公益社団法人日本工学アカデミーは1987年4月に設立され、昨年4月をもって創立30周年を迎えました。これもひとえに会員の皆様のご尽力の賜物と深く感謝いたします。
日本工学アカデミーでは、創立以来の活動を振り返り、本会の果たしてきた役割を確認すること、今後の展望を示すことを目的に、創立30周年記念行事を下記のように執り行いました。記念行事には、招待者と会員、あわせて150名以上が参加し、持続可能な社会の実現や我が国の競争力の向上に向けた工学の重要性と問題意識を共有しました。
日時:2018年1月19日(金)11:00~14:30
場所:ホテルJALシティ田町 東京
プログラム:
【 第1部 】 記念式典 11:00~11:30(瑞祥の間)
【 第2部 】 記念講演 11:30~12:50(瑞祥の間)
【 第3部 】 記念祝賀会 13:00~14:30(鳳凰の間)
〔 記念式典 〕
第1部の記念式典では阿部博之会長が冒頭、設立前後から今日まで関係された方々に感謝の意を表するとともに、これからも大きな使命感のもとに社会の持続的発展に貢献していくと挨拶され、経済界を代表して中西宏明経済団体連合会副会長、学界を代表して吉川弘之日本学士院会員(日本学術振興会学術最高顧問)、両氏からの21世紀を展望した祝辞をいただきました。引き続き、フェレレス国際工学アカデミー連合(CAETS)2017 年総裁からのビデオメッセ-ジの披露、小泉英明上級副会長からの「30年の歩みとこれからの活動」と題した活動報告が行われました。
〔 記念講演 〕
第2部の記念講演では、まず、沖大幹国際連合大学上級副学長(東京大学生産技術研究所教授)が「持続可能な開発を支える科学技術」と題する講演を行い、水分野の研究を紹介する中で、千年後にも感謝される文明の構築を呼びかけられました。次いで、高橋政代理化学研究所多細胞システム形成研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクトプロジェクトリーダーが「iPS 細胞と網膜再生医療開発で学んだこと」をテーマに講演を行い、iPS細胞を用いた世界初の臨床研究の貴重な経験と、これまでの研究活動における未来からの発想を紹介されました。
〔 記念祝賀会 〕
第3 部の記念祝賀会では来賓を代表し、先ず、尾身幸次元財務大臣から難しい時代における日本工学アカデミーの政策提言活動に対して強い期待が述べられ、次いで、会員である和泉洋人内閣官房内閣総理大臣補佐官からのメッセージが披露されました。その後、戸谷一夫文部科学省事務次官、森晶文国土交通省技監、末松広行経済産業省産業技術環境局長、斎藤保株式会社IHI代表取締役会長が祝辞を述べられ、小宮山宏名誉会長の乾杯により懇談に移りました。最後に堀幸夫顧問による設立発起人挨拶、 隈部英一元専務理事による会員代表挨拶のあと、中村道治30周年記念事業企画委員会委員長による閉会挨拶により、盛況のうちに終了しました。なお、昨年来準備してきた「日本工学アカデミー30年史」が完成し、当日参加者全員に記念品として持ち帰っていただきました。