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公益社団法人 日本工学アカデミー

日本工学アカデミーは、工学・科学技術全般の発展に寄与する目的で設立された産学官の指導的技術者の団体です

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会長からのメッセージ

会長 小林 喜光
2022年 年頭のご挨拶

明けましておめでとうございます。
昨年は日本の社会全体でカーボンニュートラル実現に向けての議論が加速し、まさに「カーボンニュートラル元年」とでも言うべき年でした。10~11月には英国グラスゴーにおいてCOP26が開催され、「グラスゴー気候合意」では温室効果ガスの排出削減対策のとられていない石炭火力発電の段階的削減へ努力するとしました。当面は太陽光発電、風力発電、電気自動車など予測可能な技術を普及拡大する取り組みが主となるでしょうが、電源構成の3割を石炭火力に頼る日本では水素やアンモニアの燃料活用も着実に推進していく必要があります。
2050年のカーボンニュートラル実現には、人工光合成やダイレクトエアキャプチャーなど飛躍的なイノベーションの社会実装が欠かせません。産業界においては産業構造の大変革が求められ、グリーントランスフォーメーション(GX)に真剣に取り組んでいく必要があります。そして社会全体では、化石資源の大量消費をよりどころとする従来の価値観からの大転換が必要です。
また、2021年のノーベル物理学賞を真鍋叔郎氏とクラウス・ハッセルマン氏が地球気候を物理的にモデル化し、変動を定量化して地球温暖化の高信頼予測を可能にした業績で受賞されました。そして2021年のノーベル経済学賞はアメリカの三人の研究者による自然実験と呼ばれる手法を使って最低賃金引上げが労働市場に与えた社会的影響を定量的に分析した業績に授与されました。ノーベル賞で顕彰されるような基礎科学でさえ、コンピュテーショナルなプロセスを通じて人類の具体的な諸問題の解決に正面から立ち向かわざるを得ない時代を迎えているのだと思います。
未だにパンデミックの終息が見通せない状況が続いておりますが、政策決定の過程において政治と科学の連携の在り方について問われ、科学によって答えを出すことが難しいトランス・サイエンスの問題も露呈しました。真理の見極めに多くの時間を要する時間軸の問題も顕在化しました。これらが大いに考えるべき問題であることを、我々はコロナによって教えられたのです。一方で、技術の進歩に伴ってELSIに関する議論を深めていく必要性もますます高まっており、人文・社会科学も含めて多岐にわたる知見を総動員するための異分野連携の推進も欠かせません。
地球環境、DX、パンデミックなど大変革の時代だからこそ、本アカデミーでは今まで以上に、政策提言の発信と社会実装の推進に真剣に取り組んでいく使命があります。「人類の安寧とより良き生存のために、未来社会を工学する」という高い理念に根差した活動を皆様とともに推進していく所存です。
会員の皆様のさらなるご健勝とご活躍を祈念し、新年のご挨拶といたします。

2022年 1月 1日

(公社)日本工学アカデミー 会長

小林 喜光

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