本報告では、1章で、定款第4条5事業に関わる活動概要について総括し、これら5事業を担当する日本工学アカデミー組織(事業報告最終ページに記載)である委員会、支部それぞれの、法人運営、公益目的事業に係わる活動について2章、3章で詳細に説明する。
1.2023年度の総括
2020年度に始まった小林喜光会長体制は、新型コロナウィルス感染症によるパンデミックの時期と重なったが、これまで36年間育まれてきたアカデミーとしての存在意義を自覚しながら、『人類の安寧とより良き生存のために、未来社会を工学する』という高い理念やパーパスに基づく事業成果の発信とその社会実装の支援活動をさらに加速する好機と捉え、定款5事業の推進の一層の活性化を図ってきた。
最終年度となる2023年度には、コロナ感染症の社会的終息に伴う対面行事が急増し、支出・業務量の増大による資金・人的リソース難に悩まされることになった。そこで、社会の在るべき将来ビジョンを洞察し、社会、産業界、学界が直面している多様な課題の把握と、その解決に向けた会員・組織・財務事務基盤の強化を図り、総合知を尽くして先見性・創造性のある調査研究を行った。これにより、国立国会図書館、渡辺記念会などからの調査研究受託の強化を図ることができた。さらに、月次予算管理手法の導入、指定寄付金取り扱い規定の検討など、財務・事務機能の一層の向上を図り、創立40周年に繋がる法人事業基盤の一層の強化を図ることができた。
これらにより、公益事業活動では、オンラインも活用したプロジェクト、談話サロン、賛助会員企業とのラウンドテーブル、国会議員との対話の会、内外でのフォーラム・シンポジウム、メディア対応を含めた広報活動、などを実施することで、政策提言を地域、国内外に広く発信するとともに、普及啓発、国際交流活動を行った。定款第4条5事業活動に関する、これら代表的成果は下記の通りである。
(事業1) 創造的革新技術の萌芽の模索、評価等による、先見性・創造性のある基礎研究の推進のための調査研究、提言等に関する事業
- 政策提言委員会:先見性・創造性のある基礎研究の推進のための、「未来社会に向けた重点検討課題(大括りテーマ)」の整理、政策提言プロジェクト候補テーマの体系化を図ると共に、「人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育プロジェクト」(渡辺記念会調査研究受託)、「社会、産業、人々の生活の変容を支える電力システムの在り方」(略称:EAJ電力プロジェクト)推進中。
- 科学技術・イノベーション(STI)2050委員会:研究力強化委員や政策提言委員なども交え、研究力の強化を図る方法について、現場視点で有効な方策を議論中。
- 若手委員会:政策提言委員会のマテリアル科学プロジェクトと連携し、国立国会図書館「マテリアル科学」調査プロジェクトの受託に貢献、公開ワークショップを開催し、マテリアル科学報告書を取り纏めた。
(事業2) 社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する事業
- 国際委員会:AEPMで「AIの健全な発展と信頼して活用できるAIシステムの構築、効果的な利活用の推進」を表明。
- 政策提言委員会:具体的問題の把握とその解決に結び付く、「未来社会に向けた重点検討課題(大括りテーマ)」の整理、政策提言プロジェクト候補テーマの体系化を図ると共に、「5G/6G 時代のAI 利活用戦略プロジェクト (渡辺記念会調査研究受託) 」推進中。
- 政策共創推進委員会:「政治家と科学者の対話の会」で得られた、社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する知見などを「3年間の自己評価・EAJへの提言」として取り纏めて発出。
- 賛助会員企業ラウンドテーブル準備委員会:アンケートに基づき「生成AIの現状、課題と利活用戦略」をテーマとする第7回賛助会員企業ラウンドテーブルを開催(10社、計25名参加)。
(事業3) 工学及び科学技術に関連する問題についての普及啓発活動に関する事業
- 広報委員会:「ミューオンと工学の未来」特集号などのEAJ NEWS 4回発行、パンフレット作成・配布、メルマガを依頼数ベースで年間約40件弱発行、メディア掲載頁新設など普及啓発活動を推進。
- 政策共創推進委員会:国会議員との対話の会を4回開催し、米国現地調査を実施し、次世代人材による国会議員へのインタビューを実施した。またこれまで活動の集大成として、3年間の自己評価・EAJへの提言を取り纏めて発行するなど、メディア対応の活性化を図った。
- ジェンダー委員会:「無意識のジェンダーバイアスとイノベーション」ジェンダーシンポジウム、Good Practiceなどを実施し、共創強化に向けた支部長との意見交換会を開催した。
(事業4) 工学及び科学技術の分野における国際交流の推進に関する事業
- 国際委員会:国際工学アカデミー連合CAETSに参加し、2031年ごろの日本での総会開催を提案し、さらに東アジア工学アカデミー円卓会議EA-RTM、日米先端工学シンポジウムJAFOE、工学アカデミー会長会議AEPMを開催した。
- 政策提言委員会:未来社会に向けての重点課題(大括りテーマ)を策定し、支部長・委員長会、賛助会員RTで共有した。
- 支部:下期に科学技術・イノベーション政策研究会の第3分科会(STI for SDGs)と連携、WTC ForumにEAJ Sponsorshipで参画し、中部支部 林支部長が基調講演を実施した。
(事業5) その他本法人の目的を達成するために必要な事業
- 社員総会:オンラインで開催し、監査報告、2022年度事業報告、 2022年度収支決算を可決し、2023年度事業計画の報告などを実施した。
- 理事会:5回開催し、経営全般、役員分掌、職務執行状況報告2回、会員入会、委員会・プロジェクト設置、委員長・リーダー選任、提言・報告書、支部長会議、客員会員制度見直しなど国際活動活性化、フォーラム・シンポジウム、共催・協賛、などの審議、決議を実施した。
- 企画運営会議:8回開催し、5事業関連運営事項 (2023年度事業、予算執行、自己職務執行状況確認、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、会員入会案、報告書、他) などを審議し、理事会に上程した。
- 人材育成/若手リーダー塾実行委員会:卒業生対象のOB/OG会、第2回若手リーダー塾は来年度に対面で開催する方針とした。
- 企画推進グループ:公益目的事業活動 (談話サロン、新入会員ガイダンス、事業貢献賞)などの企画・推進(運営支援)を実施した。
- 財務・事務機能強化委員会:月次報告の徹底により正味財産健全化、特定費用準備資金の在り方検討、指定寄付金取り扱い規定の検討 など円滑な公益活動の支援を実施するとともに、IT環境効率化などを推進した。
- 広報委員会:EAJ NEWS企画、支部などから要請のあったEAJパンフレット作製などを実施した。
- 会員強化/会員選考委員会:連携を密に多様な会員増強を実施した(正会員:年度初817名→年度末834名、客員会員:年度初50名→年度末50名、賛助会員:年度初49社・団体→年度末50社・団体)。
- 会長候補者推薦委員会:次期委員長候補者などと顧問会議で意見交換を行った。
- 支部:本部・支部長・委員長会議、企画運営会議・理事会で支部活動総合報告(シンポジウム、レクチャ、セミナーなど)などを持ち回りで実施するとともに、各支部・各委員会の活動・取組状況や課題などの情報共有に加え、連携企画の在り方、提案等について意見交換、連携強化を行った。
- 社員総会/EAJフォーラム実行委員会:古川俊治参議院議員から来賓挨拶、澤芳樹会員から基調講演を頂いた「再生医療の最前線」に関する第6回EAJフォーラム(145名参加)、大野敬太郎衆議院議員から来賓挨拶を頂いた賀詞交歓会対面開催(約70名参加)を実施、総会電磁化、EAJ事業貢献表彰の企画、運営を行った。
- 副会長会議:IT環境の抜本的改善、次期理事候補選定、収入増施策案等について審議した。
- 戦略的国際対応実行委員会:EAJ事業の活性化のため客員選考制度(海外、国内)の在り方について議論。内規に反映。
- 選挙管理委員会:理事任期満了・改選に向け、中西友子顧問を委員長とする選挙管理委員会を発足し、予備投票を実施した。
- 新支部設立準備委員会:全地域で支部を結成、EAJならではの活動を居住地で行うべく、中国・四国支部設立に向けたキックオフを開催した。
2.法人運営に係わる活動
下記の通り、会員・賛助会員の拡充、多様化によるEAJ価値創生基盤の一層の強化を図り、定款第4条に定める5事業において、法人運営に関わる企画推進、組織基盤増強、事務局活動を円滑かつ効果的に推進した。
2-1 企画推進活動
1)社員総会
2023年度も、2022年度と同様に、採択については事前の議決権行使を基本とする、第11回(通算第27回)定時社員総会を2023年6月2日(金)に開催した。定款第15条1項の規定により小林喜光会長が議長を務めた。議長はWEB会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることを確認して議案の審議に入った。当日在籍正会員814名中、議決権行使書提出者を含む出席正会員518名が確認され、定款第17条1項の規定を満たしているので、総会は成立している旨の報告が事務局よりあった。引き続き、定款第19条2項が規定する議事録署名人として、議長に加え、議長提案の菱田 公一理事、城石 芳博理事、行木 陽子理事が異議なく選出された。議事は下記の通りである。
(1) 辻 篤子監事より、業務及び会計は適正に処理されている旨の監査報告があった。(2) 第1号議案「理事の選任の件」:社員総会議案書の第1号議案に基づき説明があり、出席正会員総数518名、賛518、否0名、無効0名により、承認可決した。(3) 第2号議案「2022年度(自令和4年4月1日 至令和5年3月31日)事業報告承認の件」:社員総会議案書の第2号議案に基づき説明があり、出席正会員総数518名、賛518名、否0名、無効0名により、承認可決した。(4) 第3号議案「2022年度(自令和4年4月1日至令和5年3月31日)収支決算承認の件」:社員総会議案書の第3号議案に基づき説明があり、出席正会員総数518名、賛518名、否0名、無効0名により、承認可決した。(5) 報告案件「2023年度事業計画及び収支予算の報告」:社員総会議案書に基づき報告した。本年総会はすべての議事を終了して閉会となった。以上の総会議事は議事録にまとめられ、議長及び議事録署名人により記名、押印された (事業1~5)。
なお総会に合わせ、会員近況報告紹介、事業貢献表彰、古川俊治参議院議員から来賓挨拶、澤芳樹会員から基調講演を頂いた「再生医療の最前線」に関する第6回EAJフォーラム(145名参加)を実施した (事業1~5)。
2)理事会
企画運営会議からの提議を受け、通常理事会を5回(2023年5月11日(木)、2023年6月2日(金)、2023年8月24日(木)、2023年11月24日(金)、2024年2月29日(木))開催し、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項について審議・議決した (事業1〜5)。
2023年度の主な議決事項は、2023年度定時社員総会における決議案(2022年度事業報告、収支決算、監査報告)、2024年度展望・事業計画と収支予算案、理事及び監事候補の選任案、役員分掌案、国立国会図書館/渡辺記念会調査研究応募・報告案、特定費用準備資金の在り方案、中国・四国支部設立に向けた委員会設立・キックオフ、会員・賛助会員の入退会・休会、客員制度見直しなど国際活動活性化策、委員会委員長・委員の選任案、支部長・委員長会議議案、重要行事企画・EAJ News報告案、理事会議事録、内規案、プロジェクトなどの活動報告書案、EAJ40周年にむけた4年間の自己評価案、2024年6月定時社員総会開催要領(電磁化含む)案、理事会等主要行事日程案、共催依頼案などである。なお、5月および11月理事会で、会長、副会長、専務理事および常務理事による自己職務執行状況報告がなされた (事業1〜5)。
主な報告事項は、退会・逝去、会費納入状況、月次予算執行状況、固定資産・流動資産の推移、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、ホームページ閲覧状況、他団体主催行事に対する協賛・後援・協力依頼等である。また2024年2月には顧問会議を開催し、4年間の活動をまとめて報告し、様々な助言をいただき、活動計画に反映した (事業1〜5)。
会長: | 小林喜光 | |
副会長(会長代理): | 菱田公一 | |
副会長: | 川合眞紀、岸本喜久雄、安西祐一郎 | |
専務理事: | 城石芳博 | |
常務理事: | 森本浩一、睦 哲也(常勤) | |
理事: | 天野玲子、石川憲一、江村克己、大村直人、沖大幹、笠原博徳、神本正行、川合知二、楠見晴重、倉持隆雄、小林信一、小山珠美、関谷毅、瀬戸口剛、平朝彦、塚原健一、長坂徹也、中山智弘、行木陽子、平尾明子、増田隆夫、村上雅人、八重樫武久、安浦寛人、安永裕幸 | |
監事: | 辻篤子、林秀樹 |
3)企画運営会議
2023年度内に、8回(2023年4月26日(水)、2023年6月21日(水)、2023年8月2日(水)、2023年9月20日(水)、2023年11月1日(水)、2023年12月20日(火)、2024年2月7日(水)、2024年3月27日(水))開催し、その都度、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項・課題の審議、確認を行い、理事会議決・報告案件とした。2023年度の委員は下記の通りである (事業1~5)。
主な審議案件は、会員・賛助会員入会案、休会案、EAJ40周年に向けた『4年間の自己評価』 案、会長・副会長・専務/常務理事自己職務執行状況、国会図書館・渡辺記念会などの受託調査研究の提案・報告案、支部・委員会活動活性化・内規修正案、叙勲推薦制度明文化案、次期理事・監事候補者名簿案(委員限定)、役員分掌案、特定費用準備資金見直し案、委員会委員長・委員の交代・追加案、定時社員総会(電磁化含む)・理事会・顧問会議・副会長会議・支部長/委員長会議、および、事業貢献表彰・EAJフォーラム・賀詞交歓会・賛助会員ラウンドテーブル・新入会員ガイダンス・談話サロン・ジェンダーシンポジウム・政策提言プロジェクト・パンフレット・中国四国支部設立に向けたキックオフなどの重要事業・行事の企画・EAJ News報告案、理事会等主要行事日程案、企画運営会議議事録案、2023年度事業報告/2024年度展望・活動方針・予算案(内閣府対応含む)、公認会計士、独立監査人に関する契約確認、共催依頼案、などである (事業1~5)。
また併せて、退会・逝去、会費納入状況、月次予算執行状況、固定資産・流動資産の推移、EAJ主催事業/実行委員会/委員会/プロジェクト/支部などの活動報告・行事予定案内、未来社会に向けての重点課題(大括りテーマ)案、独立監査人監査・監事監査報告、協賛・後援・協力依頼等の名義使用の確認などを実施し、審議案件と併せて理事会に提議した (事業1~5)。
委員長: | 小林喜光 | |
委員長代理: | 城石芳博 | |
委員: | 菱田公一、川合眞紀、岸本喜久雄、安西祐一郎、中島義和、中山智弘、睦哲也、森本浩一、安永裕幸、井上幸太郎*(大堀 洋**) *2023.04~2023.09、**2023.10~2024.03 |
4)企画推進グループ
2023年度は、以下の通り、(A)法人運営に係る活動では、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会と連携した、組織基盤安定化の企画・推進の支援活動、(B)公益目的事業に係る活動では、社会・市場・技術潮流や、会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの活動の企画・推進を実施した (事業1~5)。
(A)法人運営に係る活動
組織基盤安定化による共創活動の一層の活性化をめざし、以下の活動を行った。
- 財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会などと連携し、事業貢献賞などを企画・開催し、エンゲージメントの向上、事業活性化を支援 (事業5)。
- 広報委員会と連携し、パンフレットの作成などを支援 (事業5)。
(B)公益目的事業に係る活動
各事業間、産学官の連携強化を促進に努め、以下のEAJならではの活動の企画・推進を行った。
- 実行委員会などの企画、運営を支援:EAJ40周年に向けた『4年間の自己評価』、および、中国・四国支部設立委員会など支部活動活性化を図る提案取り纏めなどを支援、企画運営会議、理事会に上程 (事業5)。
- 社会・市場・技術潮流や、会員、賛助会員、支部、他委員会などからの意見を参考に、2024年1月賀詞交歓会・EAJフォーラムなどの企画、運営を支援 (事業2) (事業5)。
- 第6回、第7回新入会員ガイダンスを企画・開催、会員選考委員会、会員強化委員会、財務・事務機能強化委員会などと連携して実施、自己紹介・アンケートなどで会員間連携・活性化促進など支援 (事業5)。
- 新入会員ガイダンスと連携した第196、第197回談話サロン企画・実施 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
- 賛助会員企業ラウンドテーブル準備委員会と連携し、第7回EAJ賛助会員企業ラウンドテーブルなどのEAJ主催活動の企画・推進を支援 (事業2) (事業3) (事業5)。
- 広報委員会と連携し、ホームページアップデートなどを支援 (事業3) (事業4) (事業5)。
- ジェンダー委員会などと連携し、ジェンダーシンポジウム開催などを支援 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
リーダー: | 中山智弘 | |
委員: | 長期ビジョン・事業計画担当:城石芳博 プロジェクト担当:藤田豊久、城石芳博 人材育成担当:橋本正洋 行事企画担当:小田俊理、大江田 憲治 |
|
アドバイザー: | 中村道治 |
2-2 組織基盤増強活動
1)会員選考委員会
年4回(4/19、7/26、10/26、1/25)の4回の委員会によって会員候補者の入会審査を行ない、821 名(2022 年度末)→834 名(2023 年度末)となり、会員増につながった。また、専門分野や所属組織、年齢構成、男女差等の多様化を推進するなど、事業基盤の強化に貢献した。客員会員制度については、一層の活動活性化に向けて見直しを行い、客員会員の選考を年1回で行うこととし、WG を設置して事前審議を行い、候補者の審査を行った。この結果、客員会員は50名(海外15 名、国内35 名) (2023 年度初)から57 名(海外17 名、国内40 名)と(2024 年度初)となった (事業5)。
委員長: | 岸本喜久雄 | |
副委員長: | 長我部信行、菱田公一 | |
幹事: | 北村守 | |
第1分野主査: | 光石衛 | |
委員: | 岩附信行、河原源太、小菅一弘、福山満由美 | |
第2分野主査: | 喜連川優 | |
委員: | 伊藤順司、北村守、寒川哲臣、長谷山美紀 | |
第3分野主査: | 佐伯とも子 | |
委員: | 伊藤素行、堤康央、古原忠、村上晃一、村上秀之 | |
第4分野主査: | 道奥康治 | |
委員: | 天野玲子、塚原健一、丸山一平、山村真司 | |
第5分野主査: | 大久保泰邦 | |
委員: | 坂西欣也、瀬川浩司、武藤敬 | |
第6分野主査: | 伊藤聡 | |
委員: | 一村信吾、武田英次、渡辺美代子 | |
第7分野主査: | 関実 | |
委員: | 河野美由紀、津本浩平、橋本せつ子、安井正人、養王田正文 | |
第8分野主査: | 倉持隆雄 | |
委員: | 江上美芽、小山珠美、坂田一郎、高木真人、安永裕幸 |
2)会員強化委員会
2023年度の会員強化委員会は、会員選考委員会開催日の約5週間前の日程にて、年度内に4回(2023年6/19、9/25、12/13、2024年3/14)開催した。委員会では、EAJの各種活動の状況、特に個人会員と賛助会員の現状と推薦状況の把握にもとづいて、会員発掘と推薦活動の活発化について議論を進めた。論点は、会員の分野や業界の拡大、若手会員・女性会員・企業会員の拡大方策、会費制度の改善点の提案、客員会員への対応、個人/法人会員向けEAJ活動情報の提供の進め方など、会員の強化とダイバーシティ拡大に向けた諸課題である。なお、委員会活動を通じて2023年度は、総数37名の新規正会員推薦に貢献した (事業5)。
委員長: | 石原直 | |
幹事: | 大江田憲治 | |
アドバイザー: | 中村道治 | |
委員: | 睦哲也、辻佳子、関谷毅、馬場直志、太田光一、田中敏宏、高松洋、藤野陽三、近藤玲子、伊藤裕子、柚原義久、森本浩一、城石芳博 |
3)財務・事務機能強化委員会
2023年度は、感染症法上の分類引き下げに伴い対外活動が完全復活した。並行して、欧米先進国を中心とした諸物価高騰、金利差による通貨下落の影響等により、国内物価も高騰を続けた。かかる環境変化に加え個別事情も重なったことで、全体として予算を上回る支出超過が発生した。収入事情も踏まえながら精査した結果、当座の事業継続性確保には、必要最低限の運転資金維持が不可欠の条件であると判断。内外関係先と意見調整を行い、11月24日、2月29日理事会の承認を経て、特定費用準備資金計画の見直しにより適正額を固定⇒流動資産に振り替えることで、2024年度期初の事業活動運営に備えた。定時社員総会関係では、運営の効率化と事務手続きの省力化、コスト削減を念頭に置き、資料配布、事前の議決権行使の電磁化に着手し、2024年度実施に向けて準備を行った。定期の累積収支報告に加え、月次単位の財務諸表可視化にも取り組み、正確な財務情報の理解共有に努めた (事業5)。
委員長: | 睦 哲也 | |
委員: | 城石芳博、森本浩一、井上幸太郎 | |
顧問: | 中村道治、永野 博 |
4)会長候補者推薦委員会
2019年5月15日理事会改定の「会長候補者推薦委員会設置要綱」に基づき、意見交換を行った (事業5)。
委員長: | 阿部博之 | |
委員: | 亀井信一、城石芳博、中西友子、永野博、中村道治 |
5)選挙管理委員会
24年度~25年度理事・監事選出に向け、①2023年11月24日に理事会で、選挙管理委員会の設置を審議し、大江田憲治、亀井信一、中西友子、永野博(五十音順)の正会員を委員候補に選任、中西友子を委員長に任命した。②2024年2月7日に企画運営会議は、理事候補者としてふさわしいと思われる正会員(以下「理事候補者の候補」という。)30名及び監事候補者としてふさわしいと思われる正会員(以下「監事候補者の候補」という。)2名の名簿を作成した。③2024年2 月29日に理事会は、企画運営会議から推薦のあった、理事候補者の正会員30名及び監事候補者の正会員2名を、予備投票にかける候補者として適格と認め、承認した。予備投票については、信任を問う方式と自由記名による方式を併用して実施することを決定し、さらに、予備投票の投票用紙(はがき)の様式を決定するとともに、投票締切りを2024年3月21日の消印までと決めた。④ 2024年3月6日に事務局は全正会員826名に投票用紙を郵送した。(⑤2024年4月1日に選挙管理委員会を開催し、委員全員の出席のもと開票作業を行い、結果を4月24日企画運営会議、5月16日理事会に報告済み)(事業5)。
委員長: | 中西友子 顧問(前副会長) | |
副委員長: | 永野 博 顧問(前専務理事) | |
委員: | 大江田憲治 会員(前常務理事) | |
委員: | 亀井信一 会員(元理事) |
2-3 事務局
財務・事務機能強化委員会と連携して総会電磁化の準備を進めるなど、共創基盤を活用して情報伝達・連絡などの支援業務の円滑で効率的な推進に努め、EAJ事業・活動の一層の支援を図った (事業5)。
事務局長: | 事務局長:井上幸太郎*(大堀 洋**) *2023.04~2023.09、**2023.10~2024.03 |
3.公益目的事業に係わる活動
3-1 委員会活動
1)政策提言委員会
年度内に5回の委員会を開催し、科学技術動向や社会課題などを勘案しながら候補テーマの体系化を図り、EAJが取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討とプロジェクトの探索を行った。
政策提言活動としては、国立国会図書館が実施する科学技術に関する調査に採用された政策提言プロジェクト「マテリアル科学」(PL:長井寿、関谷毅)を提言書にまとめた。また、政策提言プロジェクト「5G/6G時代のAI利活用戦略(PL:森健策、副 PL:淺間一、PO:城石芳博、中島義和、中村道治、森本浩一)について国内での検討を終え、諸外国工学アカデミーや研究機関との意見交換を行なった上で政策提言書にまとめる。
以下、4つのプロジェクトについては政策提言等にまとめるべく、引き続き内容を検討する。人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育(PL:小泉英明)、海洋プラスチック研究プロジェクト(PL:橋本正洋)、レジリエント電力ネットワーク(PL:萩本和彦、PO:城石芳博、中村道治)、デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方(PL:遠藤哲郎、PO:城石芳博、中村道治)。
また、各支部および他委員会との活動の連携も引き続き進める。九州支部、東北支部、ジェンダー委員会、若手委員会ならびにSTI2050委員会からの推薦を受けて委員会委員の拡充を図る。
担当理事: | 菱田公一 | |
委員長: | 中島義和 | |
幹事: | 長井寿、永野博、中村道治、中山智弘 | |
委員: | 淺間一、長我部信行、小泉英明、小林信一、佐藤正明、城石芳博、塚原健一、永野智己、原山優子、森本浩一、安浦寛人、安永裕幸 | |
委員会開催日: | 2023/5/12, 9/5, 11/6, 2024/1/22, 3/21 (いずれもオンライン開催) |
2)政策共創推進委員会
2023年度は活動方針に基づき以下を実施した (事業3、事業5)。
- 国会議員との意見交換、対話の会(第7回2023.06.06、第8回2023.12.07)
- 参議院調査部門との共催ワークショップ(第4回2024.02.14)
- 国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換(第4回2024.02.08)
- 横断的な活動を行う公的団体と情報共有を行う「政策共創プラットフォーム」の委員を3団体からの新規参加により9団体に拡充し、第4回2024.02.19を開催し、本委員会の活動に対する助言や提案を受けた。
- 若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの第4回目を実施した(2023.10.05)。
- 委員会は、第7回2023.05.16、第8回2024.01.24を開催し、上記の計画案の審議、実施結果の情報共有、総合的な意見交換などを行った。これらの実施結果などについては、ニュースレターやHPで順次公表している。活動に対する注目度が高まり、マスメディア取材、インタビューなどを受けている。
- 本委員会のこれまでの3年間の活動を自ら評価することにより、これからどのような方向、方策をとるべきかを考
察する機会として、自己総括を実施し、報告書をとりまとめた(2024.02.29)。
委員長: | 永野博 | |
副委員長: | 長井寿 | |
委員: | 今村 努、江村克己、大倉典子、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、城石芳博、関谷 毅、高木真人、辻 篤子、坪井 裕、中島義和、細野光章、牧原 出、*松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)、睦 哲也、森本浩一、安永裕幸 | |
アドバイザー: | *角南 篤(政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、*城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター長) (*非会員) |
3)研究力強化委員会
我が国の研究開発システムの在り方を俯瞰的に考察し、その再設計と研究力の強化に関して多様な分野の有識者の声を集めるべく、研究力強化委員会の委員が、科学技術イノベーション2050委員会や政策提言委員会の倫理プロジェクトなどに参画し、意見交換を行うことで、研究力の強化を図る方法について、現場視点で有効な方策を議論した。今後意見のすり合わせを図る (事業1、事業4)。
委員長: | 杉山正和 | |
委員: | 石田哲也、岡野栄之、川合眞紀、小林傳司、関谷 毅、関村直人、武見綾子*、豊田長康*、永野 博、中村道治、波多野睦子*、松本洋一郎 (*非会員) |
4)科学技術イノベーション2050委員会
2050年の目指すべき将来像に向けた「科学技術・イノベーション」ロードマップを描くという目的の実現に向け、2023年度内に6回の全体委員会を開催した (事業1、事業2)。
- 第1回(2023年4月21日、オンライン) 大土井 智(文部科学省)「科学技術・イノベーション政策に関する現状と今後の方向性について」
- 第2回(6月28日、オンライン) 川原 圭博(東京大学 大学院工学系研究科 教授)「生成系AI (Chat GPTなど) の仕組みと現在地」
- 第3回(9月8日、対面@東京大学) 玉城 絵美(琉球大学 工学部 教授)「大学教員&起業家の提言、 BodySharing研究紹介」
- 第4回(10月19日、オンライン) 沖 大幹(STI2050委員会 委員長)「ロードマップ」
- 第5回(2024年1月12日、対面@東京大学) 深尾 京司(一橋大学 経済研究所 特命教授)「日本経済の生産性」
- 第6回(3月22日、オンライン)関谷 毅(大阪大学 産業科学研究所 教授)「「マテリアル科学―最先端と未来への選択肢」のご紹介」
2022年度までの提言を踏まえ、次なる課題の選定のため、分野を絞らず多様な分野より話題提供をしていただき、その課題を絞り込むことを行ない、また、対面開催をなるべく多く行うことで、意見交換を密にできるようにしてきた。
第1回では、科学技術・イノベーションを取りまく状況として、・論文数・国際共著論文数が少ない、・博士後期課程への進学率の低下、・若手研究者、女性研究者の割合が少ない等の課題が述べられ、大学研究力強化に向けた取り組みの重要性が指摘され、研究力の強化を図る方法についての議論がなされた。第2回では、生成系AIが社会にどのような影響を与えるのかについて、生成AI(ChatGPTなど)の現状、進化、そして社会や科学技術イノベーションへの影響について講演が行われた。生成AIの弱点、今後のあり方、人材育成、国際交流、そして政府や産業界における協力と支援の必要性に焦点を当て、産業界とアカデミア、政府の三者間でのコラボレーションの強化を模索する内容の議論が行われた。第3回では、大学教員の業務や研究時間に関する提言、および「BodySharing」研究の紹介とその応用可能性の講演があった。そのなかで、大学の研究環境改善、研究者と起業家の支援強化、体験共有技術の進展とその社会への影響が議論となった。第4回では、持続可能な社会構築に向けた様々なロードマップの作成について議論が行われた。焦点は気候変動、経済成長、技術進歩の統合的な視点からのアプローチにあり、特に気候変動対策の重要性、研究投資の増加、労働生産性の向上、そして人材育成の必要性が強調された。また、社会全体のハピネス向上という観点からの指標設定の重要性についても議論が交わされた。第5回では、日本経済の生産性に関する講演が行われた。講演では、日本の労働生産性の現状と課題、特に非正規雇用の増加や労働の質の下落、TFP(全要素生産性)の停滞が指摘され、生産性向上のための対策について議論された。また、労働生産性と実質賃金の関連、中小企業の生産性向上の重要性についても話し合われた。第6回では、マテリアル科学・ナノテクノロジー分野の国内外の潮流に関する講演が行われた。マテリアル科学分野における産業と学術の動向に関する調査研究結果の概要や海外の学術雑誌への掲載論文の分析等が紹介され、産業・学術の両面で日本のプレゼンスを維持・向上させることの重要性や環境影響を抑制しつつ経済発展を推進するための方策などが議論された (事業1、事業2)。
これらの議論を踏まえ、2024年度は、引き続き、多様な分野からの講演を継続するとともに、そのような議論の共創の場を作っていくとともに、特定の課題について、「科学技術・イノベーション」ロードマップを具体化し、広く啓発するためのワークショップを開催したい。Well-being向上を軸とした夢のある未来社会像を描き、その実現に向けたロードマップをまとめることを目標とする (事業1、事業2)。
委員長: | 沖大幹 | |
委員: | 有川太郎(幹事)、有本建男、*伊藤栄作、太田 香、大竹 暁、大土井智、北島正章、日下晴彦、城石芳博、玉城絵美、中島義和、永野 博、藤野陽三(顧問)、安永裕幸(顧問)、中村道治(顧問)、*小林 治(オブザーバー)、*平川祥子(オブザーバー) (*非会員) |
5)国際委員会
EAJ会員のご協力の下、以下の国際活動を展開した (事業4)。
【アカデミー間連携】
- 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
CAETS2023年次総会が、クロアチア工学アカデミー(CAE)が主催し、“e2-mobility”と題して、10月9ー11日、ザグレブで開催された。EAJからは、小泉英明顧問(CAETS元理事)、中島義和国際委員、大橋俊朗会員、田口康会員が参加した。
理事会及び評議会では、予算等に加え、年次総会開催国(その年の会長国)を含む新理事会メンバーが承認された。2024年は7月にフィンランド・ヘルシンキで、2025年は豪で開催される。我が国での開催(2007年以来)は、2030年以後で事務局と調整していく。なお、2026-2027年理事国となる可能性がある。また、新メンバー国(シンガポール、ポーランド)の加盟が承認され、CAETS加盟国は33ヶ国となった。併催シンポジウムでは、5つの技術セッションにおいて交通システム、電池、自動運転、モーダルシフトなどが議論されたほか、第3回目の“CAETS コミュニケーション・プライズ”の表彰式があった。 - 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA-RTM実行委員会
韓国工学アカデミー主催で「Autonomous Driving for Future Mobility」と題して第26回EA-RTMを11月2~3日にソウルで開催した。EAJからは原山国際委員長、三島EA-RTM実行委員長が参加した。産業技術総合研究所の横山利夫氏、東京大学の須田義大教授、BOLDLY社の堀川拓也氏が日本側から講演を行った。次回の第27回EA-RTMは「生成AI」をテーマとして、中国安徽省合肥で行いたい旨、主催のCAEから提案があった。また、会議終了後、現代自動車の南陽研究開発センターへの見学ツアーが実施され、日本側参加者も見学に参加した。
【国際人材育成】
- 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
所千晴運営委員長のもと早稲田大学と協賛、2023年7月18日~20日に対面でJAFOE本会議を開催。日米の若手研究者60名が参加した。また、本会議の準備として、日本側参加者30名を集めた事前勉強会(5月8日、JST東京本館別館ホール)、EAJ会員向けの事後報告会(2024年1月18日、KKRホテル東京平安の間)をそれぞれハイブリッドで開催した。今後の活動として、JAFOE参加者を対象とした国内シンポジウム(FoEJapan)を山形大学で2024年6月14日~15日に、次回JAFOE本会議を米国UC San Diegoで2025年6月1日~4日に開催予定である。 - 日豪次世代リーダー育成:ERLEP実行委員会
The 4th ERLEP Trans-disciplinary Forumの開催に向けて、豪州理工学アカデミー(ATSE)と5回にわたるリモート会議を重ねた後、2024年11月にメルボルンにて開催することを正式に決定した。2023年度から継続審議していた新たな事業構想として、派遣型ERLEP事業を再開し派遣事業の最後に現地にてフォーラム型ERLEP事業を開催するハイブリッド型事業の実施が両アカデミーにおいて合意された。また、グローバルな諸課題に対して環学的な議論を行うためには企業の視点も重要であると考え、日豪間で事業を推進している賛助企業15社の若手研究者との協働可能性について企業側に依頼を行っている。
【その他】
- 工学アカデミー会長会議(AEPM)
2023年10月2日、STSフォーラム年次総会の枠内で「AIと人間社会」をテーマにAEPMをハイブリッド方式で開催。7カ国の工学アカデミー会長等が参加(原山国際委員長がFacilitator)。
冒頭、小林会長から、開会挨拶(録画収録)。続いて、STSフォーラム小宮山議長から、歓迎の挨拶があった。会議の趣旨説明を受けて、各参加者より、「AIと人間社会」に関して、各国・地域における取組の現状や今後の方向性について、幅広い視点からプレゼンテーションがなされた。AIを巡る急速な技術革新により、従来のICTの活用とは異なる次元の変革が経済社会にもたらされている状況を踏まえ、様々な不安や懸念を払拭しながら、人びとが安心・信頼して活用できるAIシステムとして開発・導入が図られるよう、意見交換を実施。
担当理事: | 川合眞紀 | |
委員長: | 原山優子 | |
委員: | <個別委員会>森本浩一(CAETS、AEPM)、三島望(EA-RTM)、村上秀之(JAFOE)、大橋俊朗(ERLEP) <会員>伊藤一秀、金谷一朗、杉山正和、田口康、中島義和、古川英光 |
|
顧問: | 岸輝雄、小泉英明、長井寿、永野博、中村道治 |
6)人材育成委員会
工学人材育成に係る課題は多様であり、対策の検討は重要な課題である。今年度も若手リーダー塾実行委員会、若手委員会などと連携し、若手リーダー塾開催と前回塾修了者の対面での意見交換会開催などを企画・検討したが、コロナ等感染症が依然収まっていないこと等により断念した。本委員会の活動状況や委員の新陳代謝が進んでいないことに鑑み、委員長交代を理事会に上程し議決頂いた。企画案などを新体制に引き継ぐ (事業5)。
委員長: | 橋本正洋 | |
幹事: | 城石芳博、横山直樹、中島義和、岸本喜久雄、石原 直、金谷一朗、村上秀之、小林信一、松見芳男、*島田 昌、中村道治 | |
委員: | 瀬戸口剛、長坂徹也、染谷隆夫、水谷法美、大嶋正裕、馬場口登、狩野 裕、久枝良雄、*小豆畑茂、大江田憲治、榊原裕二、坂田東一、安永裕幸、犬塚隆志、上野晴樹、高山 誠 (*非会員) |
7)若手委員会
急速に進展するデジタルトランスフォーメーション、ポストコロナの社会及びこれからの工学の在り方について多方面と連携し、若い目線から議論を喚起することを経て政策立案や社会へ情報を発信していく。特に、本委員会のメンバーより若い世代(20-30代前半)が存分に活躍できるための環境整備を最重視し、その実現へ向けた検討を進める。その際、こうした検討プロセスそのものへの関与が彼らの負担にならないよう最大限配慮する必要がある。20-30代前半の若手世代に何が必要であるかを、意見交換を通じて十分に調査する。
2023年度は、30代の若手研究者を10名程度新たな委員として若手委員会に迎えて、新たな切り口での意見交換を開始した。特に、現在の若手研究者を取り巻く環境やそこにある課題、必要な政策などについて3回にわたる若手委員会討論会を実施した。新たに加わった若手委員を中心に、更なる意見交換を重ねることで、革新的新技術を創出する人材の育成・活躍環境や、エマージング技術の健全な成長・社会実装に資する論点を整理し、社会に発信するシンポジウムや提言書を公開する計画を立案することができた。さらにEAJ政策共創推進委員会(永野博委員長)と連携することで、若手委員会が推薦する多様な若手研究者による国会議員へのインタビューを行うことができた。このような取り組みをとおして、次代を担う若手研究者と科学技術政策を担う立法府との相互理解を図る機会を作ることができた。さらに、EAJ「国立国会図書館 マテリアル科学」調査研究委員会へ多くの提言を送り出し、立法府へのメッセージとして取りまとめることができた。総じて多くの若手研究者を新たな委員として加わったことでこれまでとは異なる視点から多くの提言発信を行うことができた (事業1~事業3、事業5)。
新たに迎え入れた若手委員会メンバーとの意見交換を通して抽出してきた課題や論点を整理し、2024年度は公開シンポジウムやセミナーを開催し、より広く社会からの情報発信と情報獲得に努める。これらの取り組みを通して、社会への提言発出を行っていく予定である (事業1~事業3、事業5)。
委員長: | 関谷毅 | |
副委員長: | 永野智己 | |
委員: | *小川 純、*小野 悠、伊藤 一秀、川原 圭博、*鈴木 裕(R5年9月-)、*竹内 雄一郞、*多田隈 建二郎、*永谷 圭司、*成瀬 彰、*沼澤 修平、*畠山 智行、*馬場 雪乃(R5年9月)、*林 浩平、古川 英光、松尾 豊、*松塚 貴英、*保田 淑子、*山内 元貴 (敬称略、五十音順、*非会員) |
8)ジェンダー委員会
2023年度は4回のジェンダー委員会を開催した。また、支部長との意見交換会を開催するとともに支部長・委員長会議に参加し、EAJ支部、他委員会との連携強化に注力した。さらに、CAETS D&I Working Group Meetingに参加、意見交換するとともに、コロナ禍で中断していた大学院生によるインタビュー“Good Practice”応募を再開し、ダイバーシティ強化活動を推進した。
特記事項として、3月29日には無意識のジェンダーバイアスに焦点をあてた、第7回EAJジェンダーシンポジウム~無意識のジェンダーバイアスとイノベーション~を開催した。シンポジウムでは、データサイエンスに基づいてその現状と対策の在り方について理論的に考察し、ジェンダーやダイバーシティによるイノベーション創出の実践事例の紹介も含めてパネル討論を行い、ジェンダーやダイバーシティによりイノベーションを創出し、人類の安寧とより良き生存に向け、未来社会を工学するための施策について議論した。期末の平日開催であったが、参加申し込みは86名で、深い議論があった活発な会となった。アンケート結果を活用すると共に、新メンバーも交え、今後更なる多様化、活性化につなげる (事業3)。
委員長: | 行木陽子 | |
副委員長: | 城石芳博 | |
幹事: | 川村みどり、森田純恵 | |
委員: | 伊藤貴之、大倉典子、鹿野豊、玉田薫、陳 迎、鳥居塚崇、中島義和、中村 淳 | |
アドバイザー: | 石原 直、大野英男、辻 佳子、長坂徹也、原山優子、平尾明子、森 勇介、渡辺美代子 |
9)広報委員会
広報委員会では、2回の委員会、6回のパンフレット作製WGを開催し、以下の活動を行った (事業3)。
- EAJの季刊誌「EAJ NEWS」を4回(うち2回は、「2023年度プロジェクト」及び「「ミューオンと工学の未来」の特集号)、活動報告2022/2023、37件のEAJ News Letterを発行するなど、積極的な情報発信を行なった。
- 総会での会員意見、ホームページリニューアルにより75,500件から95,330件に増加した昨年の閲覧内容の分析結果などを反映し、メディア掲載ページを新設して対外広報活動の見える化を図るとともに、依頼数ベースで年間260件ホームページを更新するなど、会員サービスの一層の向上に務めた。
- 見開き4ページ のEAJパンフレットを作成し、支部・委員会に1000部配布し、広報活動に活用した。
委員長: | 安永裕幸 | |
委員: | 岡田益男、小野由理、小山珠美、城石芳博、田中敏宏、辻 佳子、中島英治、原 邦彦 |
3-2 支部活動
1)支部長会議
これまでの情報共有議論に加え、EAJ40周年への新たな飛躍、EAJ支部、委員会活動などの今後の更なる発展に繋げることを目的に、10月30日にオンライン第6回支部長会議を開催した (事業5)。
各支部、委員会間の相互参加による情報共有・活動の活性化、賛助会員企業、会員との連携強化に向けて、イベントなどを活用した契機づくり、地域の関連組織との連携、間口/裾野を広げていく活用施策の例の共有や、国際活動の一層の活性化に向けた組織改変の在り方など、本部、支部、委員会の合同会議ならではの示唆に富む意見交換を行った (事業5)。
2)北海道
41名(正40、客1)。2023年度は以下の活動を行った (事業2、事業3、事業5)。
- 2023年6月2日 令和5年度北海道支部理事会・理事懇談会を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
- 2023年9月28日 北海道支部茶話会「次世代半導体とエンジニアリング」を開催(於 ホテルグランテラス千歳)。東北支部と共催および北海道半導体人材育成等推進協議会と協賛
- 2023年10月20日 北海道工学教育協会研究講演会「次世代半導体産業への人材育成」を協賛開催(於 北海道大学)
- 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナーを東北支部とともに協賛開催(2023年7月27日、9月29日、12月1日、2024年1月25日、3月8日)
- 2024年3月12日 東北支部シンポジウム「女性起業家への道 第2弾 -起業の厳しさと愉しさ-」を共催
- 2024年3月21日 令和5年度第2回北海道支部理事会を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
- 2024年3月21日 北海道支部エンジニアリングカフェ『日本工学アカデミーの現状等について』を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
- 北海道支部便りを1回/月で支部会員宛てメールにて発送した。
支部長: | 増田隆夫 | |
副支部長: | 空閑良壽、鈴木聡一郎、瀬戸口剛 | |
専務理事: | 馬場直志 |
3)東北支部
106名(正100、客6)。2023年度は以下の活動を行った (事業1、事業2、事業3、事業5)。
- 2023年5月15日〜22日 令和5年度第1回東北支部理事会開催(メール審議)
- 東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)「未来科学オープンセミナー」を協賛
(於) 東北大学 下記の合計5回
2023年:7月27日、9月29日、12月1日、2024年:1月25日 、3月8日開催 - 2023年9月28日 北海道支部主催茶話会「次世代半導体とエンジニアリング」を共催(於)千歳
- 2023年10月20日 北海道工学教育協会主催研究講演会「次世代半導体産業と人材育成」を協賛 (於) 北海道大学
- 2023年11月6日 東北工学教育協会高専部会主催令和5年度「産学交流の日」を協賛
- 2024年1月26日 東北支部・秋田大学グローバルリソース研究機構主催合同シンポジウム「クリティカルメタル・脱化石燃料資源の安定供給に向けて」オンライン開催
- 2024年3月12日 東北支部主催講演会 「女性起業家への道 第2弾-起業の厳しさと愉しさを語る-」(於) 東北大学:オンラインとのハイブリッド開催
- 2024年3月12日 令和5年度第2回東北支部理事会開催
支部長: | 神本正行 | |
副支部長: | 長坂徹也、岡田益男 | |
専務理事: | 足立幸志 |
4)中部支部
76名(正73、客3)。中部支部では「未来社会を工学する」の理念をもとに、支部の特徴を活かした活動を企画し、会員間の連携の活性化と産学間の繋がりの強化に努め、2023年度は以下の活動を行った (事業1〜事業5)。
- 本支部の看板行事であるEAJ中部レクチャ-を3回実施した。
1)2023年4月、第17回:太田祐一氏(株式会社DataSign 代表取締役社長)「個人情報の保護・活用とその技術」(オンライン開催、参加申込数47名)
2)2023年7月、第18回:発明者、原昌宏氏(株式会社デンソーウェーブ 主席技師)による「QRコードの原点と成長」(福井県民ホールにて対面開催、参加者数344名)
3)2024年2月、第19回:新谷一博氏(金沢工業大学客員教授)「医工連携を意図した整形外科領域への参入」(オンライン開催、参加申込数13名 - 2021年度から始まったEAJC井戸端会議も継続中で、天野浩、内山田竹志、川合眞紀、山本尚の支部特別顧問も招いて、対面で3回実施した。内山田会員とは産業界との交流についての意見交換会も行った。
- EAJC通信、No.6、No.7を発行し、HP上にて一般公開した。
- 6月には、国際活動の1つとして中国・武漢で開催された”Innovation in Transportation Development for Planetary Health”を大会テーマとするWTC2023(中国世界交通大会)に林良嗣会員が基調講演、さらに、八重樫武久、三村信男、上田多聞の会員と張峻屹客員会員が加わって中日工程院論壇に登壇した。
支部長: | 林良嗣 | |
副支部長: | 岩井善郎、太田光一、原 邦彦 | |
幹事長: | 葛漢彬 | |
副幹事長: | 辻篤子 |
5)関西支部
112名(正106、客6)。2023年度は以下の活動を行った (事業1、事業2、事業3、事業5)。
- 運営委員会を以下のように開催した。
2023年9月19日、22日
2024年3月8日、12日、13日、15日 - 講演会を以下のように開催した。
1)2023年10月2日:日本工学アカデミー関西支部第10 回(2023 年度上半期 )講演会「工学が切り拓く産学共創・学際融合の世界~IoC( インダストリー・オン・キャンパス の見学とともに~」(大阪大学銀杏会館)
2)2024年3月19日:日本工学アカデミー関西支部第11回(2023年度下半期)講演会「連携から融合へ:若手研究者のための学際的探究」(京都大学桂図書館・オンライン)
支部長: | 田中敏宏 | |
運営委員: | 尾上孝雄、大村直人、和田成生、河原克己、松村浩一、堤和彦、石出孝、小田一郎 | |
運営委員(幹事): | 立川康人、桑畑進、小池淳司 |
6)九州支部
会員:47 名(正会員43名、客員会員4名。2023年度は以下の活動を行った (事業1~事業5)。
(主催講演会)
- EAJ九州支部講演会「工学の躍進―九州・沖縄地区から世界にー」
日時:2023年11月17日(金)14:00~16:00、会場:九州大学伊都キャンパス 稲盛ホール(対面開催)参加者:~70名
講師1:上田 康弘 氏(元・ソニーセミコンダクタマニュファクチュアリング(株)代表取締役社長、株式会社 日本マイクロニクス 社外取締役、熊本大学半導体・デジタル 研究教育機構 アドバイザー)
「DX の本質と半導体新創造 − デザイン思考拡張とイメージセンサ主要技術の紹介―」
講師2:岩熊 成卓 氏(九州大学システム情報科学研究院教授、先進電気推進飛行体研究センター長)
「カーボンニュートラルを目指す電気推進航空機・空飛ぶクルマの研究開発」
共催:九州工学教育協会、公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT) - EAJ九州支部高等専門学校出張講演会(第7回)「AIは理工系分野のジェンダー格差を解消できるか」
(2017年度より開始:佐世保→大分→鹿児島→熊本→久留米→沖縄→北九州)
日時:2023年12月21日(木)14:45~16:30、会場:北九州工業高等専門学校2号館1階合同講義室
講師1:横山 広美 氏(高専機構理事、東大国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)副機構長)
「理系に女性はなぜ少ないのか?社会風土から見る課題」
講師2:井﨑 武士 氏(エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部 事業本部長)「生成AIで始まる大変革、これからの社会で役立つ力」
後援:(独)国立高等専門学校機構、九州工学教育協会、備考:同校本科3年生対象
【特記事項】
*第5ブロック(九州・沖縄地区)の全高専にライブ配信、学内にもライブ配信
*講演会終了後、横山先生と5名程度の女子学生、井崎先生と情報系学生5名、のグループで意見交換会が実施された。九州支部出席者は適宜2グループに分かれて参加(1時間程度)。
(共催・後援シンポジウム等)
- 九州工学教育協会との共催シンポジウム(2回)
・第15回九州工学教育協会シンポジウム「九州の大学・高専でのアントレプレナーシップ教育」
日時:2023年7月11日(火)13:00~16:45、会場:ハイブリッド開催(リファレンス駅東ビル2F会議室Y-1および現地にてオンライン配信)
・第16回九州工学教育協会シンポジウム「九州の大学・高等学校のアントレプレナーシップ教育」
日時:2024年2月6日(火)13:00~16:45、会場:ハイブリッド開催(リファレンス駅東ビル2F会議室Y-1および現地にてオンライン配信) - ICIC International 学会との共催イベント(ICICIC2023)
・The 17th International Conference on Innovative Computing, Information and Control
日時:2023年8月29日(火)~9月1日(金)、会場:熊本市国際交流会館、備考:8月29日には、王 碩玉 氏(高知工科大学教授(EAJ会員、元EAJ理事(2016-2020))による市民公開講座「ロボットは少子高齢化社会に貢献できるか?」を開催 - インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラムとの後援イベント
・第8回ピッチイベント 「インフラメンテナンスの新たなステージの取組みと未来への継承」
日時:2023年10月12日(木)13:00~17:30、会場:ハイブリッド開催(福岡国際会議場およびオンライン配信)
・第9回ピッチイベントinみやざき2024 『持続可能な「ひなたの国」のインフラメンテナンス』
日時:2024年1月25日(木) 13:00~17:00、会場:ハイブリッド開催(宮崎市民プラザ オルブライトホールおよびオンライン配信
支部長: | 山田淳 | |
副支部長: | 髙松洋、谷口功、日野伸一 | |
理事:12名、名誉理事:10名、顧問:2名 |
7)その他
- その他の地域においても、地区講演会の開催などを通じて、地域の活性化の基盤と会員の増強に努め、引き続き会員ゼロの県をなくす努力を継続する (事業5)。
- 全地域で支部を結成、EAJならではの活動を居住地で行うべく、中国・四国支部設立に向けたキックオフを2024年3月2日に開催し、今回の議論を契機に明確なビジョンを持ち、産学、学学などうまく団結、連携し、人口減少などの四国地域の課題に対応できるのではないか?、など、多様な意見、感想、期待が述べられるなど、活発な意見交換を行った。会議後には、キックオフにご参加頂いた他支部などからの多様なアドバイスや、そのアドバイスを受けて、会員、非会員の多くの参加者の先生方からも、共創の可能性に向けた前向きなご意見を多数頂くなど、地区の特長を生かした中国・四国支部設立に向けた良い契機となった (事業5)。