形成に注力した。特に、前年度より準備を進めてきた「第2回EAJ若手リーダー塾 “EAJフューチャーリーダーズフォーラム ~未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座~”」を2025年4月に開催し、若手人材育成に関する実践的かつ未来志向の議論を広く展開したことが、2025年度の中核的な成果である (事業1、事業5)。
第2回若手リーダー塾は、企業、大学、官公庁等の第一線で活躍する講師陣による講演、パネルディスカッション、参加者同士によるグループディスカッションを通じて、国際社会で求められるリーダーシップ、多様なキャリア観、挑戦と失敗を許容する文化、異分野連携や対話力の重要性などについて、多角的な意見交換を行う機会となった。2日間で延べ268名の参加を得て、会場・オンライン双方において活発な議論が展開され、若手参加者にとって新たな視座と人的ネットワークを得る貴重な場となった。
また、同リーダー塾の成果を一過性のものにとどめず、社会に向けて継続的に発信していくため、講演要旨、パネルディスカッションおよびグループディスカッションの内容、さらに参加者アンケートで得られた意見を整理し、報告WEBの作成・公開に取り組んだ。本報告では、単なる開催記録にとどまらず、若手人材育成に関する課題認識と今後の方向性を提言的にまとめ、フューチャーリーダー、社会、政策決定者に向けたメッセージとして発信する構成とした。これにより、若手の率直な声と実践的な知見を、EAJとして社会に提示する基盤を整備した。
さらに2025年度は、若手委員会で得られた議論や提言を、研究力強化委員会(杉山正和委員長)とも共有し、研究力強化に関する議論にも接続した。すなわち、挑戦と失敗を許容する文化の醸成、多様なリーダー像の尊重、専門性と異分野理解の両立、国際性と対話力を備えた人材育成といった観点は、将来の研究力強化そのものに直結する重要な論点であるとの認識のもと、若手リーダー塾の成果を研究力強化に向けた提言の一部として活かすことができた。これらの活動を通じて、若手委員会は、若手世代の視点から人材育成と研究力強化を一体的に捉え、政策提言や社会発信へとつなげる役割を着実に果たした。今後も、異なる分野・立場を越えた対話と共創を促進し、未来の工学と社会に貢献する若手人材の育成と環境整備に継続的に取り組んでいくこととした (事業1、事業5)。
| 委員長: | 関谷毅 | |
| 副委員長: | 永野智己 | |
| 担当理事: | 関谷毅 | |
| 委員: | *小川純、*小野悠、伊藤一秀、川原圭博、*鈴木裕之、*竹内雄一郞、*多田隈建二郎、*永谷圭司、*成瀬彰、*沼澤修平、*畠山智行、*馬場雪乃、*林浩平、古川英光、松尾豊、*松塚貴英、*保田淑子、*山内元貴 | |
| アドバイザー: | 嘉門雅史、中島義和、中村道治 (*非会員) |
8)ジェンダー委員会
2025年度は3回の委員会を開催するとともに、ジェンダー委員会委員と安西会長との第4回意見交換会、第9回ジェンダーシンポジウムの企画・運営などに関してメール審議を実施した。詳細は下記である。
2026年2月27日に、AI時代における人材政策および教育政策の方向性を検討し、今後の政策提言に資する論点の整理・深化を図ることを目的に、ジェンダー委員会委員と安西会長との第4回意見交換会を開催した。AI人材育成と産業競争力、教育改革とAI時代の学習環境、女性活躍と社会構造の変化、地域社会と教育機会の均衡、政策形成と制度的課題などに関して活発な議論があり、AI技術の進展は単なる技術革新にとどまらず、教育制度、産業構造、地域社会、ジェンダー政策に対して横断的かつ構造的な変化をもたらすものであるとの認識が共有された。
関連して、2026年3月19日には、ジェンダーの課題に関する現状や取り組みへの理解を深めることで、女子学生や、指導にあたる先生方や保護者の皆様にも、「理工系は女性が安心して活躍できる分野である」という確信を持っていただける場となることを目指し、第9回EAJジェンダーシンポジウム「地元(ふるさと)を起点とした 理工系女性の多様な道」を開催した。第1部では、「理工系進学のジェンダーギャップ原因と対策について」に関する基調講演、「イノベーションと多様性の関係」に関する講演を、第2部では、産業界で活躍する4名の女性エンジニアが登壇したパネルディスカッションを実施した。パネルディスカッションの最後には、各パネリストから女子学生へのメッセージとして、ポジティブな姿勢と自分の強みを活かすことの重要性が伝えられた。今後、更なる活性化につなげることとした(事業1〜3)。
| 委員長: | 行木陽子 | |
| 副委員長: | 城石芳博、田中真美 | |
| 担当理事: | 行木陽子 | |
| 幹事: | 鹿野豊 | |
| 委員: | *伊藤貴之、太田香、川村みどり、北島正章、塩満典子、玉田薫、辻ゆかり、中村淳、森田純恵 | |
| アドバイザー: | 石原直、大倉典子、大野英男、陳迎、辻佳子、長坂徹也、原山優子、平尾明子、森勇介、渡辺美代子 | |
| 卒業した学生委員: | *秋山茉莉子、*寺林稜平、*佐々木勇輔、*Jin Yi、*堀内榛香、*峯村梓、*依田みなみ (*非会員) |
9)広報委員会
2025年度は5回の委員会を開催するとともに、会員の声(新入会員の近況)の在り方、EAJ NEWS特集号のテーマ、パンフレット2025構想、著作権規程などに関するメール審議を実施し、以下の活動を行った (事業3、事業5)。
- EAJの季刊誌「EAJ NEWS」を4回、活動報告2024/2025、14件のEAJ ニュースレターと事務連絡を発行するなど、積極的な情報発信を行った。
- 見開き4ページのEAJパンフレット2025を作成し、支部・委員会に1,000部配布し、広報活動に活用した。
- パンフレットなどを活用してホームページの表紙を刷新し、さらに注目記事、イベント情報、活動状況の報告などの掲載でホームページを更新し、一層の事業活性化に務めた。
- 2025年11月13日理事会で制定された著作権規程を作成した。
| 委員長: | 安永裕幸 | |
| 副委員長: | 城石芳博 | |
| 担当理事: | 林秀樹(2025年6月から) | |
| 委員: | 岡田益男、小野由理、金谷一朗、小山珠美、田中敏宏、辻佳子、原邦彦 |
3-2 支部活動
支部間、支部・委員会の連携強化に努め、地域の特徴を活かした事業活動を幅広く実施した (事業1〜5)。
さらに、2025年11月28日の支部長会議、2026 年3 月18 日の政策提言委員会などで、支部活動を政策提言につなげていくことなどに関して提言・意見交換を行った。また、「人類の安寧とより良き生存のために未来社会を工学する」事業活動を包摂的に推進するべく全ての地域での支部結成をめざし、中国・四国支部の設立に向けた活動を加速した。 (事業5)。
| 支部担当理事 | ||
| 北海道支部 | 瀬戸口剛 | |
| 東北支部 | 田中真美 、長坂徹也(2025年11月から) | |
| 中部支部 | 岩井善郎 | |
| 関西支部 | 大村直人 | |
| 九州支部 | 久枝良雄 |
1)支部長会議
EAJ本部、支部及び委員会の活動などの更なる発展に繋げるためことを目的に、2025年11月28日にオンラインで第8回支部長会議を開催し、支部、委員会、本部間の意見交換を行った (事業5)。
会議では、EAJ経営状況、各支部・各委員会の活動・取組状況や課題などの情報共有を行うとともに、工学による社会課題の解決、経営基盤の強化・事業活性化に向け、文理・分野・産学官融合組織としてのEAJの特質を生かした、質が高く持続可能な事業活動・事業共同企画・社会実装のあり方、提言実効性の向上策などについて意見交換を行った。EAJ諸活動の一層の活性化への活用が期待された (事業5)。
2)北海道支部
39名(正会員38名、客員会員1名)
- エンジニアリング・カフェ in 室蘭工業大学を開催した。(2025年10月17日)
- 2025年度研究交流会 「若手工学研究者が牽引する大学の成長と地域イノベーション」を開催した。(2026年3月26日)
- 主催シンポジウムを以下のように開催した。
日本工学アカデミー東北支部・北海道支部合同シンポジウム 東北大学未来科学技術共同研究センター(NIChe)シンポジウム「東北・北海道地区におけるJ-PEAKSの今後の展開」(2025年10月1日) - 活動:北海道支部理事会の開催(2025年6月26日、2026年3月26日)、NICHe未来科学オープンセミナーの協賛など
| 支部長: | 瀬⼾⼝剛 | |
| 副支部長: | 榮坂俊雄 、幅崎浩樹 、松田瑞史 | |
| 専務理事: | 川村みどり |
3)東北支部
106名(正会員98名、客員会員8名)
- シンポジウムを以下のように主催した。
・「アントレプレナーシップ教育の新たな展開」(2025年4月24日)
・EAJ東北支部・北海道支部合同シンポジウム「東北・北海道地区におけるJ-PEAKSの今後の展開」(2025年10月1日)
・共同主催:第9回ジェンダーシンポジウム~地元(ふるさと)を起点とした理工系女性の多様な道~」(2026年3月16日) - セミナー、研究会などを以下のように協賛した。
・東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)「未来科学オープンセミナー」協賛
第30回(2025年6月3日)、第31回(2025年7月14日)、第32回(2025年11月13日)、第33回(2025年1月30日) - 活動:内規を改定した。
| 支部長: | 長坂徹也 | |
| 副支部長: | 湯上浩雄、岡田益男 | |
| 専務理事: | 足立幸志 |
4)中部支部
80名(正会員75名、客員会員5名)
中部支部では「未来社会を工学する」の理念をもとに、支部の特徴を活かした活動を企画し、会員間の連携の活性化と産学間の繋がりの強化に努めてきた。2025年の主な活動は下記。
- 講演会を以下のように主催した。
・第21回EAJ中部レクチャー「オープンイノベーションが拓く未来」(2025年5月26日)
講師:清中茂樹 氏(名古屋大学 未来社会創造機構)、寺野真明 氏(株式会社Tokai Innovation Institute)
・第22回EAJ中部レクチャー「⼯学分野における⼥性活躍への期待」(2025年8月25日)
講演者:浦田真由氏(名古屋大学大学院 情報学研究科 准教授)/討論者:浦田真由氏(名古屋大学大学院 情報学研究科 准教授)、児玉美奈子氏(NTT西日本 執行役員・東海支店長)、伊藤みほ氏(株式会社デンソー 執行部 先端技術研究所長)、吹上康代氏(名古屋市 経済局長)
・EAJ中部支部 第23回中部レクチャー「少⼦化時代を乗り越える グローバル⼈材育成の挑戦と展望」(2026年3月30日)
講演者:遠藤守信氏(信州大学 特別栄誉教授 工学博士)、米倉真一氏(信州大学 副学長 農学博士)、すぎむら慎治氏(元衆議院議員)、小相澤隆幸氏(上田市副市長)、瀬戸政宏氏(株式会社SGC産業技術研究院 社長) - 講演会を以下のように協賛した。
・EAJ関西支部 第14回講演会「総合知を育む工学教育“ものづくりを通じた「総合知」の育成”」 (2025年8月29日)
・EAJ関西支部 第15回講演会「“研究室の魅力”とは?-博士課程学生を惹きつける力学」(2026年3月24日) - 活動:中部支部では「未来社会を工学する」の理念をもとに、支部の特徴を活かした活動を企画・実施し、会員間の連携の活性化と産学間の繋がりの強化に努めた。
・EAJC通信 第9号発行
| 特別顧問: | 天野浩、内山田竹志、川合眞紀、山本尚 | |
| 支部長・運営委員会委員長: | 林良嗣 | |
| 副支部長: | 岩井善郎 | |
| 幹事長: | 葛漢彬 | |
| 運営委員: | 伊藤みほ、岩井善郎、川澄未来子、金翼水、葛漢彬、林良嗣、水谷法美、八重樫武久、安田孝美 |
5)関西支部
108 名(正会員100名、客員会員8名)
- 運営委員会を以下のように開催した。
・2026年3月16日、30日 - 講演会を以下のように開催した。
・2025年8月29日:日本工学アカデミー関西支部第14回講演会「総合知を育む工学教育“ものづくりを通じた「総合知」の育成” 」(京都大学大学院工学研究科・オンライン併用開催)
・2026年3月24日:日本工学アカデミー関西支部第15回講演会「“研究室の魅力”とは?-博士課程学生を惹きつける力学」(神戸大学大学院工学研究科・オンライン併用開催) - 講演会を以下のように共催した。
・2025年4月23,24日:EAJ フューチャーリーダーズフォーラム「未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座」 - 講演会を以下のように協賛した。
・2025年5月26日:第21回 中部レクチャー「オープンイノベーションが拓く未来」
・2025年8月25日:EACJ2025シンポジウム「工学分野における女性活躍への期待」
・2026年3月30日:第23回 中部レクチャー「少子化時代を乗り越えるグローバル人材育成の挑戦と展望」
| 支部長: | 田中敏宏 | |
| 委員(幹事): | 立川康人、大政健史、藤井稔 | |
| 委員: | 尾上孝雄、大村直人、関山 明、河原克己、松村浩一、石出孝、小田一郎 |
6)九州支部
52名(正会員46名、客員会員6名)
- 次のように講演会を2回開催した。
・2025年11月21日:日本工学アカデミー九州支部 2025年度講演会
講師: 徳留弘優氏、星野友氏
会場: 福岡市産学連携交流センター1号棟 交流ホール
・2026年1月21日:都城工業高等専門学校出張講演会
講師: 中村大輝氏
会場: 同校1年生を対象とした対面開催(同校多目的ホール)
| 支部長: | 山田淳 | |
| 副支部長: | 髙松洋、谷口功、日野伸一 | |
| ほか、理事及び名誉理事、名誉顧問 |
7)その他
EAJならではの活動を我が国の全地域で行うべく、中国・四国支部の設立に向け、地域の特長を生かした多様な会員の拡充活動を行うと共に、日本(EAJ)、中国(CAE)、韓国(NAEK)の3カ国工学アカデミーが、1997年から毎年輪番制で開催している円卓会議(EA-RTM)の中国・四国地区の岡山大学での開催支援を行った (事業5)。
4.法人の運営体制の充実を図るための取組
(1)財務状況の改善に向けた取り組み強化
財務状況改善策について会長副会長懇談会・理事会で審議し、予算への反映、個人寄附金規程新設、賛助会員案内ホームページ強化を図った。
(2)規則リストの整備
2024年以来、各種内規等の制定、改正を多数行ってきたことから、制定日時、最終改正日等を掲載した「EAJ 規則リスト」を整備し、法人運営の適切かつ円滑な遂行に資することとした。

