政策共創推進委員会
科学的エビデンスに立脚した政策の立案、遂行における立法府の役割は重大だが、アカデミアが創出する知的情報を的確に、国民を代表する立法府に届ける確かな道筋がわが国では希薄である。
このため科学者側の政策リテラシーの向上を図るとともに政策側(ここでは立法府構成員)の科学リテラシーの向上にも寄与しつつ、両者による政策共創能力を高めていく息の長い交流活動が不可欠であり、そのための組織的、継続的な活動が求められる。
日本工学アカデミー(EAJ)は、政策共創推進委員会を設置し、政策立案に係る広範な関係者との連携をもとに、国会議員および立法府関係者と科学者、メディア関係者などが協働し交流できる場を提供し、立法府と科学者の政策共創の実現を図る。
当面は、以下の活動を各委員が分担して進める。
(1)議員対話担当(議員との対話会合の準備、運営など)
(2)議会事務局担当(参議院調査局、国立国会図書館との連絡調整、共同企画など)
(3)民間団体担当(賛助会員、民間企業、学協会などの民間団体とのネットワークの構築)
(4)若手担当(若手研究者による議員インタビューなど)
なお、以下は、後日体制を整える。
地域コミュニケーション担当(支部地域における議員との対話活動、地域における議員とのコミュニケーションの創成など)
メンバー
委員長: | 永野博 |
副委員長: | 長井寿 |
委員: | 今村努、江村克己、大倉典子、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、城石芳博、関谷毅、高木真人、辻篤子、坪井裕、中島義和、細野光章、牧原出、松尾真紀子(非会員、東京大学公共政策大学院特任准教授)、睦哲也、森本浩一、安永裕幸 |
アドバイザー: | 角南篤(非会員、政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、城山英明(非会員、東京大学未来ビジョン研究センター センター長、教授) |
活動指針
多様な科学者の協力を得るために
EAJのような科学者の組織体と国会議員および立法府との定例的な対話は、我が国ではこれまで参考例がなく、ひとつひとつが初めての体験である。したがって、立法府との政策共創を根付かせ、発展させていくためには、様々な配慮が必要となることから「政策共創推進において多様な科学者の協力を得るための活動指針」を作成した(2021年3月5日)。
※「政策共創推進において多様な科学者の協力を得るための活動指針」については こちら をご覧ください。
活動方針
公益目的事業に係わる活動として
わが国におけるミッシングリンクである立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からのアプローチによって少しでも現実化することにより、日本の政策立案が、ますます複雑化しつつある社会の問題により適切に対処でき、国民からも信頼されるものとなることに寄与する。
そのため、2022年度は、前年度に引き続き、理事会で承認された方針に基づき、①国会議員との意見交換、対話の会の開催(年4回程度)、②参議院調査部門との共催ワークショップの開催(年2回程度)、③国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換(年2回程度)、④若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビュー、⑤政策共創プラットフォームの開催(年3回程度)を計画的に実施する。
2021年度に新たに設置した政策共創プラットフォームでは、科学技術政策立案に係る広範な関係者の連携を進めることを目指し、それぞれが取り組んでいる政策提言活動の交流を通じて、それらがより有効に社会実装や政策化、法制化につながることが期待される。
若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの実績作りは、科学技術関係の若手研究者の政策リテラシーを高める上でも、若手研究者の意識を国会に反映される上でも重要で、粘り強い継続が求められる。各委員会、各支部とも連携して広く候補者を募りたい。インタビュアーには「政策立案体験調査」報告書を提出してもらい、EAJニュースレターなどに掲載、公表する。
2021年度に実施できなかった、米国におけるアカデミー、科学助言システム、米国科学振興協会の実施する議会フェローシップ制度の運用状況などの現地調査を計画する。(2022年度 事業計画より)
最新の活動報告
「次世代人材による国会議員インタビュー」
政策共創推進委員会委員長 永野 博
国会議員および立法府関係者と科学者、メディア関係者などが協働し交流できる場を提供し、立法府と科学者の政策共創の実現を図ることを目的とする政策共創推進委員会では、国会議員との対話の会などを行うほか、次世代人材による国会議員へのインタビューの機会を設け、両者の継続的な関係を構築していくこと(ペアリング)を活動の一つとしている。
これまでの活動
これまでの活動(イベント)
・2023年01月25日 | 第6回政治家と科学者の対話の会(衆議院第二議員会館 第1会議室) [新着] 「国会議員からの問題提起とそれを踏まえた討論による政策共創」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2022年10月06日 | 第5回政治家と科学者の対話の会(衆議院第一議員会館 国際会議室) 「2050年の将来像に向けた科学技術・イノベーションロードマップ作成に向けた共創」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2022年05月17日 | 第4回政治家と科学者の対話の会(衆議院第一議員会館 国際会議室) 「スタートアップ創出・成長支援の課題と政策」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2021年06月22日 | 第3回政治家と科学者の対話の会(衆議院第一議員会館 国際会議室) 「インクルーシブなSTEM教育研究環境構築に向けた共創」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2021年03月18日 | 第2回政治家と科学者の対話の会(衆議院第一議員会館 国際会議室) 「日本の将来を担う若手研究者との共創」」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2020年12月09日 | 第1回政治家と科学者の対話の会(衆議院第一議員会館 国際会議室) 「EAJ「新型コロナウィルス後の科学技術イノベーションの在り方」プロジェクトの検討状況」(詳細PDF) |
(動画、議事メモ)会員のみ |
・2020年11月17日 | 第2回オンライン談話サロン(談話サロン通算第190回)「科学と政治?政策共創能力を高めていく交流活動」 | (詳細) |
・2020年10月27日 | 自由民主党本部 科学技術・イノベーション戦略調査会にて EAJの活動を紹介 | (詳細)PDF 2MB |
・2020年06月25日 | 国会議員の方々とのワークショップ「政治家と研究者を混ぜると、何が起こるか?」 | (動画、議事メモ)会員のみ |
これまでの活動(報告書・学会発表)
・2021年04月29日 | 欧州議会技術評価(EPTA, European Parliamentary Technology Assessment)(ヨーロッパの議会機関への助言を専門とするテクノロジーアセスメント機関のネットワーク)代表者会議において、永野委員長が日本工学アカデミーとして “How to link the Parliament(Diet) and Academia”と題する講演(資料添付)を行いました。 | (詳細)PDF 820KB |
・2020年11月01日 | 【学会発表】永野博委員長、研究・イノベーション学会でタイトル「国会議員と科学者による政策共創の実現」を発表し、活動を紹介 | |
・2020年07月20日 | 【報告書】「立法府とアカデミア」(国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言)プロジェクト活動の中で永野リーダーが原著者の一人である論文「議会への科学助言に関して共同して導き出された国際研究アジェンダ」を翻訳したところ、国立国会図書館の月刊誌『レファレンス』7月号に掲載 | (詳細)外部リンク |
・2020年07月07日 | 【報告書】成果報告書「立法府とアカデミアの知的情報共有に関する調査・試行研究」ー国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言ー | (詳細)PDF 8MB |
・2018年03月31日 | 【報告書】国立国会図書館受託報告書「政策決定と科学的リテラシー」 | (詳細)外部リンク |
これまでの活動(記事・引用)
・2023年03月15日 | 【記事】日本経済新聞「日経電子版」に「政治と科学がなかなか相いれないわけ」科学記者の目 編集委員 矢野寿彦 にてEAJの活動を紹介 [新着] | (詳細)外部リンク |
・2023年02月13日 | 【記事】JST「客観日本」が、「科学技術政策共創の動き前進 国会議員が科学者に問題提起」と題して、第6回対話の会(1月25日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2023年01月30日 | 【記事】文教ニュースにて第6回政治家と科学者の対話の会(1月25日開催)を紹介 (文教ニュース紙面PDFはこちら) |
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・2022年10月27日 | 【記事】JST「客観日本」が、「生活者と共創で目指す社会を科学的助言めぐる論議活発化」と題して、第5回対話の会(10月6日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2022年10月24日 | 【記事】文教ニュースにて第5回政治家と科学者の対話の会(10月6日開催)を紹介 (文教ニュース紙面PDFはこちら) |
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・2022年06月06日 | 【記事】文教ニュースにて第4回政治家と科学者の対話の会(5月17日開催)を紹介(文教ニュース紙面PDFはこちら) | |
・2022年05月24日 | 【記事】マイナビニュース「TECH+」にて「高専生がディープラーニングを活用した事業プランを競う“高専DCON”‐企業例も」と題して、第4回政治家と科学者の対話の会(5月17日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク |
・2022年05月20日 | 【記事】マイナビニュース「TECH+」にて「東大松尾研究室、ベンチャー企業輩出100社を目指す“起業クエスト”を実践」と題して、第4回政治家と科学者の対話の会(5月17日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク |
・2022年05月18日 | 【記事】タスカジのウエブサイトに第4回政治家と科学者の対話の会(5月17日開催)が紹介されました。 | (詳細)外部リンク |
・2021年07月01日 | 【記事】JST「客観日本」が、「透明性あるコミュニケーション コロナで日本工学アカデミー提言」と題する記事の一部として、第3回政治家と科学者の対話の会(6月22日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2021年06月10日 | 【記事】経団連タイムス(2021年6月10日)紙面版5面に、経団連イノベーション委員会企画部会で5月12日に行った「立法府とエンジニアの対話の構築ー日本工学アカデミーの試み」の内容が紹介されました。(経団連タイムス紙面版PDFはこちら) | (詳細)外部リンク |
・2021年04月09日 | 【記事】JST「客観日本」が、「政策共創に向けて理解進む国会議員と若手研究者が意見交換」と題して、第2回対話の会(3月18日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2021年01月18日 | 【記事】「新技術振興渡辺記念会だより」にて、調査研究課題の成果として当アカデミーが助成を受けた「立法府とアカデミアの知的情報共有に関する調査・試行研究ー国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言ー」を紹介(新技術振興渡辺記念会だより紙面PDFはこちら) | (詳細)外部リンク |
・2020年12月24日 | 【記事】JST「客観日本」が、「日本の国会議員は学界と協力して科学的政策策定を実現」と題して、第1回対話の会(12月9日開催)を紹介 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2020年12月10日 | 【記事】共同通信社OBのプラットフォーム(Watchdog21)にて、小宮山元会長の話題を皮切りに後半はEAJが現在進めている立法府とアカデミアの関係について詳述しています。タイトル「日本学術会議の会員任命拒否」菅首相に批判集中しない根底に官尊民卑の思想 これでよいのか立法府とアカデミアの関係 ようやく出てきた連携の動き?」 | (詳細)外部リンク |
・2020年12月09日 | 【引用】12月9日付け自由民主党 政務調査会 内閣第二部会「日本学術会議の改革に向けた提言」の4ページの注10、注11においてEAJの「立法府とアカデミアの知的情報共有に関する調査・試行研究」成果報告書が引用されています。 | (詳細)外部リンク |
・2020年11月20日 | 【引用】『揺れる日本学術会議 米機関がモデル 科学政策助言で存在感乏しく(日本経済新聞11月20日掲載)』の記事内に、国立国会図書館「政策決定と科学的リテラシー」(2017年EAJ受託事業)、日本工学アカデミー「国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言」から資料が引用されました。 | (詳細)外部リンク |
・2020年08月10日 | 【記事】日本経済新聞『日経電子版』に、「政治と科学のギャップ埋める、工学アカデミーが新組織」科学記者の目 編集委員 滝順一が掲載されました。 | (詳細)外部リンク |
・2020年07月21日 | 【記事】「共同通信OBによるウェブサイトWatchdog21に EAJ報告書「立法府とアカデミアの知的情報共有に関する調査・試行研究」『国会議員と科学者の政策共創実現に向けた提言』を紹介する記事が掲載されました。 | (詳細)外部リンク |
・2020年07月08日 | 【記事】科学技術振興機構「客観日本」の記事中に7月1日ワークショップが紹介されました。 | (詳細)外部リンク →日本語PDFはこちら |
・2020年07月01日 | 【記事】6月25日衆議院第一議員会館にて開催しました「立法府とアカデミアの知的情報共有に関する調査・試行研究プロジェクト」国会議員の方々とのワークショップ「政治家と研究者を混ぜると何が起こるか?」の記事が7月1日の朝日新聞『論座』に掲載されました。 | (詳細)外部リンク |