
本報告では、1.で、定款第4条の5事業に関わる活動概要について総括し、これら5事業を担当する日本工学アカデミー(以下、EAJ)の組織(事業報告最終ページに記載)それぞれに、2.で法人運営に係わる活動に関し企画推進活動、組織基盤増強活動等について、3.で公益目的事業に係わる活動に関し委員会活動及び支部活動について、詳細に説明する。
1.2024年度の総括
2024年度に始まった安西祐一郎会長体制において、法人運営に関わる活動では、賀詞交歓会、EAJフォーラムなどを対面で実施するとともに、オンラインを活用し、事前の議決権行使の電磁化投票を初めて取り入れた社員総会の開催、企画運営会議下の実行委員会の設置、企画運営会議・理事会などの効率的な運営を行った。公益事業に関わる活動では、「政治家と科学者との対話の会」を対面で開催すると共に、オンラインも活用した委員会・支部活動、プロジェクト、談話サロン、新入会員ガイダンス、賛助会員企業ラウンドテーブル、内外でのフォーラム・シンポジウム、メディア対応を含めた広報活動、などを実施することで、政策提言を地域、国内外に広く発信するとともに、普及啓発、国際交流活動を行った。なお、2024年度は、社会・経済情勢の激変、円安、物価高騰の進行、国際会議の対面開催の再開など、厳しい状況下での2025年度の予算作成となった。定款第4条の5事業活動に関する、これら代表的成果は下記の通りである。
(事業1) 創造的革新技術の萌芽の模索、評価等による、先見性・創造性のある基礎研究の推進のための調査研究、提言等に関する事業
- 政策提言委員会:先見性・創造性のある基礎研究の推進のための、「未未の製造業における新たな学術領域構築のための調査研究」(新技術振興渡辺記念会調査研究受託)報告書発行、「人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育プロジェクト」(新技術振興渡辺記念会調査研究受託)推進中。
- 科学技術・イノベーション(STI)2050委員会/研究力強化委員会:国際研究力の強化に向け、人文・社会科学も含め、Well-being、評価指標の在り方、未来社会像のあるべき姿などについて継続深耕中。
- 若手委員会:第2回若手リーダー塾 −フューチャーリーダーズフォーラム”未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座”− を企画した。
(事業2) 社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する事業
- 政策提言委員会:「生成AIをはじめとしたAIによる社会変容とリスクマネジメントに関する調査研究」(新技術振興渡辺記念会調査研究受託)報告書発行、「社会、産業、人々の生活の変容を支える電力システムの在り方」(略称:EAJ電力プロジェクト)推進中。
- 国際委員会:STSフォーラム年次総会に併せてEAJが主導し、「AIと人間社会」に関して工学アカデミー会長会議AEPMで意見交換を実施、継続情報共有中。
- 賛助会員企業ラウンドテーブル実行委員会:EAJフォーラム2024の深堀版として”イノベーションとオープン・クローズド戦略”をテーマに第8回賛助会員企業ラウンドテーブル開催。
(事業3) 工学及び科学技術に関連する問題についての普及啓発活動に関する事業
- 広報委員会:EAJ NEWS 4回発行、メールマガジン発行、パンフレット2024作製、会員の声(新入会員の近況)開始準備、著作権等について審議。
- 政策共創推進委員会:「政治家と科学者との対話の会」第9回(日本の行く手と材料の選択)、第10回(国会議員からの問題提起とそれを踏まえた討論による政策共創)開催、我が国がマテリアル分野で勝ち続けるために(共有された考えのとりまとめ)の公表。
- ジェンダー委員会:安西会長との意見交換会、第8回EAJジェンダーシンポジウム「理工系女子学生はなぜ大学院に進学しないのか?」、緊急提言「情報学・工学分野における女性の参画を拡大する方策」など実施。
(事業4) 工学及び科学技術の分野における国際交流の推進に関する事業
- 国際委員会:国際工学アカデミー連合CAETS、EA-RTMに参加、STSフォーラムで工学アカデミー会長会議AEPM開催、また、ERLEP、FoE Japan開催。
- 支部など: The 10th International Symposium (DFGI-10)協賛、第8回先端メカトロニクス国際会議(ICAM2024)協賛、第3回NARO食と健康の国際シンポジウム後援。
(事業5) その他本法人の目的を達成するために必要な事業
(公益事業)
- 国際委員会/事務局など:JAGFOE LOI締結、JAFOE、JAGFOE等開催趣意書、協賛金募集。
- 企画推進グループ/会員強化委員会など:第198/199回談話サロン・第8/9回新入会員ガイダンス実施。
- 支部:全国規模・共創でのフォーラム、シンポジウム等実施、中国・四国支部設立に向け会員増強。
(法人事業)
- 企画運営会議/企画推進グループ/事務局など:社員総会、EAJフォーラム、賀詞交歓会対面開催、EAJ事業貢献表彰実施。
- 理事会:5回開催、職務執行状況報告2回実施、2025年事業計画及び収支予算、JAGFOE事業、寄附金取扱規程などを議決。
- 企画運営会議:8回開催し、重要行事企画案、2025年事業計画案などを審議、理事会上程。
- 企画推進グループ:政策提言委員会、研究力強化委員会などの公益目的事業支援、賀詞交歓会、事業貢献表彰等の企画推進支援。
- 会員強化委員会/会員選考委員会:正会員:会員選考委員会4回開催、41名入会、会員増、客員会員:会員選考委員会1回開催、次年度から12名入会、賛助会員:2023年度末50→2024年度末48。
- 財務・事務機能強化委員会:月次報告の徹底、2025年度、2027年度正味財産健全化などにより持続可能で円滑な公益事業基盤確保策を策定。
- 会長・副会長懇談会:2025年度、2027年度財務状況改善に向け、支出減・収入増策等について審議。
- EAJフォーラム実行委員会:EAJフォーラム2024「QRコードの原点と成長 −地域初の世界標準事例に学ぶ−」を企画、開催。
- 内規アップデート等検討ワーキンググループ:委員会等に係る設置文書の制定及び改定、会員選考委員会規程に基づく要領制定等を実施。
2.法人運営に係わる活動
会員・賛助会員の拡充、多様化によるEAJ価値創生基盤の一層の強化を図り、定款第4条に定める5事業において、2024年度事業計画に基づき、計画的に法人運営に関わる下記の企画推進、組織基盤増強、事務局活動を円滑かつ効果的に推進した。
2-1 企画推進活動
1)社員総会
2024年6月6日第12回(通算第28回)定時社員総会を、ウェビナー会議方式で開催した。なお今回の総会では、事前の議決権行使の電磁化投票を基本として進め、アドレス登録のない会員については、従来通り書面による議決権行使とした。また総会の様子は当日ウェビナーにて配信した。
定款第15条1項の規定により小林喜光会長が議長を務めた。議長はWEB会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることを確認して議案の審議に入った。当日在籍正会員810名中、事前の議決権行使をされた正会員数が571名(電磁的行使465名、書面による行使106名)、事前の議決権を行使せず当日出席した正会員数が2名であり、事務局より総会は成立している旨の報告があり、議事録署名人として、議長に加え、議長提案の菱田公一理事、城石芳博理事、川合眞紀理事が選出された。議事は下記の通りである。
(1)監事を代表して辻 篤子監事より、業務及び会計は適正に処理されている旨の監査報告があり、続いて、(2)城石芳博専務理事から第1号議案(2023年度事業報告の承認)、(3)睦哲也常務理事から第2号議案(2023年収支決算の承認)、(4)城石芳博専務理事から第3号議案(理事・監事の選任)に関して、議案毎に説明があり、承認可決された。それぞれの議案書の審議は、会員からの意見への回答を含めた形で議案書の説明、議案書に対する議決権行使の集計結果の報告、議案書の採決の順で、進められた。最後に、(5)睦哲也常務理事から、社員総会議案書に基づき、2024年度事業計画及び収支予算の報告があり、すべての議事を終了して、閉会となった (事業1 〜 5)。
なお、総会に併せ、会員近況報告紹介、事業貢献表彰、伊佐進一 衆議院議員から来賓挨拶、デンソーウェーブ主席技師 原昌宏会員から基調講演を頂いた「QRコードの原点と成長 ‐地域初の世界標準事例に学ぶ‐」に関するEAJフォーラム2024 (現地で約40名、ウェビナーで38名参加)を実施した(事業1 〜 5)。
2)理事会
通常理事会を5回(2024年5月16日、2024年6月6日、2024年8月22日、2024年11月14日、2025年2月13日)開催し、企画運営会議からの提議を受け、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる重要事項について審議・議決した(事業1 〜 5)。今年度の理事会運営にあたっては、特に後半から、議決案件、報告案件を区分けし、議決案件において可能な限り十分な審議時間を確保するように措置した(事業1 〜 5)。
2024年度の主な議決事項は、2024年度定時社員総会における決議案(2023年度事業報告、収支決算、監査報告、理事・監事の選任)、2025年度展望・事業計画と収支予算、創立40周年に向けた財務基盤強化活動、寄附金取扱規程、国立国会図書館/新技術振興渡辺記念会調査研究への応募/報告書、正会員・客員会員の入会・休会、委員会委員長・委員の選任、支部長会議(委員長も参加)議事、重要行事企画、理事会議事、委員会等に係る設置文書の制定・改定、会員・賛助会員等に係る内規の改定、プロジェクトなどの活動報告書、2025年6月定時社員総会開催要領、理事会等主要行事日程、緊急提言などである (事業1 〜 5)。
主な報告事項は、会員の退会・逝去、会費納入状況、月次予算執行状況、固定資産・流動資産の推移、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、他団体主催行事に対する協賛・後援・協力依頼などである。なお、2024年5月16日および11月14日の理事会において、会長、副会長、専務理事および常務理事による自己職務執行状況報告が行われた(事業1 〜 5)。
会長: | 安西祐一郎 | |
副会長(会長代理): | 岸本喜久雄 | |
副会長: | 五十嵐仁一、大島まり、川合眞紀 | |
専務理事: | 城石芳博 | |
常務理事: | 坪井裕、睦哲也 (常勤) | |
理事: | 淺間一、伊藤みほ、岩井善郎、大村直人、沖大幹、川合知二、神崎亮平、楠見晴重、小林信一、塩満典子、関谷毅、瀬戸口 剛、田口康、田中真美、谷明人、塚原健一、長坂徹也、中山智弘、行木陽子、久枝良雄、増田隆夫、渡邉政嘉 | |
監事: | 辻篤子、林秀樹 |
3)企画運営会議
2024年度内に、8回(2024年4月24日、6月27日、8月8日、9月26日、11月7日、12月19日、2025年2月5日、3月13日)開催し、その都度、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる重要事項・課題の審議、確認を行い、理事会議決・報告案件とした (事業1 〜 5)。
主な審議案件は、正会員・客員会員入会案、休会案、会長・副会長・専務理事及び常務理事の自己職務執行状況報告案、国会図書館・新技術振興渡辺記念会などの受託調査研究の提案・報告案、創立40周年に向けた財務基盤強化活動案、寄附金取扱規程案、理事候補者名簿案、委員会委員長・委員の交代・追加案、定時社員総会・理事会・会長・副会長懇談会・支部長会議(委員長も参加)開催案、および、事業貢献表彰・EAJフォーラム・賀詞交歓会・賛助会員ラウンドテーブル・新入会員ガイダンス・談話サロン・ジェンダーシンポジウム・政策提言プロジェクト・EAJパンフレット2024などの重要事業・行事の企画・議事案、理事会等主要行事日程案、2024年度事業報告/2025年度展望・活動方針・予算見直し案(内閣府対応含む)、委員会等に係る設置文書の制定・改定案、正会員・客員会員・賛助会員等に係る内規の改定案、共催依頼案、緊急提言案などである(事業1 〜 5)。
また併せて、会員の退会・逝去、会費納入状況、月次予算執行状況、固定資産・流動資産の推移、EAJ主催事業/委員会/実行委員会/グループ/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、独立監査人監査・監事監査報告、2025年4月からの新しい公益法人制度への対応関係の外部理事・外部監事の導入の必要性についての報告、協賛・後援・協力依頼等の名義使用の確認などを実施し、審議案件と併せて理事会に提議した(事業1 〜 5)。
なお2024年12月16日、2025年1月28日に会長・副会長懇談会を開催し、EAJ 事業運営の在るべき姿などの意見交換を行い、事業計画・予算案に反映した(事業1 〜 5)。
委員長: | 安西祐一郎 | |
委員長代理: | 城石芳博 | |
委員: | 岸本喜久雄、五十嵐仁一、大島まり、川合眞紀、睦 哲也、坪井 裕、倉持隆雄、原山優子、安永裕幸、中山智弘 |
4)企画推進グループ
2024年度は、(A)法人運営に係る活動では、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会と連携した、組織基盤安定化の企画・推進の支援活動を、(B)公益目的事業に係る活動では、社会・市場・技術潮流や、会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、定款第4条の5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの活動の企画・推進を実施した(事業1 〜 5)。
(A)法人運営に係る活動
組織基盤安定化による共創活動の一層の活性化をめざし、以下の活動を行った。
- 事業貢献表彰などの企画・運営支援を行い、エンゲージメントの向上、事業活性化を支援した(事業5)。
- 広報委員会と連携し、EAJパンフレット2024の作成などを支援した(事業5)。
(B)公益目的事業に係る活動
各事業間、産学官の連携強化の促進に努め、以下の活動の企画・推進を行った。
- 社会・市場・技術潮流や、会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、2025年1月賀詞交歓会・EAJフォーラムなどの企画、運営を支援した(事業2、事業5)。
- 第8回、第9回新入会員ガイダンスを企画・開催、会員選考委員会、会員強化委員会、財務・事務機能強化委員会などと連携して実施、自己紹介・アンケートなどで会員間連携・活性化促進など支援した(事業5)。
- 第8回、第9回新入会員ガイダンスと連携した、第198回、第199回談話サロンを企画、実施した(事業1~3、事業5)。
リーダー: | 中山智弘 | |
委員: | 大江田憲治、小田俊理、城石芳博、橋本正洋、藤田豊久 | |
アドバイザー: | 中村道治 |
5)賛助会員企業ラウンドテーブル実行委員会
第18回EAJ中部レクチャー「QRコードの原点と成長」、およびEAJフォーラム2024「QRコードの原点と成長 ‐地域初の世界標準事例に学ぶ‐」の深堀版として、EAJ 賛助会員企業を対象に、イノベーション政策に関する基調講演と、イノベーションとオープン・クローズド戦略についてと題したパネル討論を中心に、2024年11月11日にオンライン形式で第8回賛助会員企業ラウンドテーブル開催した。参加申し込みはパネリスト含め、11社、計36名であった。
入念な事前すり合わせ会を実施して開催したラウンドテーブルでは、賛助会員企業それぞれの代表者から、自己紹介とラウンドテーブルへの期待、イノベーションとオープン・クローズド活動における問題意識なども伺い、パネル討論などでのより深い議論につながり、実施後のアンケートでも前向きな意見が多数あった。なお、EAJ概要やパネリストの講師の先生方の資料は、その後参加者と共有された(事業2、事業3、事業5)。
委員長: | 五十嵐仁一 | |
委員: | 伊藤みほ、専務理事、両常務理事 |
6)若手リーダー塾実行委員会
若手リーダー塾実行委員会では、2025年4月23日・24日に開催を予定している「EAJフューチャーリーダーズフォーラム ~未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座~」に向け、企画立案からプログラム構成、講演者の選定、運営準備までを幅広く担当してきた。本フォーラムは、EAJが未来を担う次世代人材の育成に寄与することを目的とし、企業・大学・官公庁など多様な領域の若手リーダー候補が一堂に会する貴重な学びと交流の場として位置づけられている。
2024年度、実行委員会では、若手委員会のメンバーを中心に複数回の企画会議を開催し、「これからの国際社会に貢献できる人材とは何か」「リーダーシップとイノベーションに必要な視座とは何か」といった根源的な問いを軸に、フォーラムの基本構想を練り上げた。特に、国際的に活躍する人材の育成を主眼に置き、産学官それぞれの第一線で活躍する講師陣を招聘することとし、情報科学、経営、人材育成、スタートアップ、グローバルリーダーシップなど多様なテーマにわたる講演を通じて、参加者に多角的な学びを提供できるようプログラムを構成した。初日は、4名の講師による講演と全体討論を中心に、国際的リーダーとしての感性や実践知に触れる機会を設ける。二日目は、引き続き1名の講師による講演と、参加者同士が主体的に議論するグループディスカッションと総合討論を展開し、自ら課題を見出し、考え、提案するプロセスを重視する。これにより、単なる知識の受け手ではなく、実社会で変革を起こす担い手としての成長を促す構成とした。
準備にあたっては、若手委員会や関西支部との連携のもと、大阪大学や協賛団体とも協力体制を築き、会場運営・配信環境・懇親会企画なども並行して整備している。また、参加者が多様な背景から集まることを想定し、交流の促進や継続的なネットワーク形成にも配慮した設計を心がけた。本フォーラムは、若手委員会、人材育成委員会など関連する委員会や共催連携機関のビジョンを体現する中核的な人材育成プログラムとして、今後も発展的に継続されることが期待される。実行委員会としては、2025年4月の成功に向け、引き続き準備を進めつつ、参加者一人ひとりの成長と新たなつながりの創出を支える場となるよう尽力している(事業5)。
委員長: | 川合眞紀 | |
副委員長: | 大島まり、辻 佳子、関谷 毅 | |
委員: | 田中真美、伊藤みほ、渡邉政嘉、石原直、神崎亮平、永野智己、専務理事、両常務理事 |
7)EAJフォーラム実行委員会
EAJフォーラム2024「QRコードの原点と成長 ‐地域初の世界標準事例に学ぶ‐」を、2024年6月6日第12回(通算第28回)定時社員総会、”会員が選ぶ事業貢献表彰”式典に併せ、ハイブリッド方式で開催した。現地で約40名、ウェビナーで38名が参加した。
フォーラムでは、デンソーウェーブ主席技師 原昌宏会員により、世界的普及に向けた、発明、周辺技術の整備と開発、マーケティングと商品化などでの苦労、経緯、教訓は、ハードとソフト、要素とシステム、科学技術とイノベーション、オープン・クローズド戦略など、示唆に富んだ基調講演があった。会場やウェビナー参加者から多数の質問と意見交換とがあり、会場ではフォーラム終了後も、原氏を囲んだ和やかで熱い議論が続くなど、我が国の研究力、産業競争力の強化に向けて新たな一歩を踏み出す上などでの多様な観点で、EAJならではの活気あふれる会となった(事業2、事業3、事業5)。
委員長: | 岸本喜久雄 | |
委員: | 中山智弘、谷明人 |
8)内規アップデート等検討ワーキンググループ
内規アップデート等検討ワーキンググループは、定款の事業の実施に必要な内規等の整合性が確保されることを目的に2024年11月に改組設置された。2024年度に19回のワーキンググループを開催した(第7回までは内規アップデート検討委員会(WG)としての開催)。ワーキンググループでは、委員会関係・支部関係内規等の見直し、客員会員候補者推薦手順書・入会後確認の進め方、賛助会員入会案内・入会手順の確立等の検討や、委員会副委員長の選任要請等を進め、6内規の理事会制定、6内規の理事会改定等の結果に結びつけた(事業5)。
リーダー: | 坪井裕 | |
委員: | 専務理事、常務理事 | |
アドバイザー: | 永野博、長井寿 |
2-2 組織基盤増強活動
1)会員選考委員会
年4回(2024年4月22日、7月25日、10月24日、2025年1月23日)の委員会によって会員候補者の入会審査を行なった。41名が正会員となり、会員増につながった。また、専門分野や所属組織、年齢構成、男女差等の多様化を推進した。客員会員制度については、2023年度より開始した客員会員の選考を年1回で行うことを継続した。客員会員候補者選定ワーキンググループ を開催して事前審議を行い、候補者の審査を実施した結果、2025年度には12名が入会することとなった。客員会員は2024年度初57名(海外17 名、国内40 名) から、2024年度末退会1名も考慮すると、2025年度初には66名(海外16名、国内50名)となる(事業5)。
委員長: | 岸本喜久雄 | |
副委員長: | ⻑我部信⾏、菱⽥公⼀ | |
幹事: | 北村守 | |
委員: | ||
第1分野 | 岩附信⾏(主査)、河原源太、⼩菅⼀弘、福⼭満由美 | |
第2分野 | 喜連川優(主査)、伊藤順司、北村守、寒川哲⾂、⻑⾕⼭美紀 | |
第3分野 | 佐伯とも⼦(主査)、伊藤素⾏、堤康央、古原忠、村上晃⼀、村上秀之 | |
第4分野 | 道奥康治(主査)、⼤原美保、塚原健⼀、丸⼭⼀平、⼭村真司 | |
第5分野 | 瀬川浩司(主査)、坂⻄欣也、武藤敬 | |
第6分野 | 伊藤聡(主査)、⼀村信吾、武⽥英次、渡辺美代⼦ | |
第7分野 | 養王⽥正⽂(主査)、河野美由紀、⾼⽊昌宏、津本浩平、安井正⼈ | |
第8分野 | 倉持隆雄(主査)、江上美芽、⼩⼭珠美、坂⽥⼀郎、⾼⽊真⼈、安永裕幸 |
2)会員強化委員会
2024年度当初に新たに6名の委員が加わり、活動体制を強化してスタートした。委員会は例年通り会員選考委員会開催日の約50日前の日程にて、2024年6月19日(第17回)、9月25日(第18回)、12月20日(第19回)、2025年3月14日(第20回)の4回をオンライン開催した。委員会では、EAJの各種活動の状況、および個人会員と賛助会員の現状と推薦状況の把握にもとづいて、会員発掘と推薦活動の活発化について議論を進めた。論点は、会員の分野や業界の拡大、若手会員・女性会員・企業会員の拡大方策、会費制度の改善点の提案、個人/法人会員向けEAJ活動情報の提供の進め方など、会員の強化とダイバーシティ拡大に向けた諸課題である。なお、委員会活動を通じて2024年度は、総数41名の新規正会員入会につながる推薦に貢献した(事業5)。
委員長: | 石原直 | |
副委員長: | (2024年10月まで幹事)大江田憲治 | |
担当理事: | (2024年11月から)坪井裕 | |
委員: | 天野玲子、太田光一、近藤玲子、小林信一、塩満典子、城石芳博、関谷毅、田中敏宏、辻佳子、長坂徹也、馬場直志、山本元司、藤野陽三、睦哲也、坪井裕、柚原義久 | |
アドバイザー: | 中村道治 |
3)財務・事務機能強化委員会
2024年度は、日本経済が緩やかな回復を示し、利上げが実施されるなか、物価上昇や人材確保難を背景とした賃上げが必定となる一方、将来にわたる持続的成長には、併せて、設備投資や生産性向上の具体化が不可欠となることが改めて認識された。それを受けて、営利企業では細部に至る資本効率の追求が当然となり、多寡を問わず経費の見直しが行われた。かかる状況下、収入面では厳しい現実に直面するも、2025年度以降の事業計画も踏まえて、外部受託事業の積極的な獲得を推奨すると共に、特定使途の指定寄付金制度の導入により資金調達手段を拡充した。その結果、収支は、翌年度事業の指定寄付金の前納分が寄与して、黒字となった。加えて、翌年度繁忙時の運転資金繰りを確実にする為に、2025年2月13日の理事会にて、特定費用準備資金の取崩しによる固定から流動資産への振替実施(2025年4月予定)の承認を得た。2024年定時社員総会では、事前の議決権行使の電磁化に取り組み、総会当日正会員数810に対して、議決権行使総数573(内訳:電磁事前465、書面事前106、当日2)と70.7%の投票率を達成した。定期の累積収支報告に加え、月次単位の財務諸表可視化を充実することにより、財務情報の理解深化に努めつつ、潜在リスクの共有も心掛けた。また、賛助会員については、2023年度末50→2024年度末48企業・団体となった (事業5)。
委員長: | 睦哲也 | |
担当理事: | (2024年11月から)睦哲也 | |
委員: | 城石芳博、坪井裕、井上幸太郎 | |
アドバイザー: | 中村道治、永野博 |
2-3 事務局
財務・事務機能強化委員会と連携して総会、理事会、企画運営会議の準備を進めるなど、共創基盤を活用して情報伝達・連絡などの支援業務の円滑で効率的な推進に努め、EAJ事業・活動の支援を図った(事業5)。
事務局長: | 井上幸太郎 | |
局員: | 笹間由布子、米野かおり、赤池富美子、齋藤千絵 |
3.公益目的事業に係わる活動
会員・賛助会員の拡充、多様化によるEAJ価値創生基盤の一層の強化を図り、定款第4条に定める5事業において、2024年度事業計画に基づき、計画的に公益目的事業に関わる下記の委員会活動、支部活動を円滑かつ効果的に推進した。
3-1 委員会活動
1)政策提言委員会
2024年度内に幹事会2回、委員会2回の開催し、社会・科学技術潮流や会員・賛助会員のご意見などを勘案しながら候補テーマの体系化を図り、EAJ が取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討と、トップダウン、ボトムアップ型のプロジェクトの探索を行った。
政策提言活動としては「人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育」(PL︓小泉英明)、「海洋プラスチック研究プロジェクト」(PL︓橋本正洋)、「社会、産業、人びとの生活の変容を支える電力システムの在り方」(PL︓萩本和彦、PO︓城石芳博、中村道治)のプロジェクトが進行中で、「5G/6G 時代のAI 利活用戦略(PL︓森健策、副PL︓淺間一、PO︓城石芳博、中島義和、中村道治、森本浩一)については政策提言書にまとめた。また特記事項として、緊急提言「情報学・工学分野における女性の参画を拡大する方策」、政治家と科学者の対話の会の公表「我が国がマテリアル分野で勝ち続けるために」、新技術振興渡辺記念会調査研究助成申請書「女性エンジニアの現状とこれからに関する調査研究」の査読を行った。また、支部発の政策提言プロジェクトの検討など、各支部および他委員会との活動の連携を図るべく検討を進めた(事業1~5)。
委員長: | 倉持隆雄 | |
副委員長: | 谷明人 | |
担当理事: | 淺間一、伊藤みほ、楠見晴重、塚原健一、長坂徹也、増田隆夫 | |
幹事: | 信濃正範 | |
委員: | 淺間 一、長我部信行、小泉英明、小林信一、小山珠美、久田 真、高木真人、塚原健一、永野智己、原山優子、坪井 裕、安浦寛人、 安永裕幸 | |
アドバイザー: | 石原 直、神﨑亮平、城石芳博、長井 寿、永野 博、中村道治、中山智弘 |
2)政策共創推進委員会
わが国におけるミッシングリンクである立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からのアプローチによって少しでも現実化することにより、日本の政策立案が、ますます複雑化しつつある社会の問題により適切に対処でき、国民からも信頼されるものとなることに寄与するため、2024年度は、2020年11月13日理事会で承認された活動方針に基づき、以下を実施した(事業1 〜 3、5)。
- 委員会は、2024年6月に2名の担当理事を迎え、また5名の新委員の加入を得て体制を拡充した。第9回委員会を2025年1月27日に開催し,2025年度事業計画案の審議、2024年度活動実施結果の情報共有、総合的な意見交換などを行った。これらの結果などについては、EAJ NEWS、EAJニュースレターやHPで順次公表された。活動に対する注目度が高まり、マスメディア取材、インタビューなどを受けた。
- 国会議員との意見交換として、政治家と科学者の対話の会を開催し(第9回2024年6月3日、第10回2025年3月3日)、第10回において「我が国がマテリアル分野で勝ち続けるために(共有された考えのとりまとめ)」をとりまとめ、記者会見を行ったうえで公表した。
- 参議院調査部門との共催ワークショップを開催した(第5回2025年1月22日)。
- 国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換を実施した(第5回2025年1月16日)。
- 横断的な活動を行う公的団体(9団体)と情報共有を行う「政策共創プラットフォーム」の第5回会合が2025年3月28日に開催され、委員会の活動に対する助言や提案を受けた。
- 若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの第5回目を実施した(2025年3月3日)。
委員長: | 永野博 | |
副委員長: | 長井寿 | |
担当理事: | 川合知二、谷明人 | |
委員: | 今村努、江村克己、大倉典子、加藤ジェーン、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、信濃正範、庄司裕子、城石芳博、関谷毅、高木真人、辻篤子、坪井裕、冨山哲男、中島義和、中野義彦、細野光章、牧原出、*松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)、睦哲也、森本浩一、安永裕幸 | |
アドバイザー: | *角南篤(政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、*城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター長) (*非会員) |
3)研究力強化委員会
研究力強化に関する本部などとの意見交換会を開催し、研究力強化に係る新規賛助会員企業候補、新技術振興渡辺記念会応募、国立国会図書館2025年度委託調査などへの応募候補、若手リーダー塾、JAGFOEなどとの連携・活用策などについて意見交換を行うと共に、委員会を2回開催した。委員会では、研究力指標についての現状の整理を行うと共に、研究力の強化に繋がる指標の在り方などについて議論した。今後研究力指標についての深耕を継続し、研究力の強化に繋げる(事業1~5)。
委員長: | 杉山正和 | |
担当理事: | 神崎亮平 | |
幹事: | *武見綾子 | |
委員: | 石田哲也、岡野栄之、川合眞紀、小林傳司、関谷毅、関村直人、豊田長康、永野博、中村道治、波多野睦子、松本洋一郎、山口栄一 (*非会員) |
4)科学技術イノベーション2050委員会
昨年度で科学技術・イノベーション2050委員会としての外部ヒアリングは一段落し、2050年の目指すべき将来像に向けた「科学技術・イノベーション」ロードマップを描くという目的の実現に向け、2024年度内に下記3回の全体委員会を開催し、今後2~3年の活動の目標を議論した(事業1 〜 3、5)。
- 第1回(2024年5月17日、オンライン) 今年度の活動方針について
- 第2回(8月7日、東京大学+ハイブリッド) 話題提供「デジタルツインと防災」(有川副委員長)、今後の方向性の議論
- 第3回(12月27日、東京大学+ハイブリッド) 技術の目的と社会的意義の明確化および、次年度の方向性の議論
全体委員会などで、機械学習やデジタルツインといった技術を社会の幸福度増進にどう活かすかについて熱心に議論した結果、幸福度に関する社会学的な研究成果について委員間で共有することとし、2025年度冒頭に室蘭工業大学で研究会、ならびにSTI2050としての公開シンポジウムを開催する企画を実行することとした。
委員長: | 沖大幹 | |
副委員長: | 有川太郎 | |
担当理事: | 沖大幹 | |
幹事: | 太田香、北島正章 | |
委員: | 有本建男、*伊藤栄作、大竹暁、大土井智、日下晴彦、城石芳博、玉城絵美、中島義和、永野博、行木陽子、*矢部彰 | |
アドバイザー: | 川合真紀、中村道治、藤野陽三、松本洋一郎、安永裕幸 | |
オブザーバー: | *小林治、*平川祥子 (*非会員) |
5)国際委員会
- 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
CAETS2024年次総会が、フィンランド工学アカデミーの主催、”カーボン・ニュートラル技術と社会”と題して、2024年7月1~4日にヘルシンキで開催された。EAJからは、中島義和会員が参加した。理事会及び評議会では、予算等に加え、新会長を含む新理事会メンバーが承認された。年次総会はCAETS加盟国(33ヶ国)が持ち回りで開催し、年次総会開催国がその年の会長国となる。2025年は9月8~11日に豪ブリスベンで「Generations-今後50年を見通した持続可能な未来」をテーマとして開催され、2026年は7月に独ミュンヘンで開催される。我が国での開催(2007年以来)は、2031年以降に期待されており今後調整を行う。
総会と併せて開催されるシンポジウムでは、フィンランド科学文化大臣等の挨拶に続き、「より強固なシステム観によるエネルギー転換の加速」、「漸進的変化を超えて」と題した基調講演、カーボン・ニュートラル技術、持続可能なバイオ製品開発の加速、エネルギーと社会、新しいバイオ製品のスケールアップ等のセッションが行われ、カーボン・ニュートラル技術と社会に関するパネルディスカッションで幕を閉じた(事業4)。委員長: 森本浩一 - 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA−RTM実行委員会
第27回EA-RTMが2024年11月28日にCAE主催により、”Artificial Intelligence Governance”のテーマでオンライン開催された。シンポジウム冒頭、EAJからは原山優子栄誉フェローが挨拶を行った。ホストアカデミーであるChinese Academy of Engineering (CAE)に感謝するとともに、今回のテーマである”AI のガバナンス”が非常にタイムリーなトピックである事、また3アカデミー共通の課題を抽出して議論してゆくことの意義を説く内容であった。シンポジウムでは、EAJから中島義和会員,森健策会員,原山優子栄誉フェローがそれぞれ講演を行った。円卓会議の部では、EAJからは森本前常務理事が一年間の活動報告を行った。今回の技術協力に関するアンケートの結果がCAEから説明がなされた後、次回開催案の説明を三島実行委員長が行った。次回2025年の開催はEAJがホストとなり、”In Pursuit of Well-Being in an Aging Society(案)”のテーマで2025年10月に開催する予定である(事業4)。委員長: 三島望 - 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
JAFOE実行委員会は第2回Frontier of Engineering (FoE) Japanを2024年6月14日から16日にかけて開催した。FoE Japanは過去のJAFOE参加者および現役のJAFOE参加予定者が研究分野の動向紹介ならびに運営方針の交換を行う場として2022年から実施しているものである。第2回FoE Japanは「サステナブル社会のためのエンジニアリング」をテーマに山形大学米沢キャンパスで開催され、原山優子栄誉フェローによる趣旨説明、佐々木直哉氏による招待講演のほか、古川英光会員による3Dフードプリンティングの実演など充実した内容で実施された。また第2回FoE Japanでは2023年および2025年のJAFOE運営委員長および運営委員ら全員が参加し、JAFOEの運営方針の十分な引き継ぎが行われた。なお、JAFOE実行委員会はJAFOE 2025運営のための寄付募集活動および参加者選定活動も積極的に行っている(事業4、事業5)。委員長: 金谷一朗 委員: 中島義和、古川英光、村上晃一 アドバイザー: 原山優子、森本浩一、村上秀之 - 日豪若手研究者交流促進事業:ERLEP実行委員会
第4回 環学的新学術フォーラム2024(The 4th ERLEP Trans-disciplinary Forum 2024)を2024年 11 月 21日〜22 日の日程でメルボルンにて開催した。今回は派遣型ERLEP事業を復活させ、その後日程としてフォーラム型事業である第4回フォーラムを組み合わせたハイブリッド型事業として開催した。公募によって選ばれた若手研究者3名はフォーラム直前の1週間にわたりシドニー、ブリスベンおよびメルボルンにおいて、複数の研究機関を訪問した後、メルボルンに集合しフォーラム(出席者数30名、内日本側7名、豪州側23名)に出席した。バンケットでは、在メルボルン日本国総領事館より古谷 徳郎総領事のご来賓を賜った。第5回フォーラムは2026年に日本にて開催する予定である(事業4、事業5)。委員長: 大橋俊朗 委員: 伊藤一秀 アドバイザー: 長井寿 - 日独先端工学プログラム:JAGFOE実行委員会
日米先端工学シンポジウム(JAFOE)及び日豪若手研究者交流促進事業(ERLEP)の実績をもとに、日欧の軸を構築すべく、その足掛かりとしてドイツを対象に二国間の若手研究者交流事業「日独先端工学プログラム」を推進することとした。ドイツ側は、National Academy of Science and Engineering (acatech)、Alexander von Humboldt Foundation (AvH)、Volkswagen Foundation、DAAD Regional Office Tokyoが共催機関となり、STS Forum 2024においてEAJが開催する工学アカデミー会長会議(AEPM)の機会にEAJとこれらの機関の代表者の間で意向表明書(LOI)を取り交わした。また、共同議長に成田明光氏とSarah Fischer氏が就任した(事業4、事業5)。委員長: 原山優子 アドバイザー: 永野博 - 工学アカデミー会長会議(AEPM)
2024年10月7日、STSフォーラム年次総会の一環として、「AIと工学教育」をテーマにAEPMをハイブリッド方式で開催。6カ国の工学アカデミー会長等が参加(原山国際委員長がFacilitator)。冒頭、安西会長から開会挨拶を行い、続いて、STSフォーラム小宮山議長から、歓迎の挨拶があった。会議の趣旨説明を受けて、各参加者より「AIと工学教育」に関して、各国・地域における取組の現状や今後の方向性について、プレゼンテーションが行われた。AIを巡る急速な技術革新により、人間の知的活動に幅広い変革がもたらされ、その可能性に大きな期待が寄せられる一方、ELSIや著作権侵害、偽情報による混乱など、様々な懸念やリスクが顕在化。生成AIの活用が広がる中で、人間中心の観点を重視しつつ、工学教育における整合性のあるルール作りや実践事例の共有等について、意見交換を実施した(事業5)。委員長: 森本浩一
国際委員会 | ||
委員長: | 原山優子 | |
副委員長: | 森本浩一 | |
担当理事: | 田口康 | |
実行委員会: | 森本浩一(CAETS)、三島望(EA-RTM)、金谷一朗 (JAFOE)、大橋俊朗(ERLEP)、永野博(JAGFOEアドバイザー) | |
委員: | 伊藤一秀、杉山正和、中島義和、古川英光、村上晃一、村上秀之(JAFOEアドバイザー) | |
アドバイザー: | 岸輝雄、小泉英明、長井寿、永野博、中村道治 |
6)人材育成委員会
2024年度は委員長、副委員長などが交代し、新体制で、アドバイザーとの打ち合わせ会、委員会をそれぞれ1回開催するとともに、内規見直しなどに関してメール審議を実施した。
特記事項として、若手リーダー塾実行委員会、若手委員会と連携して、第2回若手リーダー塾としてフューチャーリーダーズフォーラム”国際人材へ成長する新たな視座”の企画・立案をした(事業5)。
委員長: | 辻佳子 | |
副委員長: | 大村直人 | |
担当理事: | 渡邉政嘉 | |
委員: | *小豆畑茂、犬塚隆志、上野晴樹、大江田憲治、大嶋正裕、大村直人、坂田東一、瀬戸口剛、染谷隆夫、高山誠、長坂徹也、久枝良雄、水谷法美、安永裕幸 | |
アドバイザー: | 石原直、大島まり、金谷一朗、岸本喜久雄、小林信一、城石芳博、中島義和、中村道治、村上秀之、横山直樹 (*非会員) |
7)若手委員会
2024年度は、急速に進展するデジタルトランスフォーメーションや複雑化する社会における新たな課題に向き合い、工学の未来に関する議論を若手ならではの視点から喚起することを目指して活動を行った。特に、20代から30代前半の若手研究者・技術者が活躍できる環境整備を最重要テーマに据え、委員会内外の対話を通じて、持続可能な社会やイノベーション創出に資する人材育成の在り方を多角的に検討した。
2023年度から新たに委員に加わった30代の若手研究者10名を中心に、今年度は3回にわたる討論会を開催。若手研究者を取り巻く課題(研究資金や研究基盤の在り方、キャリアの多様性、研究と生活のバランスなど)を共有しながら、研究者自身が社会課題の解決や価値創出に積極的に関与できる環境について議論した。また、単なる問題提起にとどまらず、次世代が持続的に成長・挑戦できる制度や支援策のあり方にも議論を広げ、委員会としての発信に向けた論点整理を進めた。
さらに、若手委員会では国際化や世界で活躍できる人材の育成を重視し、2025年4月に開催を予定している「第2回EAJ若手リーダー塾 “EAJフューチャーリーダーズフォーラム ~未来を拓く国際人材へ成長する新たな視座~”」の準備を進めてきた。本企画は、企業・大学・官公庁の次世代リーダー候補が一堂に会し、国際的視野と実践的な知見を持つ講師陣との対話を通じて、新たな学びとネットワークを得ることを目的とする。開催に向けては、若手委員会の新メンバーとも密に意見交換を重ね、現場の若手が真に求める成長機会とは何かを問い直しながら、実践的なプログラム設計を進めた。
これらの活動を通じて、若手の声に根ざした議論を起点に、政策提言や社会発信へとつなげる基盤が着実に整いつつある。若手委員会は今後も、異なる立場・分野を越えた対話と共創を促進し、未来の工学と社会に貢献する人材育成と環境整備に取り組んでいく(事業5)。
委員長: | 関谷毅 | |
副委員長: | 永野智己 | |
担当理事: | 関谷毅 | |
委員: | *小川純、*小野悠、伊藤一秀、川原圭博、*鈴木裕之、*竹内雄一郞、*多田隈建二郎、*永谷圭司、*成瀬彰、*沼澤修平、*畠山智行、*馬場雪乃、*林浩平、古川英光、松尾豊、*松塚貴英、*保田淑子、*山内元貴 | |
アドバイザー: | 嘉門雅史、中島義和、中村道治 (*非会員) |
8)ジェンダー委員会
2024年度は5回の委員会を開催するとともに、内規確認、緊急提言、第8回シンポジウムなどに関してのメール審議、および、第8回ダイバーシティに関するGood Practice「藤田あき美先生(a.k.a 天文物理学者BossB)にインタビュー」を実施した。
特記事項として、安西祐一郎会長との意見交換会を開催し、議論の結果を緊急提言「情報学・工学分野における女性の参画を拡大する方策」として発出した。関連して、2025年3月7日には、理工学系女子学生の大学院進学問題をとりあげ、女子学生の数と企業の必要枠のギャップが分野、地域ごとに異なることなどに着目し、第1部で、受け入れ側の大学側が整備すべき取り組みについて、第2部で、研究者の登竜門となる大学院進学の段階において、研究職を志す女性の底上げについて議論する第8回ジェンダーシンポジウム「理工系女子学生はなぜ大学院に進学しないのか?」を開催した。さらに2024年度の活動方針である「ジェンダー委員会内での知識共有: 各界のダイバーシティ関係の知見を共有し、委員の啓発ならびに視野を広げ、多様性のある活動推進に役立てる」の一環として第1回ジェンダー委員会勉強会を実施した。今後、更なる活性化につなげる(事業1~3)。
委員長: | 行木陽子 | |
副委員長: | 城石芳博、川村みどり | |
担当理事: | 行木陽子 | |
幹事: | 鹿野豊、田中真美 | |
委員: | *伊藤貴之、*榎原毅、大倉典子、塩満典子、玉田薫、辻ゆかり、鳥居塚崇、中島義和、中村淳、森田純恵 | |
アドバイザー: | 石原直、大野英男、陳迎、辻佳子、長坂徹也、原山優子、平尾明子、森勇介、渡辺美代子 | |
卒業した学生委員: | *秋山茉莉子、*寺林稜平、*佐々木勇輔、*Jin Yi、*堀内榛香、*峯村 梓、*依田みなみ (*非会員) |
9)広報委員会
2024年度は2回の委員会を開催するとともに、6回のパンフレット作製などに関するメール審議を実施し、以下の活動を行った(事業3)。
- EAJの季刊誌「EAJ NEWS」を4回、活動報告2023/2024、39件のEAJ ニュースレターを発行するなど、積極的な情報発信を行った。
- 見開き4ページのEAJパンフレット2024を作成し、支部・委員会に1,000部配布し、広報活動に活用した。
- パンフレットの表紙を活用してHPを刷新、さらに協賛金(寄附金)ご支援のお願いを掲載するなど、依頼数ベースで年間247件ホームページを更新するなど、会員サービスの一層の向上に務めた。
委員長: | 安永裕幸 | |
副委員長: | 城石芳博 | |
担当理事: | (2024年11月から)睦哲也 | |
委員: | 岡田益男、小野由理、金谷一朗、小山珠美、田中敏宏、辻 佳子、原邦彦 |
3-2 支部活動
地区活動は 1993 年に始まり、2011年に九州支部、2012 年に北海道・東北支部、2016 年に中部支部、2018年に関西支部が設立された。2020年に北海道支部が北海道・東北支部から発展的に独立し、各地区の特質に根差した発展に貢献すべく、産学官民連携による5支部体制で活動中である。今後、上記以外の地域においても、地区講演会の開催などを通じて、地域の活性化の基盤と会員の増強に努め、全ての地域で支部を結成し、EAJならではの活動を会員の居住地で行うとともに、会員ゼロの県をなくす努力を継続する(事業5)。
支部担当理事 | ||
北海道支部 | 瀬戸口剛 | |
東北支部 | 田中真美 | |
中部支部 | 岩井善郎 | |
関西支部 | 大村直人 | |
九州支部 | 久枝良雄 |
1)支部長会議
これまでの情報共有議論に加え、一層の委員会と支部との連携強化、エンゲージメントの向上、産業界出身会員拡充などにつげることを目的に、2024年11月13日にオンライン第7回支部長会議を開催し、支部、委員会、本部間の意見交換を行った(事業5)。
国際連携に係る支部のノウハウの共有、高校生などを対象にした表彰制度によるEAJのプレゼンス向上、支部開催による「政治家と科学者の対話の会」の開催、諸会議の効率的な運営方式の在り方、研究力強化に係る支援策の検討と提言、企業の非会員との日頃の連携と企業トップに訴求しやすいEAJメリットの明確化、活動概要やパンフレットのアップデート、産業界トップとの繋がりの再強化、中小企業対象の報奨制度の活用、企業が興味を持ってくれるような企画の立案、システムとして多様な分野を統合した事業観に基づく目標設定・地域連携の事例の収集・発信と実践、本部、支部、委員会の連携強化による一層の事業活性化、など示唆に富む議論が活発に行われた。EAJ諸活動の一層の活性化に活用する(事業5)。
2)北海道支部
42 名(正会員41名、客員会員1名)
- 新たな試みとして研究発表会を開催した。
第1回研究発表会(2025年1月21日)(安西祐一郎会長参加) - 共催シンポジウムを以下のように開催した。
・「先端半導体が拓く未来社会と人材育成」(2025年2月14日)
・「産学共創によるイノベーション創出~大学・日本再生への道とは~」(2025年3月21日) - 協賛講演会を以下のように開催した。
・米国航空宇宙研究者講演会「世界の宇宙産業のチャレンジ」(2024年7月17日)
・「ジェンダード・イノベーションのためのデータサイエンスと可視化」(2024年8月29日) - 活動: NICHe未来科学オープンセミナーの協賛など
支部長: | 瀬⼾⼝ 剛 | |
副支部長: | 榮坂俊雄 、幅崎浩樹 、松田瑞史 | |
専務理事: | 川村みどり |
3)東北支部
104名(正会員97名、客員会員7名)
- 講演会を以下のように主催した。
・「産学共創によるイノベーション創出~大学・日本再生への道とは~」(2024年3月21日) - 講演会を以下のように共催した。
・日本工学アカデミー(EAJ) JAFOE実行委員会主催「サステナブル社会のためのエンジニアリング」(6月14日) - セミナー、研究会などを以下のように協賛した。
・東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)「未来科学オープンセミナー」7回開催
2024年:5月31日、6月21日、7月26日、9月6日、10月3日、11月14日
2025年:1月 7日
・北海道大学工学研究院主催(米国航空宇宙研究者講演会)「世界の宇宙産業のチャレンジ」(2024年7月17日)
・北見工業大学ダイバーシティ推進室主催「ジェンダード・イノベーションのためのデータサイエンスと可視化」(2024年8月29日)
・北海道工学教育協会主催研究集会「先端半導体が拓く未来社会と人材育成」(2025年2月14日) - 活動: 令和6年度第1回東北支部理事会開催(2025年3月21日)
支部長: | 神本正行 | |
副支部長: | 長坂徹也、岡田益男 | |
専務理事: | 足立幸志 |
4)中部支部
78名(正会員75名、客員会員3名)
- 講演会を以下のように主催した。
・第20回EAJ中部レクチャ-「リベラルアーツと工学の融合、未来社会への提言」(2024年9月20日) - 講演会を以下のように協賛した。
・EAJ関西支部 第12回講演会「工学と教養 -常識を疑う常識-」 (2024年9月 27日)
・EAJ関西支部 第13回講演会「科学と技術の融合が生み出す量子コンピュータ研究の最前線」(2024年12月 16日) - 活動:中部支部では「未来社会を工学する」の理念をもとに、支部の特徴を活かした活動を企画・実施し、会員間の連携の活性化と産学間の繋がりの強化に努めてきている。
・EAJC通信 第8号発行
支部長・運営委員会委員長: | 林良嗣 | |
副支部長: | 岩井善郎、太田光一、原邦彦 | |
幹事長: | 葛漢彬 | |
副幹事長: | 辻篤子 | |
企画推進部会委員: | 伊藤みほ、太田光一、川澄未来子、葛漢彬 | |
企業連携部会委員: | 下山勲、水谷法美、原邦彦 | |
広報・アーカイブ部会委員: | 岩井善郎、辻篤子、八重樫武久 |
5)関西支部
109 名(正会員101名、客員会員8名)
- 運営委員会を以下のように開催した。
・2025年3月14日、25日、27日 - 講演会を以下のように開催した。
・2024年9月27日:日本工学アカデミー関西支部第12回講演会「工学と教養ー常識を疑う常識ーSDGs,グローバリズム,アントレプレナーシップ,・・・」(神戸大学大学院工学研究科・オンライン併用開催)
・2024年12月16日:日本工学アカデミー関西支部第13回講演会「科学と技術の融合が生み出す量子コンピュータ研究の最前線」(大阪大学南部陽一郎ホール・施設見学会同時開催) - 講演会を以下のように協賛した。
・2024年9月20日:第20回 中部レクチャー「リベラルアーツと工学の融合、未来社会への提言」
支部長: | 田中敏宏 | |
委員(幹事): | 立川康人、大政健史、小池淳司 | |
委員: | 尾上孝雄、大村直人、和田成生、河原克己、松村浩一、堤和彦、石出 孝、小田一郎 |
6)九州支部
51名(正会員46名、客員会員5名)
- 次のように講演会を2回開催した。
・2024年10月30日:日本工学アカデミー九州支部 2024年度講演会
講師: 辰己 丈夫 氏、小山内 康人 氏
会場: 九州大学筑紫ホール(九州大学筑紫キャンパス 総合研究棟1F)
・2024年12月13日:熊本高等専門学校出張講演会
講師: 平井 康之 氏
会場: 同校3年生を対象としたハイブリッド開催(同校熊本キャンパス1号棟 ICTホールおよびオンライン) - 次のとおり共催・後援シンポジウム等を開催した。
・九州工学教育協会との共催シンポジウム
2025年2月4日:第17回 九州工学教育協会シンポジウム 「九州の大学・高専における半導体産業の人材育成」、会場:ハイブリッド開催(リファレンス駅東ビル2F会議室Y-1およびオンライン配信)
・インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラムとの後援イベント
2024年10月9日:第10回ピッチイベント「広域、複数、多分野のインフラ群の一体的マネジメントへの総力戦」、会場: ハイブリッド開催(福岡国際会議場およびオンライン配信)
支部長: | 山田淳 | |
副支部長: | 髙松洋、谷口功、日野伸一 | |
ほか、理事及び名誉理事、名誉顧問 |
7)その他
EAJならではの活動を全地域で行うべく、中国・四国支部の設立に向け、地域の特長を生かした多様な会員の増強を行った(事業5)。