政策共創推進委員会より

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(2021年3月現在:新委員募集中)

2021年3月5日

「政策共創推進において多様な科学者の協力を得るための活動指針」

1.活動の趣旨
 『科学的エビデンスに立脚した政策の立案、遂行における立法府の役割は重大だが、アカデミアが創出する知的情報を的確に、国民を代表する立法府に届ける確かな道筋がわが国では希薄である。
 このため科学者側の政策リテラシーの向上を図るとともに政策側(ここでは立法府構成員)の科学リテラシーの向上にも寄与しつつ、両者による政策共創能力を高めていく息の長い交流活動が不可欠であり、そのための組織的、継続的な活動が求められる。
 日本工学アカデミー(EAJ)は、政策共創推進委員会を設置し、政策立案に係る広範な関係者との連携をもとに、国会議員および立法府関係者と科学者、メディア関係者などが協働し交流できる場を提供し、立法府と科学者の政策共創の実現を図る。』(本委員会設置規程より)
 いうまでもないが、EAJは立法、行政等から完全に独立した民間団体で、中立、不偏不党の立場を堅持している。『日本工学アカデミーは、自己資金に基づき活動する点で、国内におけるアカデミーの中でも、世界の工学アカデミーの中でも、異色な存在である。この特徴を生かし、世代、性別、学問領域、産学官、国境などを越えた共創のための場の構築など「つなぐ」役割を果たす。そのために、未来社会の構想づくりとそれに至る政策提言プロジェクト活動等において、広く社会に開かれた共創の場を構築する。今までの枠を超えて、大学、研究機関、学会、業界団体、新興企業などの関係機関との組織的な連携の輪を広げる。』(「これからの日本工学アカデミーの役割」、2017年11月22日 理事会決議)
 
2.活動の内容(まず、以下の企画を進める)
 1)国会議員との対話
 2)参議院調査局、国立国会図書館等立法府調査機関との連絡調整、共同企画
 3)賛助会員、民間企業、学協会などの民間団体とのネットワークの構築
 4)若手研究者による国会議員インタビュー
 5)支部地域における国会議員との対話、地域における国会議員とのコミュニケーション
 
3.言葉の定義
 言葉の意味が明確なことは相互理解のために不可欠である。ここでは、本活動に関係して頻繁に使われ、かつ重要度の高いいくつかの言葉の定義を共有しておく。今後、このリストをさらに充実していくことになるかもしれない。

科学者」とは、日本学術会議による定義を参考に、『人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を言う』とする。当然、技術者もしくはエンジニアを含む。(学術会議定義での「すべての学術分野」から「学術」を取り「すべての分野」とした。)

日本学術会議「科学者の行動規範」
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-s168-1.pdf
『「科学者」とは、所属する機関に関わらず、人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において、新たな知識を生み出す活動、あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者、専門職業者を意味する。』

アカデミー」とは、学問や芸術における指導的な人材を会員とし、立法、行政、司法などから独立して、アカデミアや社会のために活動する、権威ある団体を言う。新会員を会員による厳正な入会審査によって選定している。一方、「アカデミア」は、広く学界(学究的世界)を意味し、学界に関係する個人、団体などを漠然と指すか、もしくはそれらを総称する。

科学助言」とは、有本らによる「科学的助言」の定義を参考に、『科学者やその集団が専門的な知見に基づく助言を、政策立案者が特定の課題について妥当な政策形成や意思決定をできるように提供することを言う』とする。(助言対象に立法府を含むようにした。)

有本ら「科学的助言とは何か」
https://scirex.grips.ac.jp/newsletter/5-2017-03/03.html
『科学的助言とは、政府が特定の課題について妥当な政策形成や意思決定をできるよう、科学者(技術者、医師、人文社会科学分野の科学者等を含む)やその集団が専門的な知見に基づく助言を提供することである。』

さらに、「政策共創」という新しい概念を提起する。これは、一方向性のニュアンスのある「科学助言」から発展して、科学者と政策立案者が双方向で協力し合い、「多様な立場の科学者と政策立案者が情報と意見を交換しながら、新しい政策決定の土台となる、エビデンスに基づいた選択肢を立案する」ことを言う。

 
4.多様な科学者の協力を得るために
 EAJのような科学者の組織体と国会議員および立法府との定例的な対話は、我が国ではこれまで参考例がなく、ひとつひとつが初めての体験である。したがって、立法府との政策共創を根付かせ、発展させていくためには、様々な配慮が必要となる。以下を出発点として、今後の活動を通じて留意点をさらに充実させていく。
 
4.1 企画への協力者(話題提供者などをいう)について

1) 立法府と科学者の政策共創において取り扱うべきテーマは多様であり、科学的観点と政策的観点を併せ持つという意味で複合的である。したがって、ひとつのテーマにおいても多様なバックグラウンドを持つ協力者を得るように企画する。
2) また、ダイバーシティの持つ意味を理解し、協力者に、ジェンダー、年齢などの偏りがないように配慮する。
3) EAJの会員に限定せず、テーマに適した協力者を得る。ただし、非会員の協力を得る場合には、本委員会の委員もしくは会員の推薦によるものとする。また、対象者には本委員会及び企画の趣旨、企画への参加予定者等について丁寧に説明した上で、協力の了解を得る。
4) 企画プログラム等で対外的に示す協力者の所属、肩書、氏名等については、協力者から提供されたものとする。また、協力者の連絡先の公表、他者への提供は、本人の同意がある場合を除き行わない。協力者にはこのことを事前によく説明し、了解を得ておく。
5) なお、EAJの内規に基づき、会員には国内旅費、非会員には国内旅費と謝金を支給することができる。
6) 協力者を公募する場合については、追って対応方針を定める。

 
4.2 傍聴者について

7) 会合の趣旨、開催会場の大きさ等に応じて、会員の傍聴を奨励する。さらに、行政機関、報道機関等において科学技術関係に従事する者で、本委員会の委員が紹介する者の傍聴を認めることができる。
8) ただし、立法府機関内で開催する会合等においては、すべての参加予定者名簿を事前に提出し、受入側の了解を得ておかないと当日の入館ができないことに留意する。
9) 企画への参加予定者を事前に把握するために、EAJのHPでの事前登録システムを利用する。その場合は、制限事項を遵守し、EAJ事務局の協力を得る。

 

以上

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