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公益社団法人 日本工学アカデミー

日本工学アカデミーは、工学・科学技術全般の発展に寄与する目的で設立された産学官の指導的技術者の団体です

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Phone: 03-6811-0586
〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町二丁目7番3号 HKパークビルⅢ 2F

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会長からのメッセージ

会長 安西 祐一郎
日本工学アカデミーの役割

当アカデミーの活動にご尽力いただいたすべての皆様に厚く御礼申し上げます。また、1987年の発足以来38年にわたりご指導ご支援をいただいてまいりました多くの方々に、この場をお借りして改めて深謝申し上げます。
当アカデミーは、科学技術の分野に豊富な経験と業績を持つ条件で選ばれた会員のボランティア活動と当アカデミーの趣旨に賛同いただいている賛助会員の多大なご支援によって支えられている、日本を代表する独立したアカデミーであります。このHPでご覧いただけますように、各支部の活発な活動や各国の代表的な工学アカデミーなどとの国際交流を含め、科学技術にかかわる広範な活動を続けております。
その一方で、国内では、1990年代から明白だった急速な少子化がようやく世間の口にのぼるようになりました。政治、経済、産業、生活、教育、そして科学技術の在り方、すべてにわたって大きな社会転換の必要なことが露わになっています。また、社会構造の転換には経済成長が必要なことも明らかになりつつあります。「失われた30年」のさきに多少の光が見えている今こそが、社会の転換と経済の成長に向けて抜本的な舵を切る時期であります。
国際社会では、戦争や紛争が絶えない中で、大国の行動が世界の行方を左右する状況が露呈しています。また、イギリス、フランス、ドイツ、そしてアメリカが長い間主導してきた西欧的民主主義が後退し、実利主義に傾斜するグローバルサウス諸国が台頭しています。日本が欧米とグローバルサウスの間の調停役としてどんな立ち位置を築けるか、この課題は、日本の安全保障だけでなく世界の安定に寄与する、これからの大きなテーマであります。
当アカデミーは「人類の安寧とより良き生存のために、未来社会を工学する」というモットーを掲げていますが、国内の社会と国際社会がともに時代の大きな転換期にあるなかで、このモットーは、以前に増して大きな意味を持つようになっています。日本と世界の歴史的転換期を乗り越えるには、人類の安寧とより良き生存という目標に向けて社会を変革する-つまり工学する-ことが必須だからです。
このことは、科学や工学に直接かかわる研究者、開発者、技術者などだけに限ることではありません。政治家、政策担当者、自治体関係者、経営者、一般の生活者、男女を問わず、年齢を問わず、誰に対しても言えることです。
日本工学アカデミーは、独立した科学と工学のアカデミーとして、社会をリードし社会を支える多くの方々とともに、この混沌とした時代を乗り越えるための活動を積極的に続けてまいります。今後ともご指導ご鞭撻ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2025年 6月 5日

(公社)日本工学アカデミー 会長

安西 祐一郎

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