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公益社団法人 日本工学アカデミー

日本工学アカデミーは、工学・科学技術全般の発展に寄与する目的で設立された産学官の指導的技術者の団体です

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事業報告(2022年度)

本報告では、1章で、定款第4条5事業に関わる活動概要について総括し、これら5事業を担当する日本工学アカデミー組織(事業報告最終ページに記載)である委員会、支部それぞれの、法人運営、公益目的事業に係わる活動について2章、3章で詳細に説明する。

1.2022年度の総括

終息しないコロナ禍、ロシア政府のウクライナ侵攻問題などで、EAJの対面活動、国際活動が阻害されがちであったが、HPの年間アクセス数が約10万件とこの1年で2万件増えるなど刷新・強化の効果が見られたオンライン活動基盤を活用して、従来型の活動に加え、対面活動では実現が困難であったオンライン活動ならではの、多様な会員、非会員のご参加を頂く、全国規模でのフォーラム、シンポジウム、プロジェクト活動や、賀詞交歓会での支部・委員会活動報告、会員近況報告を通じた交流促進などを実施した。定款第4条5事業活動に関する代表的成果は下記の通りである。

(事業1) 創造的革新技術の萌芽の模索、評価等による、先見性・創造性のある基礎研究の推進のための調査研究、提言等に関する事業 

  1. 政策提言委員会:6回の委員会を開催し、インクルーシブなSTEM 研究環境の構築、アフリカとのSTI for SDGs における連携の2つのプロジェクトについての検討内容を政策提言書にまとめ、政策共創の場やTICAD8(第8回アフリカ開発会議)サイドイベントなどで内外に発信した。海洋プラスチック研究、マテリアル科学などを推進中で、人類の安寧とより良き生存を目指した工学倫理と工学教育(仮称)などのプロジェクト化も検討中。
  2. 科学技術・イノベーション(STI)2050委員会:JSTサイエンスアゴラ2022 連携企画の一つとして、計60名の参加があった「SDGsのための科学技術イノベーション―未来社会を科学者とデザインしよう―」を開催。
  3. 若手委員会:第二回公開シンポジウム「世界の最先端を拓く研究者が見ている本当の景色 ~量子技術、ブロックチェーンを解きほぐす~」を開催し、産学官民からの約270名の参加者に、革新的な新技術が変える未来社会について、幅広く関心を喚起する機会を提供した。

(事業2) 社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題の把握とその解決に関する事業 

  1. 国際委員会:「ロシア政府によるウクライナ侵攻に関するEAJ声明」発出。
  2. 政策提言委員会:5G/6G 時代のAI 利活用戦略、デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方に関するプロジェクトなどを推進中。
  3. 賛助会員企業ラウンドテーブル準備委員会:賛助会員企業にアンケート調査を実施し、社会、産業界、学界が工学及び科学技術に関する分野で直面している具体的問題、要望などを把握し、それに基づいて「web3の社会変革」、「未来の製造業」をテーマとした第6回賛助会員企業ラウンドテーブルを実施し、DX時代にあっての新しい資本主義、製造業の将来に係る問題提起および意見交換を行った(14社、計29名参加)。

(事業3) 工学及び科学技術に関連する問題についての普及啓発活動に関する事業 

  1. 広報委員会:「デジタル(データ)は社会/学術/産業/行政をどう変えるか?」、「2021年度プロジェクト」の特集号、「日本工学アカデミー政策共創推進委員会次世代人材による国会議員インタビュー」記事などのEAJ NEWSを4回発行した。またホームページについては積極的な情報発信を心がけ、依頼数ベースで、約280強(平均して一日1件以上)の情報発信を行った。
  2. 政策共創推進委員会:会政治家と科学者の対話の会を3回開催し、スタートアップ創出・成長支援の課題と政策、2050年の将来像に向けた科学技術・イノベーションロードマップ作成に向けた共創、国会議員からの問題提起とそれを踏まえた討論による政策共創、などをテーマに立法府側と科学者側と交流するとともに、今後の政策等の方向性等に関して意見交換を深めた。これらの実施結果などについては、ニュースレターやHPで順次公表しており、活動に対する注目度が高まり、マスメディア取材、インタビューなどを受けている。また若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューも2回実施。
  3. ジェンダー委員会:EAJ 以外からの参加が6割で計80名を超えるライブ参加があり、期間限定アーカイブ配信の再正回数は111回となった第6回ジェンダーシンポジウムを実施し、未来の教育像、学びの在り方について、問題提起および意見交換を行った。

(事業4) 工学及び科学技術の分野における国際交流の推進に関する事業 

  1. 国際委員会:国際工学アカデミー連合CAETS、日米先端工学シンポジウムJAFOE、工学アカデミー会長会議AEPMをオンラインで開催。
  2. 政策提言委員会:アフリカとのSTI for SDGs における連携プロジェクトによる11の提言をTICAD8(第8回アフリカ開発会議)サイドイベントで発信、英訳報告書をアフリカ大使館などに配布。
  3. STI2050委員会:下期に科学技術・イノベーション政策研究会の第3分科会(STI for SDGs)と連携、STI2050委員会委員もオブザーバーとして参加し、報告書の英語版を公開した。
  4. 研究力強化委員会:グローバルな事業1への貢献などをめざし、プラットフォームとしての研究力強化委員会を設立。

(事業5) その他本法人の目的を達成するために必要な事業 

  1. 社員総会:オンラインで開催し、監査報告、2021年度事業計画の報告、 2021年度収支決算を可決し、2022年度事業計画の報告などを実施した。
  2. 理事会:5回開催し、経営全般、役員分掌、職務執行状況報告2回、会員入会、委員会・プロジェクト設置、委員長・リーダー選任、提言・報告書、支部長会議、客員会員制度見直しなど国際活動活性化、フォーラム・シンポジウム、共催・協賛、などの審議、決議を実施した。
  3. 企画運営会議:8回開催し、5事業関連運営事項 (2022年度事業、予算執行、自己職務執行状況確認、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、会員入会案、緊急提言・報告書、他) などを審議し、理事会に上程した。
  4. 企画推進グループ:公益目的事業活動 (談話サロン、新入会員ガイダンス、事業貢献賞)などの企画・推進(運営支援)を実施した。
  5. 財務・事務機能強化委員会:累積月次報告を執行部と定期的に共有することで、コロナ禍での財務健全化、追加支出要請への柔軟な対応を行い、円滑な公益活動を支援するとともに、事務業務の平準化と効率化を図った。
  6. 広報委員会:EAJ NEWS企画、支部などから要請のあったEAJパンフレット企画、EAJ著作権規定の検討などを実施した。
  7. 会員強化/会員選考委員会:連携を密に多様な会員増強を実施した(正会員:年度初810名→年度末840名、客員会員:年度初56名→年度末50名、賛助会員:年度初50社・団体→年度末50社・団体)。
  8. 会長候補者推薦委員会:24年度会長交代に向け会長候補者の推薦を行った。
  9. 支部:本部・支部長・委員長会議、企画運営会議・理事会で支部活動総合報告(シンポジウム、レクチャー、セミナーなど)などを持ち回りで実施するとともに、各支部・各委員会の活動・取組状況や課題などの情報共有に加え、共同企画の在り方、提案等について意見交換、連携強化を行った。
  10. 第5回EAJフォーラムWG:コロナ禍で昨年度は、総会時の第4回EAJフォーラムに続き、賀詞交歓会時に第5回EAJフォーラムを前倒してオンライン開催し、パネリストの先生方など含め計143名の参加があった。
  11. 人材育成/若手リーダー塾実行委員会:対面もしくはハイブリッド開催を企画していた、「第1回若手リーダー塾参加者のフォローアップ会」、「第2回若手リーダー塾」は、コロナ禍が終息しないことなから、今年度の開催を延期することとし、今後、体制の再構築含め、対面での開催について検討を進める。

2.法人運営に係わる活動

2-1 企画推進活動

1)社員総会 

2022年度も、終息しないコロナ禍のため会員が一堂に会する形での総会開催が困難となり、採択については事前の議決権行使を基本とする、第10回(通算第26回)定時社員総会を2022年6月6日(月)に開催した。定款第15 条の規定により小林喜光会長が議長を務めた。議長はWEB会議システムにより、出席者の音声が即時に他の出席者に伝わり、出席者が一堂に会するのと同等に適時的確な意見表明が互いにできる状態となっていることを確認して、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要議案の審議に入った。当日在籍正会員812 名中、議決権行使書提出者を含む出席 正会員 435名が確認され、定款第17条1項の規定を満たしているので、総会は成立している旨の報告が事務局よりあった。引き続き、定款第19条2項が規定する議事録署名人として、議長に加え、議長提案の嘉門 雅史理事、城石 芳博理事、辻 篤子理事が異議なく選出された。議事は下記の通りである。
(1)監事を代表して谷口 功監事より、業務及び会計は適正に処理されている旨の監査報告があった。(2) 第1号議案「会費の一部変更承認の件」に基づき説明があり、出席正会員総数435名、賛435、否0名、無効0名により、承認可決した、(3) 第2号議案「2021年度(自令和3年4月1日 至令和4年3月31日)事業報告承認の件」に基づき説明があり、出席正会員総数435名、賛435名、否0名、無効0名により、承認可決した、(4) 第3号議案「2021年度(自令和3年4月1日至令和4年3月31日)収支決算承認の件」に基づき説明があり、出席正会員総数435名、賛435名、否0名、無効0名により、承認可決した、(5)第4号議案「理事及び監事の選任承認の件」について、議長は本定時社員総会終結のときをもって理事・監事全員が退任となるため、これが改選の必要がある旨を述べ、添付資料の理事候補者32名、及び監事候補者2名のそれぞれについて説明があり、候補者毎に諮ったところ、出席正会員総数435名、賛434名、否1名、無効0名により、承認可決した、最後に報告案件として、2022年度事業計画と収支予算についての報告があり、本年総会はすべての議事を終了して閉会となった。以上の総会議事は議事録にまとめられ、議長及び議事録署名人に記名、押印された (事業1~5)。

2)理事会 
通常理事会を5回(2022年5月12日(木)、2022年6月6日(月)、2022年8月25日(木)、2022年11月17日(木)、2023年2月16日(木))開催し、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項について審議・議決した。役員は下記の通りである。
2022年度の主な議決事項は、緊急声明「ロシア政府によるウクライナ侵攻に関する声明」、2022年度定時社員総会における決議案(2021年度事業報告、収支決算、監査報告)、コロナ禍で変更を迫られた諸事業の対応策案、2022年度事業計画と収支予算、理事及び監事の選任、役員分掌、会長候補者推薦、特定費用準備資金、会員の入会、研究力強化委員会設置、国際活動活性化策、委員会委員長・委員の選任、支部長会議議案、重要行事企画案、理事会議事録、活性化・会費見直しなどに関する内規、プロジェクトなどの活動報告書、2023年度展望・活動方針・予算案、2023年6月定時社員総会開催要領案などである。
主な報告事項は、自己職務執行状況、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、月次予算執行状況、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告、ホームページ閲覧状況、他団体主催行事に対する協賛・後援依頼等である。なお、5月および11月理事会で、会長、副会長、専務理事および常務理事による自己職務執行状況報告がなされた(事業1~5)。

会長: 小林喜光
副会長(会長代理): 菱田公一
副会長: 川合眞紀、岸本喜久雄
専務理事: 城石芳博
常務理事: 森本浩一、睦 哲也(常勤)
理事: 天野玲子、石川憲一、江村克己、大村直人、沖大幹、笠原博徳、神本正行、川合知二、楠見晴重、倉持隆雄、小林信一、小山珠美、関谷 毅、瀬戸口 剛、平朝彦、塚原健一、長坂徹也、中山智弘、行木陽子、平尾明子、増田隆夫、村上雅人、八重樫 武久、安浦寛人、安永裕幸
監事: 辻 篤子、林 秀樹

3)企画運営会議 
2022年度内に、8回(2022年4月27日(水)、2022年6月1日(水)、2022年8月3日(水)、2022年9月14日(水)、2022年11月2日(水)、2022年12月13日(火)、2023年2月1日(水)、2023年3月15日(水))開催し、その都度、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる重要事項・課題の審議、確認を行った。2022年度の委員は下記の通りである。
主な審議案件は、2022年度事業報告、予算執行状況確認、コロナ禍で変更を迫られた諸事業の対応策案、EAJ活性化・グローバル化・デジタル化対応案、役員分掌案、会長候補者推薦案、次期理事・監事候補者名簿案、特定費用準備資金案、会員の入会案、活性化・会費見直しなどに関する約款・内規修正案、委員会委員長・委員選任案、支部長会議議案、重要行事企画案、理事会議事録案、プロジェクトなどの活動報告書案、2023年度展望・活動方針・予算案、2023年6月定時社員総会開催要領案などである。
また併せて、自己職務執行状況、EAJフォーラムなどのEAJ主催事業報告、月次予算執行状況、委員会/プロジェクト/支部などの活動報告、ホームページ閲覧状況、他団体主催行事に対する協賛・後援依頼等の報告事項の確認などを実施し、審議案件と併せて理事会に上程した(事業1~5)。

委員長: 小林喜光
委員長代理: 城石芳博
委員: 菱田公一、岸本 喜久雄、中島義和、中山智弘、睦 哲也、森本浩一、安永裕幸

4)企画推進グループ 
コロナ禍、さらに役員新体制の2年度目の活動として、以下の通り、(A)法人運営に係る活動では、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会と連携し、組織基盤安定化の企画・推進を支援、(B)公益目的事業に係る活動では、EAJ内の各事業間、産学官の連携強化を促進することで、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの活動の企画・推進を実施した(事業1~5)。

(A)法人運営に係る活動

組織基盤安定化による共創活動の活性化をめざし、以下の活動を行った。

  1. 多様な会員による共創活動活性化をめざし、財務・事務機能強化委員会、会員強化委員会などと連携し、新入会員ガイダンス、事業貢献賞を企画、開催することなどで活動を支援(事業5)。
  2. コロナ禍での活動活性化をめざし、広報委員会と連携し、EAJ運営のオンライン化を継続支援(事業5)。

(B)公益目的事業に係る活動

EAJ内の各事業間、産学官の連携強化を促進することで、EAJ定款第4条5事業全般の運営にかかわる、EAJならではの以下の活動の企画・推進。

  1. 実行委員会などの企画、運営を支援。研究力強化委員会など、EAJ活性化を図る提案を取りまとめ、企画運営会議、理事会に上程 (事業5)。
  2. 2022年1月賀詞交歓会・EAJフォーラムなどの企画、運営を支援、会員・賛助会員などの問題意識把握、EAJ事業の活性化に反映 (事業2) (事業5)。
  3. 第4回、第5回新入会員ガイダンスを企画、会員選考員会、会員強化委員会、財務機能強化委員会などと連携して実施、自己紹介・アンケートなどで会員間連携・活性化促進など支援 (事業5)。
  4. 新入会員ガイダンス共催の第194、第195回談話サロン実施 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
  5. コロナ禍で延期となっていた第5回EAJ 賛助会員企業ラウンドテーブルなどのEAJ主催活動の企画・推進を支援 (事業2) (事業3) (事業5)。
  6. グローバル活動の強化をめざし、諸資料英文化などを企画、財務機能強化委員会、広報委員会、政策提言員会、事務局などと連携し推進を支援 (事業4)。
  7. 広報委員会と連携し、ホームページアップデート、EAJパンフレット企画などを支援 (事業3) (事業4) (事業5)。
  8. ジェンダー委員会などと連携し、シンポジウム開催などを支援 (事業1) (事業2) (事業3) (事業5)。
リーダー: 中山智弘
委員: 長期ビジョン・事業計画担当:城石芳博
プロジェクト担当:藤田豊久、城石芳博
人材育成担当:橋本正洋
行事企画担当:小田俊理、大江田 憲治
アドバイザー: 中村道治

2-2 組織基盤増強活動

1)会員選考委員会 
新型コロナ禍の影響の下、2021年度に引き続きメール審議ならびにZOOMによるオンライン会議を実施した。本年度は都合4回のオンライン会議を開催し、会員候補者の入会審査を実施することができた。候補者推薦の増員に努めたが、ご逝去や退会による会員数の増減で、正会員数は2022年度当初の810名に対して、2022年度末には840名となった。客員会員は56名から50名となった(2023年3月31日現在)。
EAJ活動の活性化に資するために、正会員の専門分野や所属組織、年齢構成、男女差等の改善等に努めた。

<2022年度の会員推移>

委員長: 岸本喜久雄
副委員長: 長我部信行、菱田公一
幹事: 北村守
第1分野主査: 光石衛
 委員: 岩附信行、河原源太、小菅一弘、福山 満由美
第2分野主査: 喜連川優
 委員: 伊藤順司、北村守、長谷山美紀、横山直樹
第3分野主査: 佐伯とも子
 委員: 伊藤素行、堤康央、古原忠、村上晃一、村上秀之
第4分野主査: 道奥康治
 委員: 天野玲子、小泉秀樹、塚原健一、丸山一平、山村真司
第5分野主査: 大久保泰邦
 委員: 坂西欣也、瀬川浩司、武藤敬
第6分野主査: 伊藤聡
 委員: 一村信吾、武田英次、渡辺美代子
第7分野主査: 関実
 委員: 河野美由紀、津本浩平、橋本せつ子、安井正人、養王田正文
第8分野主査: 倉持隆雄
 委員: 江上美芽、小山珠美、坂田一郎、高木真人、安永裕幸

2)会員強化委員会 
会員強化委員会は会員選考委員会に連動させた日程で、(通算)第9回:2022年6月20日、第10回:9月22日、第11回:12月9日、第12回:2023年3月16日に開催した。委員会では、個人会員と賛助会員の入会状況と推薦状況の把握にもとづいて、会員発掘と推薦活動の進め方について議論を進めた。論点は、会員の分野や業界の拡大、若手会員・女性会員・企業会員の拡大策、会費制度の改善点、会員へのEAJ活動の情報提供の重要性、客員会員のあり方など、会員強化、ダイバーシティ拡大に関する諸課題である。なお、委員会活動を通じて2022年度は、総数37名の新規会員推薦に貢献した。

委員長: 石原直
幹事: 大江田憲治
アドバイザー: 中村道治
委員: 睦 哲也、辻 佳子、関谷 毅、馬場直志、太田光一、田中敏宏、高松 洋、藤野陽三、近藤玲子、伊藤裕子、柚原義久、森本浩一、城石芳博

 

3)財務・事務機能強化委員会 
2022年度は、事業環境の変化に鑑み、基本を持続的な事業活動の実現に据えた上で、足元の財務基盤の健全性に配慮をして、全体の活動支援を行った。
それには、関係者間の共通認識の醸成が不可欠と考え、累積月次報告を定期に行い、委員会、支部並びに事務局費用の進捗詳細を含め全体収支状況の周知に努めた。一方で、個別活動の積極化に対しては、公平性を勘案しながら、然るべきプロセスを経て、最大限活性化事業の支援を実施した。
個別事象では、個人会費の一部改定に伴うインパクトを念頭に置き、活性化する事業活動とのバランスを一定レベルに抑えることで、次年度への持続性を継承することが出来た。特定費用準備資金の見直しでは、効果的な資金運用を実現すべく、取崩し計画の見直しを実施した。また、財務諸表面においても、関係者と情報を共有しながら、流動資産の未収入金整理(会費未払い問題)に優先的に取り組み影響を最小限に留める努力を行った。
日々の業務では、事務局内の緊密なコミュニケーションをベースに、事業全般に関する実務的な問題点の把握や共有に努め、予算策定作業の定例化等業務の平準化と効率化を心がけ活動を行った。(事業5)

委員長: 睦 哲也
委員: 城石芳博、森本浩一、井上幸太郎
顧問: 中村道治、永野 博

3.公益目的事業に係わる活動

3-1 委員会活動

1)政策提言委員会  
年度内に6回の委員会を開催し、科学技術動向や社会課題などを勘案しながら候補テーマの体系化を図り、EAJが取り組むべき先見的、創造的な提言に結び付く課題の検討とプロジェクトの探索を行った。
政策提言活動として、以下2つの政策提言プロジェクト、インクルーシブなSTEM研究環境の構築 (プロジェクトリーダ(PL):牧原出、副PL:熊谷晋一郎、プロジェクトオーガナイザー(PO):長井寿)およびアフリカとのSTI for SDGsにおける連携(PL:米倉誠一郎、副PL:安永裕幸)について検討内容を政策提言書にまとめた。
現在、下記5つのプロジェクトが活動中(活動承認済み)で、政策提言等にまとめるべく、活動を推進する。5G/6G 時代のAI利活用戦略(PL:森健策、副 PL:淺間一、PO:城石芳博、中島義和、中村道治、森本浩一)、海洋プラスチック研究プロジェクト(PL:橋本正洋)、デジタル変革を可能にする先端半導体研究開発の在り方(PL: 遠藤哲郎、PO:中村道治)、マテリアル科学(PL:関谷毅、長井寿)、「人類の安寧とより良き生存」を目指した工学倫理と工学教育(PL:小泉英明、長井寿)。さらに下記4候補についても検討中である。未来の製造業における新たな学術領域構築のための調査研究(PL:佐々木直哉、幹事:善本哲夫、古川英光、中谷光男)、政策提言とその法制化(PL:TBD、PO:⻑井寿)、レジリエント電力ネットワーク(PL:TBD、PO:城石芳博)、超高齢化社会における科学技術・イノベーションの在り方(PL:TBD、PO:城石芳博、中島義和、中村道治、森本浩一)。
なお各支部および他委員会との活動の連携も進めており、例えば、科学技術・イノベーション(STI)2050委員会所掌の提言書の査読を担当した。また、九州支部、東北支部、ジェンダー委員会、若手委員会ならびにSTI2050委員会からの推薦を受けて、委員会委員の拡充も図っている。

担当理事: 菱田公一
委員長: 中島義和
幹事: 長井 寿、永野 博、中村道治、中山智弘
委員: 淺間一、長我部信行、小泉英明、小林信一、佐藤正明、城石芳博、塚原健一、永野智己、原山優子、森本浩一、安浦寛人、安永裕幸
委員会開催日: 2022/4/18, 6/14, 8/2, 11/1, 2023/1/24, 3/16(いずれもオンライン開催)

2)科学技術イノベーション2050委員会 
『2050年に向けて技術の棚卸しを含む現状把握をした上で、2050の目指すべき将来像に向けて必要な技術、それを実現するための「科学技術・イノベーション(Science, Technology and Innovation, STI)」ロードマップを描くこと』を目的とし2019年11月に、委員会が設立された。国内外で提案されている未来像をレビューして2050年あるいは2100年の望むべき将来像を定め、その実現に向けて必要な社会の構造的転換を促すために鍵となる技術やニッチ技術を特定すると共に、そうした技術が支える社会イノベーションのロードマップを描き、22 世紀に向けて持続可能な社会を実現するためのアクションプランの提言を目標としている。
2021年度末には、以下の3つの課題に絞り、報告書をまとめ、公開した。

  • 課題1: スマートな都市、快適で強靭な人間居住の実現に向けた課題
  • 課題2: 持続可能で格差のない水・食料・エネルギーアクセスの実現
  • 課題3: エビデンスと多様な価値観の許容に基づくガバナンスの実現

2022年度より、常設委員会としての活動を認められ、継続的に活動するための基盤作り、および、JSTの主催するサイエンスアゴラと協働し、以下のシンポジウムを実施した。また、2022年下期に科学技術・イノベーション政策研究会の第3分科会(STI for SDGs)との連携を検討し、STI2050委員会の委員もオブザーバーとして参加した。なお、2022年度の報告書の英語版を公開した。

2023年度からは、重要課題に関する技術の習熟度の評価と展望を主題とし、今後の強化策としての基礎基盤研究の在り方、企業における挑戦的取り組み、オープンな研究プラットフォームの構築、人材育成について議論を行うこととする。今回の結果は、次期科学技術・イノベーション基本計画の立案に役立てることも視野に入れて活動する。2023年度は、ヒアリング(オンライン)、ワークショップ(対面、夏ぐらいの時期)開催し、2024年度の報告書の公開に向けた活動を行う。

委員長: 沖大幹
委員: 有川太郎(幹事)、有本建男、大竹 暁、日下晴彦、倉持隆雄、小泉英明、城石芳博、中島義和、永野 博、藤野陽三、安永裕幸、中村道治、*平川祥子(オブザーバー)
(*非会員)

【EAJ SDGsシンポジウム―未来社会を科学者とデザインしようー】  
開催日時:11月5日(土) 14:30-18:00
JSTサイエンスアゴラ2022 連携企画の一つとして、アジアスタートアップオフィスMONOでSDGsシンポジウムをハイブリッド形式で開催した。2部構成とし、第一部は技術未来セッション、第二部はEAJセッションとした。
松本洋一郎顧問の総合司会で開会し、中村道治顧問から、関係者への御礼と、政策提言や本シンポジウムなど工学を通じたEAJの更なる貢献が重要であるなどの開会挨拶があった。
第一部は、「もし君がノーベル賞を受賞したら」 と題した、ご自身の経験に基づく誰もが心躍る天野 浩会員の基調講演で始まり、続いて、川合眞紀 副会長から「STI for SDGsについての国連での議論」と題し、SDGs実現に向けた課題、科学技術・イノベーションに関する我が国、国連の活動の紹介があり、最後に、沖 大幹理事・STI2050委員長から、「カーボンニュートラル社会の実現」と題し、Energy Sufficiencyも踏まえた取組、改革の重要性に関する報告があった。第1部の纏めとして、松本洋一郎顧問をコーディネータとしたパネルディスカッションが行われた。
第二部は、堂目卓生大阪大学社会ソリューションイニシアティブ長から、 「命を大切にする社会を目指して-社会ソリューションイニシアティブSSIの理念と活動-」と題し、共感資本主義経済による“すべての”いのち輝く共助社会の実現と、STIへの期待と問いについて、また、関谷 毅理事・若手委員会委員長から、「信頼される科学技術を人と共に創る」と題し、地域との共創で新しい未来を創ろうとするナノテクノロジー・マテリアル技術を基軸とする具体的活動事例について、紹介があった。続いて、大学での専攻は社会学で、企業入社後にシステムエンジニアになられ、知りたい時が「学びの適齢期」と言われる行木陽子 理事・ジェンダー委員会委員長から、「多様性とイノベーション」と題し、イノベーションにおけるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの好事例である、コラボレーション分野での課題解決型AI・データサイエンスの活用例など、最後に、有川太郎 STI 2050委員会幹事から、「未来の都市をデザインする」と題し、STIによる未来社会のデザイン例と、本日11月5日“津波防災の日”に因んだ津波避難・救助システムへの将来像について、紹介があった。最後に第2部の纏めとして、未来のあるべき姿とそれに向けたSTIの在り方についてのパネルディスカッションが、これらの話題をベースに時間を延長して行われた。Well-being実現に向け何をなすべきか、との松本顧問の問いに、多様な講演者全員の答えが、感情を移入、共感し、他者の立場で考え行動すること、と一致したことは興味深い。
最後に菱田公一会長代理から、講演者、参加者らへの御礼と、Well-being実現に向け、共感して次を生み出すべく、EAJとして協調していくなどの決意が述べられた。

3)国際委員会 
国際委員会の三原則に基づき活動を展開した。個別事業毎に定められた委員長・実行委員長のもと、活動を展開した。具体的には、下記の個別事業を広範なEAJ会員のご協力の下に推進した。

【アカデミー間連携】

  1. 国際工学アカデミー連合:CAETS実行委員会
    2022年は、フランス工学アカデミー(National Academy of Technologies of France)が主催。「Engineering a Better World – Breakthrough Technologies for Healthcare」と題して、9月26~29日にハイブリッド方式で年次総会を開催。31の工学アカデミーから約500人が参加。EAJからは、小泉英明顧問(CAETS元理事)、中島義和国際委員、田口康会員が参加した。
    併催されたCAETS2022シンポジウムでは「生命科学の動向及び健康技術の倫理について」の基調講演に続き、最先端のナノメディシン、破壊的技術とグローバルな研究開発動向、バーチャルブレイン、技術的ブレークスルーがもたらす倫理的・社会的影響などをテーマに六つのセッションと2回目となるCAETS Communication Prize表彰式が開催された。またロシア政府によるウクライナ侵攻に対するCAETSステートメントも発出された。
    理事会では、アカデミー活動の戦略が議論され、今後のCAETS総会について、2023: Zagreb, Croatia (e2-mobility -Solution and Opportunities)– 2024:Helsinki, Finland (Carbon-neutral Technologies and Society)開催が了承された。
  2. 東アジア工学アカデミー円卓会議:EA-RTM実行委員会
    2022年の東アジア工学アカデミー円卓会議・シンポジウムはEAJ主催で、2022年11月10日に「気候変動への適応策としての防災・減災技術」をテーマとしてオンライン形式で実施された。
    東京大学沖大幹教授より“The Climatic Risk Boundaries and Adaptation”と題してキーノートスピーチが行われた。三つのセッションでは東京大学芳村 圭教授、九州大学の執印康裕教授、京都大学の森信人教授が講演を行なった。また主催アカデミーであるEAJより防災・減災技術に関する国際連携の状況や、今後重要となる技術動向に関するアンケート調査の結果が報告された。
    2023年開催のEA-RTMについては、次回主催アカデミーとなるNAEKより、「未来のモビリティのための自動運転技術」をテーマに2023年10月26-27日または11月2-3日(対面の場合)にソウルで開催することが提案された。オンラインの場合は10月26日または11月2日。

【国際人材育成】

  1. 日米先端工学シンポジウム:JAFOE実行委員会
    2023年7月18日~20日、所千晴運営委員長のもと早稲田大学コマツホールで開催するJAFOE本会議、その事前勉強会(5月8日、JST別館)の準備を進めた。一方で2022年6月24日~25日、金谷一朗会員の主導で第一回国内Frontier of Engineering (Foe Japan)を長崎県美術館にて開催した。会議はハイブリッドで行い、招待講演者の河江肖剰先生(名古屋大)、登大遊先生(筑波大)に加えJAFOE卒業生の最近の研究活動状況報告やパネルディスカッションを通じて、異分野若手研究者のネットワーク強化から国際化への展開が期待できた。
  2. 日豪次世代リーダー育成:ERLEP実行委員会
    The 4th ERLEP Trans-disciplinary Forumの開催に向けて、豪州工学アカデミー(ATSE)と3回にわたるリモート会議を重ねた後、2023年3月10日(金)に対面会議をCanberraのATSEオフィスにて開催した。日本側参加者は原山優子国際委員長、伊藤一秀委員、大橋俊朗委員、藤田正博先生(上智大学、非会員、第4回フォーラムCo-Chair)、櫻井康仁一等書記官(在オーストラリア日本国大使館)、豪州側参加者はProf. Murray Scott(ACS Australia、第4回フォーラムCo-Chair)他10名であった。開催時期・場所として2024年8月〜9月、オーストラリアでの開催を予定することとした。豪州側は前身の派遣型ERLEP事業に大きな関心を示していたことから、新たな事業構想として、派遣型ERLEP事業を再開し派遣事業の最後に現地にてフォーラム型ERLEP事業を開催するハイブリッド型事業の実施が提案され、両アカデミーにおいて議論を継続することとした。

【その他】

  1. 工学アカデミー会長会議(AEPM)
    2022年10月1日、STS フォーラム年次総会の枠内で「未来志向の工学教育」をテーマにAEPMをオンラインで開催。10カ国の工学アカデミー会長等が参加(原山国際委員長がFacilitatorを務める)。
    冒頭、小林会長から、開会挨拶(録画収録)。各参加者より、「未来志向の工学教育」に関して、各国・地域における取組の現状や今後の方向性について、幅広い視点からプレゼンテーションが行われるとともに、これに基づく討論が行われた。主たる専攻領域以外に幅広く知見を修得し、公益性や倫理面をはじめ、自然科学と社会科学の境界を超えて「知の専門家」を育成することの重要性が確認された。最後に、STSフォーラム小宮山宏議長より参加者及び関係者に謝意が示された。
委員長: 原山優子
担当理事: 川合眞紀
委員: <個別委員会>森本浩一(CAETS、AEPM)、三島 望(EA-RTM)、村上秀之(JAFOE)、大橋俊朗(ERLEP)
<会員>伊藤一秀、金谷一朗、杉山正和、田口康、中島義和、古川英光
顧問: 岸 輝雄、小泉英明、長井 寿、永野 博、中村道治

4)人材育成委員会 
産学官の連携による総合的な視野と中長期的な視点をもって戦略的に工学人材を育成すべく、以下の活動などを実施した。

  1. 若手リーダー塾実行委員会と、若手リーダー塾の進め方について議論し、対面もしくはハイブリッド開催を企画していた、「第1回若手リーダー塾参加者のフォローアップ会」、「第2回若手リーダー塾」は、コロナ禍が終息しないことから、今年度の開催を延期することとした。早稲田で毎年行っている若手人材塾はコロナ対策が実施しやすい会場ですでに対面開催を再開しており、今後、若手委員会との連携強化など体制の再構築含め、対面での開催について検討を進める。
  2. イノベーション政策懇話会と連携して、アントレプレナーシップ教育の重要性と早稲田大学の取り組み、地方国立大学の経営と課題、先端技術とヒット商品の開発などに関する懇話会を開催した。
委員長: 橋本正洋
幹事: 城石芳博、横山直樹、中島義和、岸本 喜久雄、石原 直、金谷一朗、村上秀之、小林信一、松見芳男、*島田 昌、中村道治
委員: 瀬戸口 剛、長坂徹也、染谷隆夫、水谷法美、大嶋正裕、馬場口 登、狩野 裕、久枝良雄、*小豆畑 茂、大江田 憲治、榊原裕二、坂田東一、安永裕幸、犬塚隆志、上野晴樹、高山 誠
(*非会員)

5)若手委員会 
若手委員会では、急速に進展するデジタルトランスフォーメーション、ポストコロナ時代における社会及びこれからの工学の在り方について多方面と連携し、若手目線から議論を深めてきた。本委員会メンバーよりさらなる若手世代(10−30歳代)への環境整備を重視し、その実現へ向けた検討を進めてきたところである。

2022年度は、2021年度に開催した第一回の公開シンポジウム「ネクストイノベーターへ伝える起業・創業の魅力」に続く企画として、第二回公開シンポジウム「世界の最先端を拓く研究者が見ている本当の景色 ~量子技術、ブロックチェーンを解きほぐす~」を開催した。革新的な新技術が変える未来社会について著名な研究者である藤井啓祐教授(大阪大学)と松尾真一郎教授(ジョージタウン大学)、を基調講演者に迎えて講演会を行った。さらに若手委員会メンバーもパネリストとなって、革新的技術を社会へ実装していく要諦についてディスカッションを行った。当日は、産学官民から約270名の参加があり、盛大に開催することができた。さらに参加者に対して、シンポジウムのテーマやディスカッション内容に関して、アンケートを通じた調査を実施した。今後、当日の講演概要やパネルディスカッション、アンケート結果の分析をもとに、報告書として取りまとめ発信していく予定である。(公開サイト:https://www.sekitani-lab.com/symposium2022/

委員長: 関谷毅
副委員長: 永野智己
委員: 伊藤一秀、川原圭博、*永谷圭、古川英光、松尾豊、*保田淑子、*竹内雄一郞、*松塚貴英、*成瀬彰
(*非会員)

6)ジェンダー委員会 
2022年度は5回のジェンダー委員会を開催(幹事:川村委員)し、科学技術・イノベーション2050委員会(「SDGsのための科学技術・イノベーションシンポジウムSTIセッション」に、委員長が委員会を代表して参加)、政策共創推進委員会(大倉委員が委員として参画)など他委員会や支部(正副委員長が支部長会議(担当:伊藤委員)に参加、支部との共催の講演会企画(森田委員)などに関して意見交換)、政策提言委員会(中島委員)と連携した活動を推進するとともに、大学院生によるインタビュー(中村委員、陳委員)、活動の見える化(鳥居塚委員)などの活性化策について検討を進めた。

特記事項として、2023年1月に、第6回EAJジェンダーシンポジウム~デジタル社会における「新しい学び方」~開催(鹿野委員、玉田委員まとめ)。当シンポジウムは、昨年度ジェンダー委員会で取りまとめた「多様性に関する意識調査」(EAJ報告書2021-04) 結果から導き出された、多様な人材育成の重要性に着目して企画したもので、大学のみならず中学高校の教育にすそ野を広げ、「デジタル社会」における教育のあるべき姿について2件の基調講演、パネル討論を行った。平日開催であったが、参加申し込みは127名で、EAJ 以外からの参加が6割で計80名を超えるライブ参加があり、期間限定アーカイブ配信の再生回数は計111回と活発な会となった。アンケート結果を活用して、今後更なる多様化、活性化につなげる。

委員長: 行木陽子
副委員長: 城石芳博
幹事: 川村みどり、森田純恵
委員: 伊藤貴之、大倉典子、鹿野豊、玉田薫、陳迎、鳥居塚崇、中島義和、中村淳
アドバイザー: 石原直、大野英男、辻佳子、長坂徹也、原山優子、平尾明子、森勇介、渡辺美代子
学生委員: 秋山茉莉子、依田みなみ

7)広報委員会 

  1. ネット配信を行っているEAJの季刊誌 「EAJ NEWS」 の発行を4回行った。うち2回は、「2021年度プロジェクト」及び「デジタル(データ)は社会/学術/産業/行政をどう変えるか?」の特集号とした。
  2. ホームページについては、積極的な情報発信に心がけた。依頼数ベースで、約280強の情報発信を行った。平均して一日1件以上の情報発信を行ったこととなる。
  3. オンラインにより、3回の広報委員会の開催を行い、以下の活動を行った。
    i) EAJパンフレットの作成に向けて
    主として外部の方に対するEAJの紹介や新規会員候補者への説明を行うことを目的として、見開き4ページで諸活動については適宜差し込む形式のものを想定して検討を行った。
    ii) EAJ著作権規定の検討
    EAJの著作物の他媒体への転載等の機会が増えてきたこと等を念頭に、諸学協会の事例を参考に、著作権規定の原案の検討を行った。
委員長: 安永裕幸
委員: 岡田益男、小野由理、小山珠美、菅 裕明、城石芳博、高原 淳、田中敏宏、辻 佳子、原 邦彦

8)政策共創推進委員会 
わが国におけるミッシングリンクである立法府とアカデミアの間の科学技術情報共有をアカデミア側からのアプローチによって少しでも現実化することにより、日本の政策立案が、ますます複雑化しつつある社会の問題により適切に対処でき、国民からも信頼されるものとなることに寄与するため、2022年度は、2020年11月13日理事会で承認された活動方針に基づき、以下を実施した。

  1. 国会議員との意見交換、対話の会(第4回2022.05.17、第5回2022.11.05、第6回2023.01.25)
  2. 参議院調査部門との共催ワークショップ(第3回2022.08.25)
  3. 国立国会図書館との調査・提言テーマに関する情報交換(第3回2023.01.05)
  4. 横断的な活動を行う公的団体と情報共有を行うための「政策共創プラットフォーム」(第2回2023.01.24、第3回2023.03.23)を開催し、本委員会の活動に対する助言や提案を受けた。
  5. 若手研究者(博士課程の研究者を含む)による議員インタビューの第2回目、第3回目を実施した(第2回2022.06.22、 第3回2023.01.25)。
  6. 委員会は、第4回2022.04.01、第5回2022.09.29、第6回2023.01.19を開催し、上記の計画案の審議、実施結果の情報共有、総合的な意見交換などを行った。これらの実施結果などについては、ニュースレターやHPで順次公表している。活動に対する注目度が高まり、マスメディア取材、インタビューなどを受けている。
  7. 米国におけるアカデミー、科学助言システム、米国科学振興協会の実施する議会フェローシップ制度の運用状況などについて、米国での現地調査を2023年2-3月に実施した。
委員長: 永野博
副委員長: 長井寿
委員: 今村努、江村克己、大倉典子、岸本喜久雄、久間和生、倉持隆雄、小泉英明、小林信一、小林喜光、坂田東一、城石芳博、関谷毅、高木真人、辻篤子、坪井裕、中島義和、細野光章、牧原出、*松尾真紀子(東京大学公共政策大学院)、睦哲也、森本浩一、安永裕幸
アドバイザー: *角南篤(政策研究大学院大学学長特別補佐、客員教授)、*城山英明(東京大学未来ビジョン研究センター長)
(*非会員)

9)会長候補者推薦委員会 
2016年5月12日理事会制定の「会長候補者推薦委員会設置要綱」に基づき、阿部博之 名誉会長(委員長)、亀井信一 会員、城石芳博専務理事、中西友子 顧問、永野 博 顧問、中村道治 顧問により委員会を構成した。その後、オンラインで、第1回委員会を2022年7月1日(金)に、第2回を2022年8月5日(金)に、第3回を2022年9月1日(金)に開催し、会長候補者を選任、理事会に提案した。

委員長: 阿部博之
委員: 亀井信一、城石芳博、中西友子、永野 博、中村道治

10)研究力強化委員会 
我が国の研究開発システムの在り方を俯瞰的に考察し、その再設計と研究力の強化に関して、双方向交流場を設け、多様な分野の第一線で活躍する若手研究者、女性研究者、企業研究者など有識者の声を集め、現場視点で有効な方策を議論するとともに、多様な会員、マスコミ、国会議員など含めた関連ステークホルダーとの意見交換を行い、政府、立法府、学界、産業界への具体的な提言を行うべく、2022年11月17日(木)理事会で設置が承認され、活動開始。

委員長: 杉山正和
委員: 石田哲也、岡野栄之、川合眞紀、*小林傳司、関谷毅、関村直人、*武見綾子、豊田長康、永野博、中村道治、*波多野睦子、松本洋一郎、山口栄一
(*非会員)

3-2 支部活動

1)支部長会議 
これまで、支部と本部、支部間の連携を深め、産学官民連携による5支部体制での支部活動の一層の強化、推進を目的に、意見交換の場としての支部長会議を4回開催し、各地区の特質に根差した活動の活性化を図ってきた。今回、新たな取り組みとして、EAJ、支部、委員会活動などの今後の更なる発展に繋げるため、支部長会議に委員会委員長にもご参加頂き、各支部・各委員会の活動・取組状況や課題などの情報共有に加え、共同企画の在り方、ご提案等について意見交換を行う第5回支部長会議を、オンライン形式で10月7日に開催した。
各支部からは、支部の現状と課題、新たな取り組み、EAJ各委員会との連携・共同主催に関する企画案、要望事項などについての説明が、各委員会からは、委員会活動状況などの説明と、各支部との連携・協力策についての意見が、本部からは、頂いたご要望、ご意見に対して前向きに対応させていただきたい旨の回答があった。活発な支部、委員会間の意見交換が行われ、支部、委員会の合同会議ならではの活発な議論があった。
今回の議論から、一般向けパンフレット(三つ折り1 枚程度)の作成、多様性の一層の拡大についての支部・委員会での連携強化などが進められることになり、今後の一層の活動活性化につながることが期待される。

2)北海道 
38名(正37、客1)/本年度入会1名

  1. 2022年04月18日 北海道支部発足記念式典・祝賀会を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
  2. 2022年06月29日 令和4年度第1回理事会および理事懇談会を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
  3. 2022年08月16日 日本学術会議第三部主催の公開シンポジウム「地球環境の未来を考える~カーボンニュートラルの実現に向けて~」を共催(オンライン)
  4. 2022年09月12日 北海道支部茶話会「カーリングを科学する」を開催(於 北見工業大学)
  5. 2023年03月03日 令和4年度第2回理事会および理事懇談会を開催(於 ホテルマイステイズ札幌アスペン)
  6. 東北大学未来科学技術共同センター主催の未来科学オープンセミナーを東北支部とともに協賛開催
    *2022年06月03日 第13回未来科学オープンセミナー
    『酸素と人体の絶妙な関係から拓く創薬~ドーピング薬検出から宇宙旅行用薬剤開発まで~』
    *2022年08月26日 第14回未来科学オープンセミナー
    『多様化するリスクに対応する技術の開発 -安全で持続可能な社会実現のために-』
    *2022年10月05日 第15回未来科学オープンセミナー
    『未来イメージセンサと半導体集積回路の世界-製造技術開発・回路設計・測定評価まで-』
    *2022年12月22日 第16回未来科学オープンセミナー
    『 健康長寿を全うするための「食」素材、その発掘と実装について-PPK(ピンピンコロリ)を目指して』
    *2023年03月23日 第17回未来科学オープンセミナー
    『プラント運転異常を即座にドローンで検知―超小型・高感度ガスクロマトグラフ(GC)の開発―』
  7. 2023年03月07日 東北支部発足記念シンポジウム 「女性起業家への道-第一歩から成功までノウハウ-」(オンライン)を共催
  8. 北海道支部便りを年度内に電子メールにて10回発送した。
支部長: 増田隆夫
副支部長: 空閑良壽、鈴木聡一郎、瀬戸口剛
専務理事: 馬場直志

3)東北支部 
102名(正96、客6) /2022年4月1日以降5名退会

  1. 東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe)「未来科学オープンセミナー」を協賛
    (於)東北大学 下記の合計5回
    2022年:6月3日、8月26日、10月5日、12月22日、2023年:3月23日
  2. 2022年12月15日 東北支部発足記念式典・祝賀会・講演会 (於:仙台ガーデンパレス)
  3. 2023年03月07日 東北支部発足記念シンポジウム 主催(於)オンライン講演会:
    「女性起業家への道-第一歩から成功までのノウハウ-」
  4. 2023年03月11~18 日 支部理事会 (於)メール審議
    東北支部内規の改訂(支部発足時の役員任期延長(令和5年5月31日まで)を承認)
  5. ホームページのリニューアル実施
支部長: 神本正行
副支部長: 猪岡光
専務理事: 岡田益男

4)中部支部 
70名(正70、客3) /2022年度ご逝去1名(豊田章一郎会員)

  1. 第15回EAJ中部レクチャー「ハイブリッド誕生とその後の25年を振り返り、自動車とモビリティ産業の未来を考える」 2022年7月14日(金)
    講演:八重樫 武久氏(オフィス・コーディア代表)
    鼎談:八重樫 武久氏、原 邦彦氏(名古屋大学 価値創造研究センター特任教授)、林 良嗣氏(中部大学 持続発展・スマートシティ国際研究センター卓越教授)
  2. 第16回「中部のスタートアップを考える」 2022年11月4日(金)
    講演:【題目:起業支援と次世代リーダー育成の最新事情】藤田豪氏(MTG Ventures 代表取締役)
    対談:【題目:中部のポテンシャルを世界へ】 藤田豪氏、安田孝美氏(名古屋大学大学院情報学研究科教授)
  3. 2回のEAJ中部レクチャーを通じて非会員の出席も得ながら工学分野の社会一般への周知に努めた。昨年度オンライン開催から、登壇者が現地会場(名城大学)に集合し、オンライン参加の視聴者に音声と映像を配信するというハイフレックス方式に改善したが、関西支部の協賛も得ながら支部を超えて参加いただくことができ、今後は対面・オンラインを併用したハイブリッド開催も検討したい。
  4. 井戸端会議: 一昨年度立ち上げた企画推進部会を中心に4回実施し、現状での課題などのフリーディスカッションを行って、その場での議論を今後の支部活動に活かすべく活動を継続している。
  5. 特別顧問の新設:天野 浩氏(名古屋大学)、内山田 竹志氏(トヨタ自動車)、川合 眞紀氏(自然科学研究機構)および山本 尚氏(中部大学)の4氏に就任いただき、豊富な知見とご経験から種々ご助言いただける仕組みを作った。第3、4回井戸端会議はスペシャル版として二方ずつとの懇談の形で実施された。
  6. 講演会の後援・協賛:複数回行った。
  7. 中部支部運営委員会: 中部レクチャーの日に開催し、支部活動の活性化などの議論も継続的に行っている。
  8. EAJ中部通信: 支部会員に活動内容の発信にも努めており、今年度は2回発刊した。
支部長: 林良嗣
副支部長: 岩井善郎、太田光一、原 邦彦
幹事長: 葛漢彬
副幹事長: 辻篤子

5)関西支部 
116名(正110、客6)/2022年度入会4名(正4)

  1. 運営委員会を以下のように開催した。
    2023年3月28日、29日、30日
  2. 講演会を以下のように開催した。
    ・2022年12月26日:日本工学アカデミー関西支部 第8回講演会
    「AI・自動化のイノベーションが人間社会にもたらす光と影と技術倫理」
    ハイブリッド開催(京都大学桂図書館会場、オンライン配信)
    ・2023年03月10日:日本工学アカデミー関西支部 第9回講演会
    「医工融合により進める教育と研究~新しい医療機器の開発研究と創造的開発人材の育成〜」
    ハイブリッド開催(神戸大学瀧川記念学術交流会館、オンライン配信)
支部長: 田中敏宏
運営委員: 尾上孝雄、大村直人、和田成生、河原克己、廣田典昭、堤和彦、石出孝、小田一郎
運営委員(幹事): 椹木哲夫、桑畑進、小池淳司

6)九州支部 
48名(正44、客4) /2022年度入会4名(正4)

  1. 次のとおり講演会を2回主催した。
    ・2022年10月20日:2022年度EAJ九州支部講演会 「グローバルに活躍する人材育成を目指して-長崎大学工学系の取り組み-」
    講師: 蒋 宇静 氏、相樂 隆正 氏、金谷 一朗 氏
    会場: オンライン開催
    ・2023年01月11日:沖縄工業高等専門学校出張講演会 「AIとデータサイエンスの近未来」
    講師: 山下 隆義 氏、岡崎 威生 氏
    会場: 同校2年生を対象としたハイブリッド開催(同校視聴覚教室(校内オンライン配信有))
  2. 次のとおり共催・後援シンポジウム等を開催した。
    ・九州工学教育協会との共催シンポジウム
    *2022年07月12日 第13回 九州工学教育協会シンポジウム 「九州沖縄地区での産学官連携とDX」
    会場: ハイブリッド開催(JR博多シティ大会議室およびオンライン配信)
    *2023年01月31日 第14回 九州工学教育協会シンポジウム 「これからの九州の工学教育」
    会場: ハイブリッド開催(リファレンス大博多ビル貸会議室11階およびオンライン配信)
    ・インフラメンテナンス国民会議 九州フォーラムとの後援イベント(福岡国際会議場及びオンライン配信)
    ・2022年10月12日 第7回ピッチイベント 「市町村⻑が考えるこれからのインフラメンテナンス」
    ・第25回 東アジア工学アカデミー円卓会議(EA-RTM)への開催協力
    ・2022年11月10日 「気候変動への適応策としての防災・減災技術に関するシンポジウム」
    会場: オンライン開催
    実行委員会(九州支部より3名)
    塚原 健一 EAJ理事 九州大学・附属アジア防災研究センター教授
    山田 淳  九州支部長 (公財)九州先端科学技術研究所研究所長
    日野 伸一 九州支部副支部長 (一社)九州建設技術管理協会学術顧問
支部長: 山田淳
副支部長: 髙松洋、谷口功、日野伸一
ほか、理事及び名誉理事、名誉顧問

7)その他
その他の地域においても、地区講演会の開催などを通じて、地域の活性化の基盤と会員の増強に努める。なお、引き続き会員ゼロの県をなくす努力を継続する。

組織・運営

組織図2022

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