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公益社団法人 日本工学アカデミー

日本工学アカデミーは、工学・科学技術全般の発展に寄与する目的で設立された産学官の指導的技術者の団体です

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技術倫理宣言

大阪で初めて1997年11月12日に円卓会議(Round Table Meeting:RTM)を開催して以来、日中韓三ヶ国の工学アカデミー(the Chinese Academy of Engineering(CAE)、the Engineering Academy of Japan(EAJ)、the National Academy of Engineering of Korea(NAEK))は、東アジア地域共通の技術的な問題について議論し、東アジアの技術の進歩発展をめざし、公平で、バランスのとれた勧告を提案するために毎年会議を開催してきた。この目的を達成するために、第8回東アジア円卓会議を蘇州(中国)にて2004年11月1日に開催し、以下の事項に同意する。

1. 技術は、交通、情報通信、製造、健康、環境、教育などへの新しい応用により、予想を越えた経済産業社会の成長と生活水準の向上を実現した。我々は、技術の進歩とその応用に挑戦し、人類社会の質の向上に貢献するアジアの技術者を信頼する。

2. 技術者の職務の社会への影響は非常に大きくなっている。 現代の技術は、文化的にも、社会的にも、政治的にも、あらゆる局面で複雑に影響していることは明白である。 したがって、技術者は、専門的能力を発揮するにあたり、国民の安全、健康、および福利に配慮して、良心的に行動する必要がある。

3. 我々は、すべてのアジアの技術者が、人類社会の福利と生活の質の向上に貢献するために、職業を通じて高い倫理規準を遵守する必要があると信じる。

4. 我々の信念に従い、我々は、付属文書「アジア技術者の倫理に関する指針」を、アジア諸国の工学系の学協会が、各々の所属会員に対して、技術者が専門的な仕事をする際の技術倫理基準として活用するよう勧告する。

署名
Kuangdi Xu:中国工学アカデミー会長
西澤 潤一:日本工学アカデミー会長
Ki-Jun Lee :韓国工学アカデミー会長

蘇州(中国)にて、2004年11月1日

付属文書: アジア技術者の倫理に関する指針


付属文書

アジア技術者の倫理に関する指針

我々、中国工学アカデミー、日本工学アカデミーおよび韓国工学アカデミーは、技術者が生活の質と地球環境の持続可能性に技術が重要な役割を担っていることを認識し、近隣諸国の人々や自然環境と調和のとれたアジアの文化遺産を大切にし、正直で偏見のないプロの技術者として誠実、名誉、品位を重んじ、独立した個人としての技術者の義務を遵守し、雇い主・依頼主・国民に誠実に奉仕し、最も高い倫理規準でプロの行為に専念するように、アジアの工学系学協会に勧告する。 この精神を達成するために、アジアの技術者は下記事項を実行する。

1. 国民の安全、健康、福利と整合のとれた技術的決定をする責任があることを認識し、また自然界における長期で大規模な元に戻すことができない土木技術を応用する際に、安全、健康、福利、および持続可能なグローバルな開発に関する、すべての関連情報を公開する。

2. 職業的または専門的事項について、この指針の他の項目を遵守して、雇い主や依頼主に忠実な代行者または受託者として行動する。

3. サービスの品質や評価に影響を及ぼすまたは及ぼす恐れのある事項について、すべての知られているまたは潜在的な利害対立事項を公開する。

4. データに基づく主張や予測を述べる際には、正直で信頼できる人である。

5. 準拠法、法令、規則や規制、契約、および諸規格を遵守して、仕事を遂行する。

6. 著作権や特許を含む財産権を尊重し、知的所有権を正当に評価する。

7. 正直な専門家としての批評を求め、受け入れ、提供する。他の人の業績を適切に評価し、行ってもいない仕事の権利を主張しない。

8. 経験と教育の限界に正直に、率直に対応し、自己の信念と良心にもとづいて行動する。

9. 業務を通して関連知識、技能、および専門的技術の修得を続け、専門分野の技術の改良に貢献する。

10. 性別、宗教、民族、年齢、性的優先権、人種、肉体的または精神的な障害に関する偏見と差別に反対する。

11. 地球の持続的発展とその生産能力の保存と回復に必要な努力を払う。

12. アジアの技術者の相互理解と連帯を促進し、アジア各国の友好関係に貢献する。

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