過去、疫病、戦争、飢饉といった人類の難問に対して、それらを克服するために多くの努力が払われてきました。今世紀になり、新たな感染症対策や、国家および経済の安全保障をはじめとした想像を超える多くの問題が、各種の分極化を伴いながら人々に直結する事象として日々おきています。科学技術は何千年もの蓄積がなされてきた一方で、ほんの数十年で入れ替わる個々の人間は、はたして進化してきたのだろうかと考えざるを得なくなります。このような中で科学技術には、持続可能な社会の実現やすべての人々の安寧や進化のために、その光と影に配慮しつつ、主要な役割を果たすことが求められています。 EAJでは、この機を「Engineer the Future」早期具現化の大きなチャンスと捉え、社会、環境、経済的に持続発展可能な新常態像を描き、抜本的な変革に向け、強い意思を持って一歩を踏み出すための指針や具体的施策の提供に注力したいと考えています。 そこで新入会員、新規賛助会員を対象に、EAJの活動全体をご理解頂き、積極的にご参画頂くとともに、新常態に向けた新たな活動を立ち上げていくための一助とすべく、オンラインガイダンスを実施しています。今回の第5回ガイダンスでは、EAJ活動概要、委員会・プロジェクト、内規、諸手続きなどの説明、最近のプロジェクト企画例、委員会活動例を紹介させて頂きます。
【趣旨】
STEAM分野 (science, technology, engineering, Arts and mathematics,科学・技術・工学・芸術・リベラルアーツ・数学の教育分野)において、男女共同参画の必要性が提唱されて久しいですが、日本の学校教育では、性の違いによって個人が家庭、社会、学校から受ける影響(「隠れたカリキュラム」)があると言われています。大学院入学者に占める女性比率は理学系で30.2%、工学系で15.2%と女性比率が低くなっています(文部科学省 令和3年度学校基本調査)。
そこで今回のシンポジウムでは、産業構造が変容し、女子学生の数と企業の必要枠のギャップが分野ごとに異なることも考慮し、理工学系女子学生の大学院進学に焦点を当て、第1部で、受け入れ側の大学側が整備すべき取り組みの紹介を行い、第2部で当事者の男女学生側とパネル討論を行い、研究者の登竜門となる大学院進学の段階において、研究職を志す女性の底上げについて議論します。